コリアNGOセンターも討論に参加
南北交流が活発化する中、韓国の政府系シンクタンクで、統一専門家、実践家らで主宰される(社)平和問題研究所(玄敬大理事長)が、5月24日から韓国済州道済州市のKALホテルで2泊3日間に渡ってセミナーを開催した。 このセミナーは、年1回開催され、今年で12回目を迎える。
今回のテーマは、「北韓(北朝鮮)の変化と在外同胞社会の役割」。
国内外から研究者や実践家が参加、統一における在外同胞の役割について討論を行った。
冒頭の玄敬大理事長による開会あいさつの後、丁世鉉統一部長官による特別基調が報告された。丁統一部長官は、昨今の北朝鮮国内の動向を分析しながら、改革開放に進まざるをえない状況であるとの認識を示し、こうした動きを挫折させないためにも進めるべき分野は積極的に南北交流を進めるべきだとの考えを示した。
また、北朝鮮が核問題で得るものよりも失っているものが多いとし、あらゆるチャンネルを通じて北側に核兵器開発放棄を呼びかけ、それを動機づける国際的な対話構築の重要性を指摘した。
二日間にわたるパネルディスカッションでは、北朝鮮国内における改革開放や統一政策における在外同胞の役割について討議を行った。韓国外国語大学教授のオ・スンニョル教授は、北朝鮮国内における市場経済導入の現状について報告、昨今の改革政策は、中国式まではいかずとも緩やかな市場経済の初期段階がすでに始まっているとの分析を示し、それを確実な変化に導くためにも、在外同胞企業からの投資が必要との認識を示した。

また、米国から来たメンフィース大学のピョン・チョンス教授は、貿易額の変動状況を示しながら、いまだ多くの課題を抱えているものの、北朝鮮経済に肯定的な動きがあるとの考えを示し、在外同胞がこうした動きに着目し、北朝鮮国内の改革開放政策を支援するため在外同胞ネットワークの構築が必要だと述べた。
日本から参加した大阪教育大学の裴光雄教授は、在日同胞の統一意識をテーマに発言、在日同胞が統一問題に主体的に関わっていくためにも、教育啓発が必要との認識を示し、世代交代が進む在日社会における祖国との一体感不足や民族意識の希薄化を指摘した。一方、新発足したコリアNGOセンターの発足を高く評価。発足記念式での会場の活気を伝えながら、コリアNGOセンターがそうした分野で大きな役割を果たすのではないかとの期待を表明した。
コリアNGOセンターの金光敏事務局長は、在日同胞の民族教育の現状や差別政策が温存されていることを報告し、在日同胞の人権保障が放置されている問題の根幹に、日本政府の歴史未清算問題があると指摘。遠からず調印される朝日条約を展望し、戦後賠償が経済支援方式になったとしても日本による朝鮮への植民地支配が、当初から不当であったことを明記すべきで、一貫性を担保するために韓日条約の修正を韓国政府は推進すべきとの考えを示した。
他、ロシア、中国から研究者らが討論に参加し、ここで議論された内容は、政府に対して政策提案として示されるとしている。
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