コリアNGOセンター民族教育確立事業

現場と国の課題意識をつなぐ政策研究シンポジウム開催  浮島文科副大臣も最後まで同席

浮島とも子・文科副大臣が挨拶

パネルディスカッション
 入管法改定で外国人受け入れに注目が集まるなか、現場と国をつなぐための政策研究シンポジウムが7月5日、上智大学で開催された。主催は大阪大学大学院人間科学研究科高谷研究会と上智大学グローバルコンサーン研究所。
 高谷研究会は、高谷幸准教授が先端研究に関わる国の助成を受け、昨年から3カ年にわたり政策研究に取り組むために設けた研究会で、この研究会に当センターの金光敏事務局長が委員として参加している。
 入管法改定や文部科学省がとりまとめた「外国人の受入・共生のための教育推進検討チーム」報告など、政府の動きが活発になるなか、研究会として現場の課題と今後の国の政策議論の相互連携を図る機会をつくれないかと企画された。
 とりわけ、外国ルーツの子どもの教育に格別の関心を傾ける浮島とも子文部科学副大臣の在任中に、この分野への社会的関心を高め、現場と文部科学省、そして研究の連携、共有に取り組んでおきたいというねらいがあった。
 開催にあたり挨拶した浮島副大臣は、現場をまわり、当事者の声にも耳を傾けてまとめた報告があがり、文部科学省として実態をさらに把握し、多様な教育機会の確保の観点から多文化共生教育をより推進していく考えを強調した。
 パネル討議では、文部科学省で外国人教育を担当する総合教育政策局の三好圭課長がとりまとめた報告をはじめ文部科学省の今後の取り組みについて。大阪府立長吉高校の森山玲子教諭は渡日生徒の特別枠入試や母語母文化の支援学習による効果についてを報告した。
 また、大阪成蹊大学の鍛冶致教授は外国人生徒の高校入学の実態から見える多様な事情を抱えた外国人の進学課題について。最後には、徳島大学の樋口直人教授により、外国人生徒の大学進学の実態から特別枠拡大政策の有効性についてのプレゼンテーションが行われた。
 ディスカッションでは、入試配慮が留学生に留まり、外国人生徒らは学費の安い国公立に進学が難しい点が指摘されたほか、母語支援の必要性が文部科学省においても取り上げれるなか、アイデンティティの肯定化につながるその効果などについても議論された。
 また、当事者の立場からIT関係で起業したブラジル出身の長吉高校卒業生や、同じくブラジル出身で外国人教育について研究する大阪大学の院生が自らの体験談について発言した。
 予想を上回る270名余りの参加者が集まり、現場従事者、研究者、教員、NPO活動家が互いに共感、課題共有できた政策研究シンポジウムとなった。そこに加え、浮島副大臣はシンポジウム終了時まで席を立たず、議論に参加。政府高官が民間主催のシンポジウムに最後まで同席するのは異例なことで、浮島副大臣の本気度が伝わるとの評価を受けた。また、文部科学省のスタッフが10名弱参加し、熱心にメモを取りながら議論を聞き入った。
 国と現場、そして研究が緊密に連携し、すべての子どもたちの持つ可能性を生かしていける社会づくりで、一致できた意義深いシンポジウムとなった。 (2019.07.06)

保育無償化、ブラジル学校にも適用を  公明党滋賀県議員団によるサンタナ学園視察


 ブラジル学校併設の保育施設にも保育無償化政策が及ぶかどうか、その決定時期が夏あたりに近づいているなか、NPO法人コレジオ・サンタナでは今、勢力的に関係機関、団体に働きかけを続けている。その一環で5月27日、公明党滋賀県議員団を現場に招き、実態把握に取り組んでもらった。
 この日、視察に来たのは、中村才次郎県議、清水ひとみ県議をはじめ中野正剛彦根市議、堀郁子甲賀市議、細川ゆかり湖南市議、山本たえ子近江八幡市議、西垣和美草津市議。保育無償化は国と県、市町村で費用分担することから県議や市議の役割はとても大きい。
 視察では中田ロザリンダ・ケンコ校長の話からブラジル学校の現状について聞いたほか、無償化適用の必要性について資料をもとに当センター金光敏(キムクァンミン)事務局長から説明した。また、保育室、さらに教室での子どもたちの様子を見てもらい、実情を知ってもらった。
 無償化法では、無認可保育施設も対象になるとしている。ただ、どの施設に適用するかを基礎自治体の権限に委ねた。もちろん、県も費用負担し、国、都道府県、市長村のすべての理解が欠かせない。そうした意味でも、今回の視察が契機となり、連携が深まってくれればとの要望から実施された。
 視察した議員の皆さんも親身になって話に耳を傾けたほか、子どもたちとの交流の機会も持った。NPO法人コレジオ・サンタナ側から知事への要請機会をつくってほしいとのお願いし、検討してもらうことになった。
 地道に、でも急ぎながら、県内全体で外国人学校の処遇改善につながるようさらに努力したい。
 当センターの金光敏事務局長はNPO法人コレジオ・サンタナの理事を務める。 (2019.06.01)

Minamiこども教室にフィリピンから来客  デ・ラサール大学付属科学高校の生徒らと交流


 大阪市中央区島之内に暮らす外国ルーツの子どもたちの学習支援教室「Minamiこども教室」に5月14日、フィリピンから高校生たちの訪問があり、子どもたちが交流した。
 訪ねてきたのは、フィリピンでも名門のデ・ラサール大学付属科学高校の最高学年の生徒たち。明石高専との国際交流を目的に来日し、各地でフィールドスタディに取り組んだが、ぜひ来日中にフィリピンの子どもたちと出会わせてあげたいと、Minamiこども教室の訪問が実現した。
 明石高専と教室とのつながりは、当センターの金光敏事務局長が非常勤講師を務めていることによる。
 この日は、社会学博士を持ちフィリピン研究の専門家で、かつ教室でコーディネーターを務める原めぐみさんがファシリテーターとなり、来日生徒たちへの説明や、交流プログラムを担当した。奇遇にも、原さんもまた和歌山高専で教鞭を執る。
 教室には、フィリピンルーツを持ち、フィリピン語が話せる子どもたちが多数おり、交流では、双方初めてにも関わらず、まるで親戚のお兄さんやお姉さんと触れ合うようにすぐに仲良くなった。
 子どもたちにとっても楽しい一時だったが、来日生徒たちにとっても意義深い出会いになったようで、訪問後の振り返りでは日本に暮らすフィリピンの子どもたちの実情にふれ、感無量で涙を流した生徒もいたとのことだ。
 自らや家族の出身国や出身地について学んだり触れたりすることは、子どもたちの自尊感情の育みには欠かせない。子どもたちの生活意欲や学習意欲の向上のためにも、こうした交流の機会をMinamiこども教室では今後とも持っていきたい。
 Minamiこども教室を主催する実行委員会に当センターが参加し、当センターの金光敏事務局長が実行委員長を務めている。 (2019.05.20)

ブラジル学校併設の保育施設の無償化に向けて滋賀県が先駆的役割を 公明党県議団に要請

 今年10月から幼児教育保育の無償化政策が実施される。当センターが2008年から支援を続けている滋賀県内のブラジル学校の併設保育施設がこの制度の範囲に入るよう求めている問題で、5月14日、滋賀県庁を訪問し、公明党議員団に協力を要請した。
 就学前教育や保育の無償化政策は、消費増税を財源に進められる安倍内閣の目玉政策。すでに法律は成立し、あとは実際の実務を担う自治体の取り組みに注目が集まっている。
 この政策の注目点は無認可保育施設の扱い。国会では立憲民主党や共産党などが反対した。反対理由は保育の質が担保されていない無認可保育施設に支援が広がることへの懸念だ。子どもの命を預かる施設であるため、質の保障は譲れないところ。そうした意味で反対意見に耳を傾ける必要性は小さくない。一方、外国人学校の多くに併設の保育施設があって、これらは認可基準を必ずしもクリアできているわけではない。
 その代わり、多言語保育が行われていたり、不安定な就労実態にあわせた長時間保育が行われているなど、外国人家庭の特有の保育ニーズに応えているのもまた事実だ。ブラジル学校の運営を支援してきた立場から、今回の無償化政策はブラジル学校など外国人学校併設施設にも適用されるべきだと考えている。
 この日は、NPO法人コレジオ・サンタナ理事で滋賀県立大学の河かおる准教授と、同様に理事を務める当センターの金光敏事務局長が県議会公明党控室をたずね、議員団と面談した。公明党からは粉川清美県連代表、中村才次郎県議、清水ひとみ県議が応対し、ブラジル学校の現況をはじめ、公的援助制度から除外されやすい実情などについてヒアリングしてもらった。
 基礎自治体との連携も重要だとの考えから、県内の公明党所属の市町議員らの会合でレクチャーを要請し、また三日月大造知事への申し入れについても取り組みたいと応じてくれた。
 この間、滋賀県子ども子育て部局をはじめ、日本ラチーノ学院所在の東近江市、コレジオ・サンタナ所在の愛荘町の各担当部局に要請してきている。ブラジル学校併設の保育施設の無償化問題について議論しているのは滋賀県が筆頭。ここが先駆けとなって支援の輪が広がるよう、しっかり取り組んでいきたい。 (2019.05.20)

フィリピン親子交流会が盛況理に!  子育て、生活、自由に母語で


 多国籍化が進み外国人集住地域として知られる大阪市中央区島之内。地域で多数上位をしめるのがフィリピン人家族だ。地区に約5000人が暮らしているとされる。
 この地域でフィリピン人コミュニティづくりに取り組むサウスイーストアジアコミュニティ協会が主催して、2月9日にフィリピン親子交流会が開催された。
 協会は2012年に島之内で起こったフィリピン人親子の無理心中事件を契機に発足。以来、フィリピン人家族の社会的孤立を克服するための様々な取り組みを続けている。
 この日の交流会では、保護者ら15人が集まり、日常生活の困りごとや子育ての悩みなどについて話し合った。島之内は当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が実行委員長を務めるMinamiこども教室がベースキャンプを置く地域であることから、教室の保護者らが多数出席。不自由な日本語のために、いつも緊張しながら暮らしている姿とはまったく違う、母語で自由に語り合う交流が繰り広げられた。
 また、同行した子どもたちは子どもプログラムに参加、将来の夢などを図に描くワークショップに取り組んだ。
 今回のプログラムには、同じく島之内で子ども支援に取り組むしま☆ルームも協力し、しま☆ルームのキッチンで調理されたフィリピン料理の夕食をともにしながら交流会は終わった。
 フィリピン人コミュニティはまだまだ不安定だ。一人ひとりの生活に余裕がないため、共助関係を生み出すにもまだまた時間がかかり、社会的支援は欠かせない。島之内地区という限定はあるものの、Minamiこども教室やしま☆ルームがその支援を担うかっこうだ。
 フィリピン人コミュニティのみならず、外国人当事者の支え合う関係づくり、そして地域全体のコミュニティとのつなぎ役として、当センターも取り組みの一助になって行きたいと考えている。 (2019.02.10)

浮島智子文科副大臣が外国人教育の現場を公式視察  大臣級として初めて「民族学級」訪問

南小学校の国際理解学習の様子を見学

民族学級(国際クラブ)の授業視察

日本語指導の様子を眺める浮島副大臣
 浮島智子文部科学副大臣が1月25日、大阪市立小学校2校を訪問し、外国ルーツの子どもたちの教育現状を視察した。この日の訪問は、大阪市内でもっとも多国籍化が進む中央区の大阪市立南小学校と、歴史的な経過から在日コリアンの集住地区を校区に持つ生野区の生野南小学校。
 浮島副大臣は就任後、文部科学省内に7つのワーキンググループを立ち上げ、外国人の子どもの教育支援も議論しているという。今回は文部科学省内の議論に加え入管法改定の時期でもあることから、政府として多文化共生教育分野への支援を拡充してほしいと、当センターから提案したもの。
 今回の視察では、渡日家庭で育つ子どもたちの日本語指導の課題をはじめ、大臣級としては初めてとなる「民族学級」(大阪市の公式制度用語として国際クラブ)を公式視察。視察開始に先立つ挨拶で副大臣は、ワーキンググループの議論の参考にしたいと述べた。
 南小学校ではユネスコスクールに認定されて取り組んでいる国際理解学習の様子や日本語指導の授業を参観し、創意工夫しながら推進される多文化共生教育の実践を視察した。生野南小学校では、民族学級の授業を見学、子どもたちが楽しそうに学ぶ様子を見学し、授業終わりに励ましの言葉も子どもたちに送った。
 メディアによるぶら下がり取材で副大臣は、「2校を訪問し、大切さをあらためて実感した。日本語支援の必要な子どもたちへのさらなる充実支援とともに、出身国の文化を学ぶ機会を設けることはとても大事。今日見た学校は、その全国のモデルとも言える。文部科学省としても支えていきたい」とコメントした。
 浮島副大臣の視察にあたり、省内の外国人教育の担当官らが随行したほか、大阪市教育委員会も山本晋次教育長をはじめ幹部が同行した。また、公明党文部科学部会長の鰐淵洋子衆議院議員が2校ともに同行し、大阪市会の山田正和議員、則清ナヲミ議員、自民党の黒田まさし議員が民族学級の視察から合流した。当センターから、郭辰雄(クァクチヌン)代表理事、金光敏(キムクァンミン)事務局長、黄裕子(ファンユジャ)教育研修担当が随行した。 (2019.01.26)

保育無償化のブラジル学校適用めざして  行政、議会に要請活動を開始

 今年10月から幼児教育・保育無償化制度が実施される。安倍政権が肝いりで検討を進めてきた政策だ。ようやく法制化が済み政府方針も固まったことで、無償化事務にとりあたる自治体がどのような体制で臨むかに次の焦点が集まっている。
 実はこの制度、導入にあたり、国と自治体で対立が続いてきた。一つは、トップダウンで進められたことへの反発、二つめは、経費の国と自治体の按分をどうするか、三つめは、認可外保育施設を含むと決めた国と、それでは保育の質が担保できないとする自治体との意見差だった。
 それらがやっと合意に達し、秋からの実施となったが、ただ、ブラジル学校が併設する保育施設が無償化の対象となるかどうか、支援団体で気にかけている。
 今年一番の冷え込みを記録した1月10日、関西で唯一ブラジル学校が所在する滋賀県内で、この問題に関連する会議が断続的に持たれた。
 午前、東近江市の日本ラチーノ学院を滋賀県立大学の河かおる准教授と当センターの金光敏事務局長が訪問して理事長、校長先生らと面談した。一連の無償化をめぐる現状について説明し、今後連携して取り組むことを提案した。学院側は、初めて聞く話でとても重要だとし、提案内容に快諾の意思を示してくれた。
 午後には、サンタナ学園が所在する愛荘町役場を訪問し、NPO法人コレジオ・サンタナの役員らと担当課の職員らとで意見交換した。無償化対象にブラジル学校併設保育施設が含まれるよう、役場として努力してほしいと要請した。役場側は自分たちも新聞報道ぐらいの情報しかまだないが、頭にしっかり置きたいと述べた。
 ブラジル学校併設保育施設が無償化から除外されると適用施設との間で著しい費用格差が生まれる。下手をすればブラジル学校の存続にも関わり、地域にある保育施設がブラジルの子どもたちを受け入れる余力や能力があるのかという点も問題だ。
 現在の準備段階をこのまま放置すると、除外されることはまちがいない様相で、今後滋賀県や関連する市町への申し入れをラチーノ学院とサンタナ学園が連携して行うとともに、議員への働きかけ、メディアを通したアピールも積極的に行う予定だ。滋賀県で実現すれば他県にも影響を与える可能性があり、その使命感も持って取り組む必要がある。金光敏事務局長はコレジオ・サンタナの理事を務める。 (2019.01.11)

2019年、Minamiこども教室が始動  こどもたちの城を守って前へ!


 2019年のMinamiこども教室が1月8日に、始まった。正月明けに何人集まるかと不安があったものの、開始時間には子どもたちが多数参加。新年早々、にぎやかなというか、やかましい学び場の始まりとなった。
 Minamiこども教室は、2013年9月にスタートし、6年目に突入。地域での認知度も高まり、学校、自治会、役所、社協との連携が緊密なことで特色がある。ベースキャンプを張る大阪市中央区島之内は市内でも有数の外国人集住地域。ここに暮らすひとり親や、見守りが必要な外国人家庭を主な対象にして、地道に取り組んできた子どもの居場所事業だ。地域柄フィリピンと中国が多いのも特徴で、教室には現在5カ国の子どもたちが登録している。
 この日は、小学校時代は教室の中心だったものの、中学校にあがりクラブや塾通いで日常的に来れなくなった子どもが久しぶりに顔を出してくれたほか、普段は荒々しい言葉で周りとトラブルになりがちな子どもが、出身国のタガログ語で、タガログ語話者のコーディネーター相手にしっかり敬語で語りかけたなどの場面があった。
 毎週火曜日の夜、中央区子ども子育てプラザで実施されている。息長く続けていくことは難しいことで、かつ山あり谷ありばかり。しかし決めたからにはこどもたちの城を守ってしっかり歩いていく考えだ。応援、支援、求めている。
 Minamiこども教室は当センターが事務局を担っている。(2019.01.11)

民族学級の先生たちの努力に注目  韓日、東北アジアの友好交流をひっぱる礎に

総領事と民族講師たちとの対話

当センターとのワーキングランチ
 駐大阪大韓民国総領事館主催による「呉泰奎(オテギュ)総領事と民族講師たちとの対話」が6月29日、大阪市内で開催された。去る4月の就任以来、民族教育への関心を深め、現場との疎通に努力を重ねている呉総領事は民族学級の役割を重視し、ぜひ指導に携わる先生方と懇談をしたいとして設定された。
 挨拶に立った呉総領事は、「総領事館と言えば敷居の高いイメージがあったと思うが、これからはそう思わずに何でも相談できる場所として認識してほしい。とりわけ、教育に携わっている皆さんは子どもたちのそばにいる。子どもたちの成長を見守るのは私たちの仕事でもあります」と述べた。また、「民族学級が韓日交流にもたらす効果はとても大きい。まさに在日同胞の努力によって取り組まれているこうした取り組みが明日の韓日、そして東北アジアの友好交流の時代を切り開く」とその意義を強調した。
 この日は府内の6市の民族学級に携わる講師らが集まり、各地域の実情について、ソンセンニム(先生)から説明も受け、総領事も熱心に耳を傾け、より理解を深めた。
 懇談会には、梁鎬錫(ヤンホソク)教育官が領事館から同行し、大阪韓国教育院、民団大阪本部が同席しました。コリアNGOセンターが懇談会をコーディネートした。
 一方、同日、懇談会に先立ち、呉総領事と当センターとのワーキングランチが開催され、韓日関係や在日同胞のめぐる諸懸案などの幅広い課題について意見交換した。官民のちがいはあるが、互いに意思疎通をかさね、連携を深めていくことで共感を深めた。
 ワーキングランチにも梁鎬錫教育官、そして事件事故担当の尹鐘珉(ユンジョンミン)領事が同席し、当センターからは林範夫(イムボンブ)、郭辰雄(クァクチヌン)両代表理事、金光敏(キムクァンミン)事務局長らが出席した。(2018.06.30)

大阪韓国総領事館の呉泰圭総領事が民族学級で子どもたちと交流

民族学級を視察する呉泰圭総領事(中央)
  駐大阪韓国総領事館の呉泰圭(オテギュ)総領事が6月19日、民族学級の現場を視察した。今回の視察は、在日コリアンの教育支援を活性化することを目的に企画された。
 呉泰圭総領事は文在寅大統領によって抜擢され、ハンギョレ新聞の記者出身という経歴を持つ。文政権発足後に勧められた日本軍慰安婦をめぐる日韓合意の検証チームの委員長を務めたことから、日本側で否定的な見方をする向きもあるが、着任後、教育と文化を重視し、京都大学、大阪大学をはじめ関西地域の大学を訪問して韓日の学術交流について意見交換しているほか、東洋陶磁美術館などの文化施設を訪問し、文化分野での韓日交流の重要性を発信している。
 在日コリアンの教育についても関心を持ち、その一環から民族学級の現場を訪ね、子どもたちと温かな交流の機会を持った。
 この日は家族の故郷をテーマに授業が行われ、朝鮮半島の地図に子どもたちの故郷を表示して、その地域の特産物や景勝地について知る地理学習だった。呉総領事は子どもたちが元気に学ぶ様子を目を細めながら見学し、民族学級についての思いを綴った感想文を子どもたちがたどたどしい韓国語で読み上げると、「とても感動した。これからも皆さんの学習を応援していきます」と述べた。
 今回の呉総領事の視察には、梁鎬錫(ヤンホソク)教育担当領事、金次守(キムチャス)大阪韓国教育院長、崔俊一(チェジュニル)民団大阪文教部長が同行し、センターから金光敏(キムクァンミン)事務局長が同席した。 (2018.06.20)

コレジオ・サンタナに大きなプレゼント  聞こえてくる子どもたちの歓声

運動場に運び込まれた滑り台

サンタナに通う子どもたち
 滋賀県愛荘町のブラジル学校コレジオ・サンタナは、隣接する空き地を地主さんの好意で仮運動場として使わせてもらっている。ここで子どもたちは遊んだり、また体育や学校行事の練習などに励む。ただ、空き地に砂を敷き詰めただけの、寂しい運動場で、子どもたちが遊ぶにも手持ち無沙汰になることもしばしばだ。その姿を知った県内の会社が、使われなくなった野外遊具を寄贈してくださり、6月15日に運動場に運びこまれた。
 運ばれたのは児童用の滑り台。サンタナの子どもたちの野外活動に活用することになり、先生たちも喜んでいる。
 コレジオ・サンタナは現在まで任意組織として運営してきたが、昨年11月にNPO法人コレジオ・サンタナが発足したことから、今後時間をかけながら運営移行していく予定だ。その皮切りとして、学校運営に欠かせないスクールバスの燃料費をNPO法人が支出し、各家庭から徴収する月謝で精算する方針が去る5月から始まった。NPO法人が信用支払いを約束することで業者との割引契約も実現、コスト削減にもつなげることができた。今後、食材などにも広げていく予定だ。NPO法人コレジオ・サンタナでは当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が理事を務めている。

 こうした効率化に向けて、やはり基礎となるのは財政だ。ぜひとも多くの皆さんにコレジオ・サンタナ応援基金への寄付やカンパを呼びかけたい。寄付やカンパの申し出は上記、コレジオ・サンタナのFBからご一報をお願いしたい。 (2018.06.16)

多文化共生推進プラン案を愛荘町長に伝達

有村町長に答申を伝達
 琵琶湖畔に位置し、豊かな田園地帯が広がる滋賀県愛荘町は、県内でも有数の外国人集住自治体だ。この町役場に設けられた多文化共生プラン推進懇話会が6月15日、10か月の討議期間を経てまとめた答申を有村国知町長に伝達した。答申は町政全般に関わり、外国人住民をふくめた多文化共生のまちづくりの目標、その推進方法、県や国への要請事項などをまとめ、県内の町としては唯一の多文化共生推進プランとなる。
 懇話会会長を務めた滋賀県立大学の河かおる准教授は、「滋賀県内の長期人口動態を考えても、外国人住民が暮らしやすい地域づくりは欠かせない課題。実際に地域社会の担い手になってもらわなければならない機会は飛躍的に増えている。共に支え合っていくことを中心とし多文化共生に基軸を置いた町政の一助となるよう生かしていただきたい」と語った。
 答申を受理した有村町長は当選後まだ間もないことから「まだ目の前の事務に追われて長期展望までは手をつけられていないが、大事な視点をいたただいたと考え、役場内でしっかり議論を深めたい」と答えた。
 当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長も懇話会委員を務める。また、愛荘町にブラジル学校コレジオ・サンタナがあることから、当センターと愛荘町とのつながりも10年に及ぶ。町内にはブラジル、ペルーをはじめフィリピン、中国ルーツの住民も増えている。金光敏事務局長から有村町長に、「ぜひ愛荘町が県内の多文化共生を牽引する役割を担ってほしい」とお願いした。
 懇話会はプランの策定を経ていったん終了。今後推進状況をチェックしたり、サポートするあらたな機関の立ち上げが検討されている。 (2018.06.16)

滋賀弁護士会外国人の権利委員会がブラジルの子どもたちの様子を視察

 サンタナ学園のある愛荘町で法律相談を自動車のエアバックやシートベルトで世界にシェアを誇ったタカタ株式会社が、アメリカなどで製品不具合を起こし、大規模リコールに発展、巨額賠償にあえいでいる。それが原因で、タカタは破綻を発表した。
 タカタの破綻でもっとも影響を受けるのは滋賀県だ。愛荘町と彦根市に工場があり、そこにブラジル人をはじめ多くの外国人が働いている。当センターは2008年以来お手伝いしているブラジル学校のコレジオ・サンタナに、タカタで働く保護者たちが多数子どもたちを通わせている。
 タカタからは雇用は守るとの表明があったものの、すでに会社売却が予定されており、売却後のリストラは必至と見られている。とりわけ、外国人労働者の大半が派遣であるため、首切りはそこから始まるとの見方が強い。
 今のところ工場は通常稼働中です。来年の春前にも会社売却先が決まると見られ、地域の雇用情勢は厳しくなることが予想される。
 コレジオ・サンタナの支援に携わる地元の国際交流協会、そして今秋に正式公表されるNPO法人コレジオ・サンタナが滋賀弁護士会の協力を得て、労働問題や在留資格など、外国人特有の課題に対応する法律相談に取り組むことを検討中だ。タカタ株式会社の破綻による外国人コミュニティへの影響を最小化するための試みと言える。
 それに先立ち、滋賀弁護士会外国人の権利委員会の樋口真也委員長と矢田圭副委員長がコレジオ・サンタナを訪問、子どもたちの様子を視察した。そして協会やNPO法人の役員らと懇談し、効果的な相談対応の方法を検討し、タカタをめぐる厳しく情勢が予測される来春に備えることとなった。
 地域経済を牽引してきた大手企業の突然の破綻に衝撃は大きいが、生活を守る、子どもの成長を守る観点から当センターとしてもしっかり取り組みたいと考えている。
 今秋に正式公表されるNPO法人コレジオ・サンタナの理事に当センターの金光敏事務局長が就任する。 (2017.09.20)

42回目の民族学級合同サマーキャンプ  100人の子ども、70人の大人が集まり交流

 このサマーキャンプは今年で42回目。今年は当センターの金光敏事務局長が実行委員長を務めた。この取り組みの起源は、3校の民族学級が集まり開始したもの。いまでは地域の多くの学校がともに参加し、今回も子ども100人、大人70人が集った。
 プログラムは、ものづくり活動、ハングルに親しむためのオリエンテーリング、キャンプファイアーでは朝鮮半島にちなんだクイズ大会や韓国の童謡をBGMにしたフォークダンスなど。また、保護者や教員たちが汗だくになりながら準備した焼き肉を子どもたちがほおばった。行事に賛同する精肉店からサービスしてもらった大量のお肉はなんと瞬時になくなり、朝鮮半島の郷土料理“ネングク(冷汁)”も瞬く間に平らげた。子どもらの迫力あるたべっぷりを見て、大人も圧倒された。
 あいにく二日目は台風のため、早めに切り上げて帰ったものの、参加者の多くが来年も再来年もと口々に話し合い、8年後に50回目を目指そうと夢を語り合った。
 日本における多文化共生教育の原点は、やはり在日コリアンの民族教育の実践。大阪の特色あるこの取り組みをさらに推し進め、すべての子どもの自尊感情を大切にする教育の機会保障に当センターとしても努力したい。 (2017.08.06)

Minamiこども教室で盆踊り参加

Minamiこども教室で盆踊り参加
We participated in Bon odori,Minami kodomo kyoushitsu.
地域行事で汗を流しました
We had a good sweat by an area event.

 大阪市中央区の諸団体による区民恒例行事、中央区盆踊り大会が8月5日にあり、Minamiこども教室からも子どもたちが参加した。
 この盆踊り大会は毎年夏休み中に2日間にわたり開催され、地域の住民交流と活性化を目的に企画されている。Minamiこども教室が参加するのは今回が初めて。こども教室ではこれまでも道頓堀で開催される盆踊りに参加してきたが、あまりに人が多くてじゅうぶんに楽しめず、どうしようか迷っていた。すると、中央区の盆踊り大会がいいのではと教えてもらい、ぜひ仲間に入れてもらおうと、子どもたちと足を運んだ。
 子どもたちは浴衣を着込み、なれない手振り身振りで盆踊りの輪のなかに加わり、地域の皆さんといっしょに汗を流し、楽しめた。
 また、地域団体の出店で焼きそばや、からあげで腹ごしらえし、いただいた金券でスーパーボールすくいや輪投げをして遊んだ。これからも地域の皆さんといっしょに交流したいと考えている。
 Minamiこども教室は夏休み中も毎週続ける。いや夏休みだから休むわけにはいかない。子どもや親たちが安心できる地域の拠点として、引き続き根を下ろしてかんばる考えだ。 (2017.08.05)

韓日架け橋となる在日の子どもたちを応援  安敏錫国会議員、歌手尹亨柱さんが現場訪問

学校法人 白頭学院にて

民族学級の授業
 注目を集める弾劾政局でスキャンダル追及の急先鋒を担い、いま韓国国会で最も高い評価を受ける安敏錫(アンミンソク)議員が1月23日と24日にわたり、在日コリアンの民族教育施設を訪問、現状や要望事項などを聞き取った。 今年、尹東柱詩人生誕100年を迎え、その記念行事の一環で詩の朗読大会が日本で準備されている。当初、東京開催が有力だったが、尹東柱詩人が関西に縁があること、やはり在日コリアンが多いということから安敏錫議員が大阪開催を提案し、その検討が始まっている。
 今回の訪問はその下見が目的で、尹東柱詩人と祖父どうしが兄弟で、韓国を代表するフォーク歌手の尹亨柱(ユンヒョンジュ)さんが同行、また大会実務を担当する全州紀全大学の余ヨンギュ教授も来日した。2日間にかけて、学校法人金剛学園、学校法人白頭学院の各韓国系民族学校を訪問したほか、民族学級の授業も参観した。
 安敏錫議員も尹亨柱歌手も、詩朗読大会にぜひ日本生まれの3世、4世の子どもたち、また韓国語を学ぶ日本の若い人々に出場してほしいとよびかけた。今回の現場訪問は当センターが担当、金光敏(キムクァンミン)事務局長がコーディネートした。
 当選4回の安議員は大学教員出身で、専門は教育学。与野党越えて教育分野の専門性で高い評価を受けている。また在外同胞教育の重要性を早くから取り上げ、在日の民族教育支援にも尽力している。一方、歌手の尹亨柱さんは70年代から現在まで一線で活躍する、韓国で最もよく知られるシンガーソングライターのひとり。尹東柱詩人の遺族会の代表でもある。尹東柱詩人生誕100周年記念詩朗読大会は、今年6月に開催され、中高生の詩朗読コンテストとともに、尹亨柱歌手のコンサートも予定している。詳細は2月中に発表される。 (2017.01.26)

日韓で学びあい 韓国海美中学校が大阪市の中学校と交流

 
 
 韓国忠清南道端山市の海美中学校の教員が10月4日、大阪市立東中学校を訪問、心温まる交流授業を実施した。一方、1週間後には東中学校の教員たちが今度は海美中学校を訪問し、同様の交流授業に取り組む予定になっている。
 今回の交流授業は、韓日の相互理解を深めようと韓国政府の外郭団体が参加校を募集。多くの応募校の中から対象5校が選ばれた。そのうちのひとつが海美中学校で、公的助成を得て相互訪問プログラムに取り組む。
 海美中学校の宋鐘錫(ソンジョンソク)校長はかつて大阪韓国教育院で院長を務め、日本在任時に連携パートナーだったコリアNGOセンターに協力を要請、大阪市立東中学校との相互訪問プランが実現した。
 4日に行われた東中学校での交流授業では、海美中教員2名がパワーポイントを活用し、ハングルの成り立ちを説明、子どもたちに実際にハングルを書いてもらうなどの体験学習を実施した。多くの子どもたちが初めてハングルに触れ、中には「もっと教えてほしい」と授業終わりのチャイムを残念がる姿もあった。担当した徐先生と金先生は、当初緊張しつつも、すぐに子どもたちと打ち解け、楽しい交流になったことを喜んだ。
 10月10日には、東中学校の教員2名が韓国を訪問し、海美中学校で交流授業に取り組む。韓国訪問には当センターの金光敏事務局長が同行し、全校生徒の前で講演する予定だ。一方、来年1月には海美中学校の生徒15名が東中学校を訪問、今度は子どもどうしの交流が予定されている。草の根の心通じ合う交流。こうした地道な取り組みが成果があげることを期待したい。 (2016.10.04)

外国ルーツの子どもたちの教育振興を公明党議員団、多文化共生教育の現場を視察

 
 
 
 国政においても外国人の子どもたちの教育環境の整備に関心が集まる中、政府与党の議員団が大阪の教育現場を視察、多文化共生教育の必要性について状況把握を行った。
 今回視察したのは、公明党文部科学部会長で元文部科学副大臣の浮島とも子衆議院議員、山下栄一元参議院議員、山田正和大阪市会議員、佐々木哲夫大阪市会議員、永田典子大阪市会議員。そこに文部科学省のスタッフも同行し、外国ルーツの子どもたちの就学状況、学習支援の実情、また自尊感情を高めるための取り組みについて把握した。訪問したのは大阪市立南小学校、大阪市立中川小学校、Minamiこども教室。子どもたちの学ぶ様子や関係者からの聞き取り、また子ども当事者からの意見も聞いた。
 大阪で最も多民族・多文化の子どもたちが通う大阪市立南小学校では、日本語指導、多文化の子どもたちの学級づくり、学校全体で進めている多文化共生教育の試みについて説明を受け、学校長から「外国ルーツの子どもたちは国際化社会を担う明日の人材。その可能性を育む教育支援が必要」との視点が示された。
 また、大阪市立中川小学校では民族学級を見学。3世や4世のコリアンの子どもたちが、家族の故郷について調べてきたことを発表、議員から「活気のある双方向の理想的な授業」との評価を受けた。
 Minamiこども教室では、NPOと学校、地域がネットワークを組んで外国人家庭を支える活動について報告。学校外での子どもたちの様子から見えてくる社会的孤立、どのようなサポートが求められているかを説明した。教室に通うフィリピンルーツの中学生からの聞き取りでは、「ここで勉強することは楽しい。高校受験にがんばりたい」と語り、議員らがエールを送る場面もあった。
 この日同行した文部科学省の担当者らも「自尊感情を育む教育の大切さを感じているところ。実際の現場に来て見れたことは大きい」と感想を述べた。
 浮島議員は、「外国ルーツの子どもたちも社会の宝。元気な姿が印象的で、引き続き現場のみなさんと連携したい」と話した。
 この日、当センターから視察した公明党に①教員加配の充実に向けた協力②外国ルーツ支援に専門的知識とスキルを持つ学校支援員(SSW、SC)の育成と自治体への配置助成制度創設への働きかけ③継承語・継承文化学習の機会拡充の提案④文部科学省として多文化共生教育の推進方針策定の働きかけ⑤次期「教育振興基本計画」の検討において上記内容を含むよう政府に働きかけることを求める要望書を提出した。今回の視察は当センターが企画し、金光敏(キムクァンミン)事務局長がコーディネートした。 (2016.09.13)

子どもの未来に夢と希望を  府民夏季セミナーで教育について幅広く議論

 
 大阪府教職員互助組合と毎日新聞の主催による府民夏季セミナーが7月23日に開催され、ジャーナリストの大谷昭宏さんらと、当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が教育や子どもの人権について議論した。
 大阪教職員互助組合は、府内の公立学校、府立大学などの教職員の福利厚生組織で、府民参加の公益事業としてセミナーが開催されていて、今年で3回目。金事務局長は昨年に続いて議論に加わった。
 今年の記念講演は、ジャーナリストの大谷昭宏さん。大谷さんは、「沖縄戦のさなか、生き残った人々の多くが幼子か、高齢者。軍国主義教育を受けていなかった人々だ」と強調し、「為政者らが教育を掌握しようとするのは昔も今もその理由は変わらない」と指摘した。また、事件取材の中で出会った子どもの姿から大阪が抱えている課題をあげ、教育を現場目線で論じることの大切さを話した。
 二部のパネルディスカッションでは、大阪教育大学教授の島善信さん、公益社団法人子ども情報研究センター理事の今橋千晶さん、そして大谷さんと金事務局長がパネリストを務め、教員養成、子どもの電話相談、多文化共生の観点から社会、学校、子どもの人権について議論を深めた。 (2016.07.23)

Minamiこども教室がハフィントンポストに紹介されました

 当センターが実行委員会に加わるMinamiこども教室の活動がインターネットニュース「ハフィントンポスト」に紹介されました。  2013年9月から始まった、地域での外国人の子どもたちの居場所づくり事業です。ぜひご参照ください。(2016.06.15)

在日の民族教育関係者が済州島で研修会 人口増加地区の新設校を訪問

  公立学校の民族講師、同胞教員たち、そして民族学校の教職員らが3月27日から3泊4日で韓国済州島を訪問し、現地の学校訪問や講習会などで研修を受けた。
 この研修会は、大阪韓国教育院が主催し、在日同胞の民族教育関係者らの知識研鑽と互いの連携強化を目的に2011年度から実施されている。
 今年の訪問地は、陸地(本土)とはちがう気候、風土を持つ地理的要件の中で育まれてきた済州島の文化や風習、歴史について学んだ。また、日程中、島内でもっとも新しく設置された老衡中学校を訪問し、施設見学をはじめ実際の授業も参観、韓国の公教育の状況について詳しく触れた。
 教育従事者にとって研修受講とても重要な職務。当センターも研修企画の立案に当初から関わり、今回の研修旅行においても進行補助を担当した。(2016.04.01)

Minamiこども教室が、朝日みらい教育賞グローバル賞と地域再生大賞奨励賞を受賞

学習の様子

調理実習
 西日本最大の歓楽街であるなんば、心斎橋界隈に暮らす外国人母子支援の一環で、2013年9月からスタートした夜間教室「Minamiこども教室」が朝日新聞主宰の朝日みらい教育賞グローバル賞と、共同通信が主宰する地域再生大賞奨励賞を続けて受賞した。
 朝日みらい教育賞は国際化時代に注目される先進的な教育活動に送られるもので今年2回目。また地域再生大賞は共同通信とその加盟社が地域の特色ある活動に着目し、活性化を支援しようと送られるもので今年6回目。両賞ともに多数のエントリーから選ばれる全国規模のアワードだ。
 Minamiこども教室の活動が、巨大の歓楽街という地域に密着したものと、外国ルーツの子どもの学習支援のみならず、居場所づくり、孤立する親たちへのよりそいなどが評価された。
 Minamiこども教室は、当センター、こどもひろば、(特活)多文化共生センター大阪、(公財)大阪国際交流センター、大阪市立南小学校、そして外国人支援に取り組む個人による実行委員会形式で運営されている。事務局は(特活)関西国際交流団体協議会におかれ、実行委員長は当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が務めている。
 朝日みらい教育賞は2月6日に、地域再生大賞は2月19日にそれぞれ東京で授賞式が行われる。その模様は広く紙面で紹介される予定だ。(2016.02.05)

大阪の教員ら韓国京畿道を訪問、人権教育・多文化教育の先行事例について視察

京畿道教育庁の担当者らからレクチャーを受ける

訪問団を夕食会に招いてくれた安敏錫国会議員(右)

水原華城博物館で学芸員から説明を受ける
 大阪の教員らが韓国京畿道を訪問、韓国で最も先進的に取り組んでいる人権教育や多文化教育の事例について学ぶ研修旅行が12月27日から29日に実施された。この取り組みは大阪府在日外国人教育研究協議会(大阪府外教)が開講する若手教員らを対象にしたセミナーで呼びかけられ、当センターが企画コーディネートを担当し、教員ら17名が訪韓した。
 まず最初に教育庁(水原市)を訪問した一行は、担当者らから韓国で最初に京畿道が制定した「学生(児童生徒)人権条例」に基づく人権教育と多文化教育の実情について学んだ。子どもたち自身が権利の主体者であるという「子どもの権利条約」の趣旨を生かし、「たったひとりの子どもも決してあきらめない」との教育行政の理念について説明を受けた。
 今年11月から開始した、子どもたち自身が能動的に楽しい学校づくりをめざす「夢の学校」の事例が紹介された。「夢の学校」は放課後活動、夏休み冬休みなどの長期休暇中に、子どもたちが話し合って企画するさまざまな、やってみたいこと、学んでみたい「夢」の実現に教育行政、学校、地域が協力する活動を言い、学校の教育課程では網羅できていない「学び」という意味で「学校外の学校」だと話した。実践校のひとつである水原ヨンドク初等学校を訪問し、実際に子どもたちからその取り組みの様子を伺った。
 一方、多文化教育については、不就学状態となっている外国の子どもたちをいち早く救済するために、プレスクールにあたる多文化予備学校を開講しているとし、外国の子どもたちが地域の学校に定着するためのKSL(第二外国語としての韓国語教育)に力を入れていると語った。
 実際に多文化予備学校を併設する華城餅店中学校を訪問、担当の先生方から直接に話を聞いた。日本とのちがいは、第二言語としての韓国語教育の専門者が教育庁から派遣されていること。処遇は2年契約の更新制だが、渡日児童生徒の韓国語教育の専門家がその任にあたっている点だ。日本にはまだ確立されていない教育支援だ。
 また、多文化の子どもの自尊感情を育むためにも、周りの子どもたちが多文化について学び、相生(共生の意味)の教育環境をめざしていると強調した。外国から来た子どもたちの多言語の力は未来への可能性だとも語り、母語、母文化教育への試みはこれからだと語りながらも、外国ルーツの子どもたちが韓国社会で活躍していく姿をイメージしながら教育行政、学校現場が取り組んでいる様子が垣間見えた。
 この日京畿道教育庁主催で午餐会が行われたほか、議会の与野衝突により叶わなかったものの、当初は李在禎(イジェジョン)教育監との面談も予定され、教育庁をあげての受け入れとなった。
 ほかにも国会で多文化教育の推進に取り組む安敏錫(アンミンソク)議員主催の夕食会が開催され、交流の席上、多文化家庭支援法はあるものの、子どもたちの支援は地方自治体の創意工夫に委ねられているとし、国としても援助する法案制定に現在取り組んでいると説明した。さらに日本の公立学校で外国籍教員が多数活躍していることを踏まえ、韓国も早くそうなるよう日本から学ぶことも多いと語った。安議員は中学校の体育教員出身で、ソウルにある中央大学でスポーツ社会学の教鞭を取った。現在3期目で国会教育文化体育観光委員会に所属し、野党所属ながら与党からも教育問題で一目を置かれている。
 研修会のほかにも、訪問地となった京畿道水原市の象徴でもある水原華城を訪問したほか、華城博物館で学芸員から歴史や文化について丁寧な説明を受けた。当センターでは教育関係者の相互交流を今後とも活発化させたいと考えている。(2016.01.05)

Minamiこども教室が朝日みらい教育賞グローバル賞を受賞

学習の様子

調理実習
 朝日新聞が先進的な教育活動を応援する目的で設けた第二回朝日みらい教育賞グローバル賞をMinamiこども教室が受賞した。1月3日付けの朝刊で発表された。今年のノミネートは210団体。その中から外国人の子どもたちの学習サポートと居場所づくりに大きな評価を集めた。
 Minamiこども教室は西日本最大の繁華街である難波、心斎橋界隈に暮らすもっぱらひとり親家庭の外国ルーツの子どもたちを対象に、2013年9月から実施している夜間教室だ。厳しい生活を支えるため割高な夜間に働く保護者が多い。親のいない夜間に子どもがひとり、あるいは兄弟、姉妹だけで過ごすことになるため、それを支えようとスタートした。
 教室は、大阪市中央区子ども子育てプラザを会場にして、毎週火曜日に開講、日本語学習、教科学習、宿題などに取り組み、学習終了後の8時にはスタッフが連れ添って家まで帰る。また、年に2回調理実習、また年度末には遠足にも取り組むほか、教室がプラットホームとなり、子どもたちの家庭にもソーシャルワークは及ぶ。
 外国人の子どもサポートに取り組む団体や個人で実行委員会が構成され、当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が実行委員長を務める。
 朝日みらい教育省は2月6日に受賞式が執り行われ、式典に子ども代表が実行委員とともに出席する。朝日新聞の経営陣から直接賞状を受け取る予定だ。今回の受賞を契機に、Minamiこども教室はもちろん、すべての外国人の子どもたちのサポート教室に関心が高まり、だれ一人とて学びから疎外されることのない社会を当センターとしてさらにめざしていきたい。(2016.01.05)

Minamiこども教室の子どもたちのこと、朝日新聞で12回の連載スタート

一回目(12/10朝刊)の紙面
 Minamiこども教室をめぐる子どもたちの思いや日常が本日(12月10日)から12回に渡る連載で紹介される。
 Minamiこども教室は西日本最大の歓楽街であるなんば、心斎橋界隈に暮らし、主にひとり親家庭の外国ルーツの子どもたちの日本語指導や学習支援を目的とした夜間教室だ。2013年9月にスタートした。多くが貧困の問題を抱え、少しでも割のいい賃金を得るために夜間就労につく親たちが多くをしめ、親の出勤後、夜間に子どもだけで過ごす家庭が大半だ。そんな子どもたちを主な対象にして教室は毎週火曜日の夜に行われている。
 Minamiこども教室は2012年4月に中央区で起こったフィリピン母子の心中未遂事件が発足の契機となった。頼るところなく、思いつめ精神のバランスを崩した母親が当時小学校1年生だった長男を殺めてしまった悲しい事件だった。こうした事件を二度と繰り返してならないとの思いから、外国人母子を支援する団体や個人などで実行委員会を結成して教室が生まれた。当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長は発足メンバーで、現在、実行委員長を務めている。
 現在、小学校1年生から中学校3年生までの35名を越える子どもたちが登録し、常時20数名の子どもたちが集まってくる。教室は一週間に一度だが、この教室が拠点となり子どもたちの家庭へのソーシャルワークは広がる。各家庭が抱え込まずに、困難がスタッフの耳に届くことで、ことが深刻化する前に対処できたなどの事例が少なくない。孤立しがちな外国ルーツの家庭を支え、地域で居場所を感じてもらうのに一定の役割を果たしていると言える。
 そうした子どもたちの様子が朝日新聞で連載される。第1回目は12月10日。紙面は全国版。ぜひご一読いただきたい。(2015.12.10)

コレジオ・サンタナに運動場を! コリアNGOセンターがボランティア募りブラジル学校を応援

みんなで草刈り

バーベキューをしながらの交流会
 滋賀県愛荘町にあるブラジルの子どもたちが通うコレジオ・サンタナ(サンタナ学園)には運動場がない。
 子どもたちは住宅街の袋小路奥に位置するプレハブ校舎前の狭い空間でかろうじて遊ぶにとどまっている。子どもたちに広い遊び場、運動場を提供したいと考え、地域で運動場の代わりになる場所を探してきた。そんな中、隣接する宅地が空き地となっていることに目が止まり、地主に相談を持ちかけたところ、開発が始まるまでの条件で活用してもいいと了解を得た。
 空き地は雑草に埋もれ、背丈に迫る雑草が顔に刺さるなどの危険性もあることから、当センターがボランボランティアを募り、草刈りなどに取り組むことになった。
 11月28日、大学生や社会人、地域の国際交流協会のメンバー、サンタナの先生たち、約30名が集まり、雑草刈りに取り組んだ。一時間半ほどの作業を終えると、かなり見晴らしのいい広場へと様子を変えた。刈り取られた雑草の山がいくつも生まれ、空き地を囲む水路脇も危険地帯が目で確認できるようにもなった。空き地の本格的な利用は、水路を渡る橋ができる12月中旬からになる見通し。
 草刈り作業終了後交流会を持ち、コレジオ・サンタナやブラジルの子どもたちの現状についてナカタ・ロザリンダ・ケンコ校長からうかがい、参加者らで理解を深めた。
 コレジオ・サンタナは無認可校でありながらも、地域のブラジル人の子どもたちの学びのセーフティネットとなっている。非正規率が高い就労状況によりブラジル人の生活は不安定、さらに言葉の問題もあって子どもたちは公的援助の対象からこぼれやすくなっている。こうした子どもたちをぎりぎりのところでコレジオ・サンタナは支えている。この努力に関心を傾け、その支援について考えることはとても大事なことだ。当センターではコレジオ・サンタナへの支援を2008年以来継続している。
 雑草は定期的に刈り取る必要がある。そのつどボランティアを募り、ブラジルの子どもたちの育ちや学びについてともに考え、支える機会を持って頂きたいと考えている。ぜひ多くの人々にお手伝いを呼びかけ、外国人の子どもたちを支えるネットワークに参加してほしい。(2015.12.09)

私たちの暮らす街は? Minamiこども教室の子どもたちの日常を、地図に記してたどってみた

白地図にいろいろ書き込んだ
 西日本最大の繁華街なんば、心斎橋。ここに暮らす外国ルーツの子どもたちが集うMinamiこども教室の特別授業が11月24日、大阪市立南小学校で行われた。
 Minamiこども教室は、毎週火曜日に中央区子ども子育てプラザを会場に行われている学習教室。地域の外国ルーツを持つ、一人親家庭の子どもたちを主な支援対象にして開講し、3年目を迎える。実行委員会が主催し、当センターの金光敏事務局長が実行委員長を務める。
 この日の特別授業は、子どもたちの多くが通う南小学校を会場に行った。校区を表した大きな白地図に「買い物によく行く場所」「よく遊ぶ場所」「危険な場所」などを選び、印を落とす学習だ。その様子から子どもたちの日常がわかり、どのような生活圏の中で過ごしているかを知る貴重な機会となった。
 一方、「あればいいと思うもの」との質問には、USJを自宅そばに記したり、地域に流れる道頓堀川が海ならよかったと語り魚釣りがしたいなどのイメージを膨らませ、大人たちを楽しませてくれた。子どもたちに自分の街の魅力を見つめ直す機会にもなった。
 活動終了後、支援ボランティアたちへの研修会も開催され、能力と可能性を持つ子どもたちの言葉に耳を傾け、子どもたちにが大事にされていることを感じてくれるよう目線を合わせてあげてほしいと呼びかけた。
 活動は週に一回。だが、この教室をプラットホームに、子どもたちやその家庭への支援も続く。教室には今、フィリピン、タイ、中国、インド、ブラジルの小学校1年生から中学校3年生までの子どもたちが通っている。個別には生活困窮や孤独、学力の遅れなどの困難な状況も少なくない。それでも子どもたちはいつも元気。いや元気に生きるしかない。そうした子どもたちの姿をしっかり受け止めて活動をさらに発展させていくことが求められている。(2015.11.29)

日本の源流を福井にたずねて民族教育研修会 新羅のなごり、古(いにしえ)の鉄文化

福井県敦賀市の阿奈志神社
朝鮮半島からの鉄伝来が
由来となっている
 民族学級で指導を担当する民族講師、そして学校法人白頭学院、学校法人金剛学園、学校法人京都国際学園の関西三民族学校の教職員らが集まった合同研修会が11月21日、22日、福井県で開催された。
 毎年この時期に行われている研修会で、在日コリアンの民族教育従事者どうしの貴重な交流会ともなっている。
 今回の研修会のテーマは「北陸に残る日朝交流史をたどって」。古代史を語る上で欠かすことのできない北陸をまわり、日本の源流に触れた。
 訪れたのは福井市の気比神社、敦賀市の白城神社、小浜市の阿奈志神社。これらの神社と新羅からの渡来人との関わりについて学んだ。国境という概念が今よりもずっと希薄であった時代、日本海の潮流にさえ乗れば、朝鮮半島から北陸には容易にたどりつけたという。朝鮮半島東側から出雲、但馬、北陸を結ぶ日本海文化圏は、東北アジアの重要なコミュニケーションルート。双方に強いかかわり合いを持ちながら、古くは2000年前にまでさかのぼって、日朝の交遊を深めてきた地域だ。
 この悠久の歴史から教育のヒントをさがすことは有意義。そのイメージをさらに豊かに膨らませる研修会となった。
 今回のこの研修会は大阪韓国教育院が主催し、当センターも企画運営にあたった。こうした研修会の成果が、今後も子どもたちの学びに生かされることを願ってさらに企画を充実化させていきたい。(2015.11.29)

在日の民族教育のテーマから平和や人権について考える市民交流が韓国・光州市で開催


コンサート内でのトークセッション
(右が、金光敏・当センター事務局長)
 光復(解放)70周年を記念して韓国光州広域市教育庁が主催する在日コリアンの民族教育を切り口に平和や人権を考える行事が10月9日から12日まで、韓国光州広域市で開催された。
 この行事は今回が2回目で、大阪からの参加は今年が初めて。当センターを窓口にして在日の教育関係者15名が訪問、光州市の教職員や市民との交流、また歴史フィールドワークなどに取り組んだ。
 光州市は日本の植民地支配期の1929年に独立学生運動が起こった地であり、1979年には強権体制をしいた朴正煕大統領が暗殺されると民主化への希求がもっとも高まった地域。一方、この翌年、政権を掌握した全斗煥率いる新軍部は、民主化を求める光州市民のデモ隊に向かい軍事作戦を展開、200名を越える犠牲者を出し、世界中に衝撃を与えた。
 長らく韓国政府はこの事実を歪曲してきたが、文民政権樹立後に民主化闘争に対する軍事政権の蛮行であったと再評価が行われた。今回、光州民衆闘争に関わる資料館や無慈悲な虐殺に抵抗して市民も武器を持って応戦した旧全羅南道庁前なども見学し、訪問団が近現代史について学ぶ機会となった。
 また、広く光州市民に在日コリアンのことを知ってもらうためのコンサートが開催され、実力抜群のシンガーのライブにまじってトークセッションも行われ、当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が登壇し、在日コリアンの現状などについて話した。
 ほかにも現地の教職員と交流し、民族教育が人権教育でなければならないとの認識で一致、大阪と光州で教育交流を深めていくことについて意見交換した。
 日韓関係が歴史的に見ても厳しい状況にあるなか、在日コリアンが架け橋となり、人権や平和をキーワードに市民どうしの交流を進めていくことの大切さを実感する行事となった。当センターでは、今年12月にはさらに公立学校教員らを連れて韓国を訪問し、現地の教職員らと交流する行事を予定している。(2015.10.15)

大阪から世界を語れ 多文化の中学生、多言語でスピーチ

 大阪市立の中学校に在籍する外国ルーツの中学生らが出身国の言語でスピーチする交流行事「第11回ワールドトーク」が9月12日、大阪市立咲くやこの花中学校で開催された。
 この行事に参加した生徒たちは普段、日本語指導を受けており、日本で暮らしていくための大切な日本語習得に努力している。一方、使う機会が減ることで出身国の言語能力が衰退しないよう支援することも大事。また、多言語能力を維持することで、自らの民族的・文化的アイデンティティを肯定し、自尊感情を高めてほしいとの目的で実施されている。
 生徒たちは日本での暮らしを通して感じた戸惑いや将来の夢。家族のことなどをフィリピノ語やベトナム語、ポルトガル語、タイ語、フランス語、英語で語り、練習を重ねてきた仲間を応援しようとクラスメートや教員、保護者らもかけつけ、会場全体は終始あたたかな雰囲気に包まれた。
 この取り組みは、日本語指導を担当している教員らが企画運営にあたり、大阪市教育委員会も応援している。 再来月には中国からの生徒らが出場する中国語弁論大会が予定されており、こうした行事の教育効果を理解し、他地域にも広がってほしいと関係者が期待する。
 当センターが実行委員長会に加わるMinamiこども教室の生徒も出場。感動的なスピーチを披露。子どもらのバイタリティにふれ、大人たちも力を得た。とても意義ある行事で、大阪の多様性教育を象徴する取り組みになっている。(2015.09.14)

多言語で未来にトライ 八尾市で多言語スピーチコンテスト 平和の架け橋に期待して

 八尾市で国際交流や多文化共生に取り組む(公財)八尾市国際交流センターが主催して中学生たちの多言語スピーチコンテストが8月30日、八尾市生涯学習センターで開催された。毎年恒例の行事で、多言語によるコミュニケーションスキルを磨いてもらうことを目的に開かれている。
 コンテストは2部からなり、前半は英語スピーチ部門。身振り手振りで活発な弁論を繰り広げ会場は白熱した。後半は市内在住の外国ルーツの生徒らによる母語スピーチ。日本での暮らしや将来の夢などについて熱く語った。英語部門には17名、多言語部門には3名の参加があり、この日のために練習に励んできた成果を惜しみなく発揮、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
 外国ルーツの子どもたちが母語や母文化を生かしながら日本で暮らしていくことは容易ではない。地域の国際交流協会などが外国ルーツの生徒たちにこうした機会を提供することはとても有意義なことだ。コンテストとなれば、学習効果も小さくなく、多言語部門の参加者が少なかったものの、気持ちを込めたスピーチに聴衆は心打たれ、英語スピーチも国際社会に羽ばたきたいとの意欲に満ちた生徒たちの姿が高い評価を受けた。
 多言語部門の審査委員長を務め講評した当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長は、「多言語を使いこなす目的は他者を理解し、ちがいを認め合うこと。国境を越える信頼の架け橋となり、平和を築く担い手になってほしい」と呼びかけた。
 コンテストの開催にあたって八尾市の田中誠太市長が挨拶、国際理解教育をさらに進めていくと述べ、生徒たちを励ました。(2015.09.13)

「教育」の立場から「教育」を真正面に論じる  府民夏季セミナーが開催される

尾木直樹さんの講演

 大阪府内の公立学校教職員の福利厚生団体である大阪府教職員互助組合と毎日新聞の主催による第2回府民夏季セミナー「子どもたちの未来に夢と希望を」が8月1日、大阪府教育会館で開催された。現役、OBの教職員はもちろん市民も多くかけつけ、「教育」のあり方について熱い議論が繰り広げられた。
 メイン講師は今最も注目を集める教育評論家で、尾木ママの愛称で親しまれる尾木直樹さん。「グローバル化時代の教育論~今、教育に求められるもの」をテーマに講演し、学校教育に競争主義が無秩序に導入されている現状への問題意識をはじめ国際比較による日本の教員の多忙化の実態、非効率な教育行政への指摘、また子どもたちがわかろうがわかるまいが自動的に進級し、低学力でも卒業証書が渡されていく形式卒業の克服への課題、いかに「教える」から「学ぶ」へ教育の質的転換をはかるのかについて提言した。
 講演後のパネルディスカッションでは、毎日新聞の前田幹夫社会副部長が進行を担当し、パネリストに尾木さん、磯野雅治関西大学非常勤講師、沖本和子大阪多様性教育ネットワーク共同代表、そして当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が加わった。
 磯野さんは元中学校教員の経験から学校をいかに開かれたものにしていくのかについて発言。沖本さんは元小学校教員で多様性教育を推進する立場から自らの経験談を披露した。金光敏事務局長は外部から学校をサポートしてきた立場だと自己紹介した上で、子どもたちをめぐる縦割り社会の弊害を指摘、低学力と貧困問題との関係や岩手県の生徒自死につながったと思われるいじめ問題と関連しては、「学校教育に福祉の専門家を正規で位置づけること、そして学級定員を減らし、教員が子どもの背景に迫れる制度環境の整備が必要」となげかけた。
 尾木さんは最大の教育改革は受験制度の撤廃だとし、高校入試や大学入試がなくても高い学力を保持する国はいくらでもあり、受験競争に追い立てるのではなく、子ども自身の学ぼうとする意欲を重視し、それを支える仕組み、引き伸ばす援助が大事だと述べた。
 教育に一過言を持つ人は多く、誰もが自分の経験値で教育を語る。しかし、その語りの多くは教員や学校批判に留まり、結論はいつも「競争も必要」で議論が終わる。さらに深刻なのは教育の現場従事者、専門家の議論が軽視される風潮だ。しかし、今回はあえて「教育」の立場から「教育」を真正面に活発な議論が交わされた。尾木さんの視点や問題意識は視座に富み、熱心にメモを取る姿も多数見受けられた。当センターも教育に専門的に関わる立場からこうした議論に積極的に加わっていきたい。 (2015.08.05)

滋賀県愛荘町のコレジオサンタナをいかに支えるか  日本ラチーノ学院を訪問して学ぶ

体育館

カリキュラムの説明を受ける
 滋賀県愛荘町にあるブラジル学校コレジオサンタナはブラジルの子どもたちを支える地域の重要なセーフティネットだ。派遣などで働くブラジル人家庭の状況にあわせ、乳幼児から高校生までが在学する。しかし、法律や制度の外におかれ公的援助もないまま、唯一の授業料も親の収入状態によっては遅延が続くなど不安定さは否めない。コレジオサンタナを支えているのは、ナカタ・ロザリンダ・ケンコ先生をはじめとした教職員の献身的な努力だ。
 そうした状況を地域で支えていこうという取り組みが始まっている。コレジオサンタナが所在する愛荘町国際交流協会が呼びかけとなって、地域の多文化共生をすすめ、厳しい立場におかれているブラジル出身の子どもたちが通うコレジオサンタナを支えていく仕組みづくりの模索をはじめている。会合には国際交流協会の役員をはじめ村西俊雄前町長や役場OBなど、地域のことを知り尽くしたメンバーが並ぶ。会合には当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長も出席している。
 当センターでは、2008年以来コレジオサンタナのサポートに携わってきた。コレジオサンタナの役割をありのまま理解してもらい、地域社会や行政機関が公的に援助できる方策をさがしだすための検討を担当している。
 7月29日には、同じ県内で各種学校として認可され、廃校になった公立小学校の跡地を借り受けて学校運営にあたる日本ラチーノ学院(東近江市)を一行が訪問。子どもたちの様子を見学したほか、運営状況について中川美子理事長とカイオ校長から、各種学校取得に先立って滋賀県の基準緩和に関わった経過があることから金光敏事務局長からも説明を受けた。
 コレジオサンタナは開設してあと数年で20年。日本社会の無関心の中で放置されてきたブラジルの子どもたちを守ってきた。またブラジル人のコミュニティセンターの役割も果たしており、足元の国際化や地域の多文化共生、そして外国人の人権を守る観点からもコレジオサンタナの役割はますます大事になっている。この学び、育ちの場を当センターも支援していく考えだ。(2015.08.05)

柔らかで幅の広い教育を大阪のシンボルに  第30回オリニウンドンフェ盛大に開催!

掲げられた垂れ幕、ウンドンフェも今回30回目

開会式

リレー
 大阪市生野区、東成区の公立小中学校に在籍するコリアルーツの子どもたちによるオリニウンドンフェ(子ども運動会)が5月24日、生野区内の小学校で開催された。今年で30回目の節目を迎え、いつにもまして子どもたちの大歓声がこだました。
 大阪市立の小中学校には多様な国籍、民族的背景を持つ子どもたちが多数在籍している。こうした子どもたちが日本社会になじみ、学力をつけ、多様な進路に向け歩んでいくことはとても大事なことだ。大阪市教育委員会は、多文化共生の学習を進め、異なる文化を知ることで自らも大事にする国際理解教育に力を傾けている。
 そうした教育活動の原点でもあると言えるコリアルーツの子どもたちの教育の場「民族学級(民族クラブ)」が取り組まれている。特に、多在住地域である生野区、東成区では多くの地元学校に開設されており、週に1回程度最終講時後の時間帯などに実施されている。
 オリニウンドンフェは地元の公立学校に学ぶコリアルーツの子どもたちの横のつながりを通して、仲間作りに役立ててもらおうと始まった行事だ。生野区、東成区では学校間連携の地域行事として根付いており、学校教職員、保護者たちが子どもたちを引率して参加する。今年は民族学級未設置校含む18校から約400名の子どもたちが参加した。大人たちを集めると総勢700名、30回の節目にふさわしい盛大な行事となった。
 プログラムには、一風工夫を凝らしたユーモラスな行事から、運動会定番の綱引きなどあり、恒例のリレーでは会場が一体感に包まれ、白熱した競争が繰り広げられた。競い合った点数をもとに約30チームの中から上位チームが選ばれ、学習に役立つ学習教材が賞品として授与された。今年の優勝チームは生野区の小学校。優勝校が読み上げられた瞬間、大きな歓声が巻き起こった。
 大阪市は、在日外国人教育はもちろん、同和教育、障がい児教育など人権教育の先進都市として他地域を牽引してきた。それらの教育実践の積み重ねを基盤にして「元気な子はより元気に育て」「しんどい子には目線を合わせる」丁寧な教育に力点を置いてきた。学力向上の取り組みでは、学習意欲に欠かせない子どもたちの自尊感情を育み、やればできる、解ける楽しみの実感を大事にして、学力の裾野を広げることで全体の底上げに挑んできた。これらは点数至上主義とは一線を画す。
 学力調査などで大阪の学力が低位にあると、あわてて、にわか作りで対策を講じようとする。だが、現場はそれに冷ややかだ。長期的に見れば、考える子、挑戦する子、多様性の中に生きる子、困難を乗り越える子が「力のある子」として社会でより活躍する。そのことを現場従事者は知っているからだ。
 オリニウンドンフェは、時間をかけ、丁寧に子どもの目線に合わせて取り組む大阪の教育を背景に生まれた。子どもの力を信じる、柔らかで幅の広い教育は大阪のシンボル。当センターはそのシンボルをさらに輝かせ、社会の元気づくりをこれからも担っていきたい。(2015.05.26)

学校法人白頭学院新校舎完成  盛大に竣工式が開催される

金聖大理事長の代表挨拶

伝統芸術部の公演
 韓国系民族学校として開校70年を迎えようとしている学校法人白頭学院建国幼小中高校の新校舎が完成、それを祝う竣工式が5月9日に学校で開催された。
 白頭学院は解放(終戦)直後の1946年に開校し、在日同胞社会を背負ってたつ人材の育成を担う民族学校として発足した。来年で開校70周年を迎える伝統ある在日同胞の民族教育の殿堂だ。一方、学校舎の老朽化と、関西地域にも大地震が発生する危険性が高まる中、耐震補強などのハード整備が求められていた。一昨年から再建築計画を進め、総額16億円の総工費をかけ、3年がかりで工事に取り組んだ。すでに校舎は完成、今年4月から真新しい校舎で児童生徒たちが学んでいる。
 新校舎完成の竣工式典では、全体を取り仕切った学校法人白頭学院の金聖大(キムソンデ)理事長が代表挨拶し、「多くの方々からの寄付、韓国政府、日本政府からの援助を受けて、整った環境でようやく子どもたちにいい教育環境を提供できることとなった。さらに大きな役割を果たすべく理事会、教職員が一丸となって民族教育の使命を果たしたい。」と挨拶した。
 竣工式には、韓国政府の関係者、同胞団体、在日商工人、卒業生、保護者、民族教育関係者ら200名を越える人々がかけつけ、民族教育の拠点の新しい出発を祝ったほか、白頭学院名物の伝統芸術部の公演、吹奏楽部の演奏が披露され、出席者たちの目と耳を釘付けにした。
 一方、再建築に関わり寄付を出した人々に韓国政府の表彰状などが授与され、在日同胞全体にとって民族教育がいかに重要であることをあらためて確かめる式典となった。
 また、この日、白頭学院の創設に関わった初代理事長の曺圭訓(チョギュフン)先生、また初代学校長の李慶泰(イギョンテ)先生の歴史的功労を後世に語り継ぐを誓って銅像が建立され、その除幕式が執り行われた。
 白頭学院も開校から2年後の48年に阪神教育闘争を経験している。その際、初代李慶泰校長は白頭学院だけは残さなければならないと考え、GHQと談判、実務教育を行う工業学校であるということを強調して、なんとか強制閉鎖から逃れることができ、以来教育活動を続けている。学校発足時には南北に汲みしないとの立場を堅持したが、1972年から韓国政府の認可校の道をたどった。白頭学院の歩みもまた在日同胞の解放後史と密接に関わりがある。
 在日同胞の民族教育といえば、学校数が多いことから朝鮮学校により関心が注がれるが、韓国系民族学校の役割も決して小さくなく、今後とも在日同胞の民族教育はもちろん、足元の国際化、東アジアの平和共生を担う人材育成で存在を発揮することだろう。(2015.05.11)
学校法人白頭学院建国学校のホームページ http://www.keonguk.ac.jp

在日ブラジル人の子どもたちの教育を討議  第4回ブラジル日本教育フォーラムが開催される

全体会

カポエイラの体験講座
 在日ブラジル人の教育現状を討議し、今後の方向性について意見を交わすブラジル日本教育フォーラムが5月4日と5日、滋賀県野洲市の希望の丘文化公園内で開催された。関東、中部、そして関西などから在日ブラジル人の教育現場に携わる関係者ら約100名が集まった。参加者の多くがブラジル学校の教員たちで、自治体などで通訳の職に従事する人たちも参加した。
 全体会では、NPO法人東京シューレの奥地圭子理事長を講師に招き、日本におけるフリースクールの現状について講演を聞いた。現在、フリースクールに公的な位置づけを付与する法案検討が文部科学省内で始まっており、それらが無認可のブラジル学校の処遇にどう影響を与えるのか参加者たちは大きな関心を注いだ。
 また、ブラジル学校の処遇改善、ブラジル学校での教育実践、公機関における通訳者がブラジルコミュニティのためにどのような役割を担えるか、保護者の分科会が持たれ、活発な討論が行われた。
 このフォーラムを準備した近畿大学教員のリリアン・テルミ・ハタノさんは、「全国レベルでつながっていくのは簡単ではないが、地域レベルでブラジル人教育に携わる人々が交流し、日本社会に発信していく機会づくりに生かしたい」とそのねらいを語った。
 フォーラムには、子どもたちも参加。ものづくりのワークショップ、ブラジルの伝統武道のカポエイラの体験講座なども行われた。
 日本に暮らす南米出身者は1990年以降に渡日してきた。当時、バブル経済の真っ只中で、工場労働などの働き手が不足しての迎え入れだった。一方、渡日者の生活環境の整備は軽視され、彼らをあくまでも労働力としてしか見ない日本政府の無関心によって、日本で多くの困難を経験した。
 とりわけ、子どもたちの場合は、弾き飛ばされるようにして教育の機会を阻まれ、それをブラジル人コミュニティの自主的な力で施設を設け、かろうじて教育を守ってきた。日本におけるブラジル学校の始まりも公教育の無策によるものだ。
 ひところは100前後あったブラジル学校も、現在は60校あまり。長引く不景気によってブラジル人は激減している。現在、存続しているブラジル学校のうち各種学校認可されたのは15校に留まり、ほかはすべて私塾扱いだ。こうした扱いを受けるブラジル学校が、フリースクールの公的化に合わせどのように処遇が変化するか、存続に関わることだけに関心はとても高かった。一方、法案の検討が続き、今年中にも成立するのではと見られているが、その過程で、必ずしも無認可の外国人学校のことは議論はされていない。
 この日のフォーラムでは、ブラジル学校のことを広く日本社会で知らせ、理解を得なければとする議論が活発に行われた。厳しい状況の中で、子どもたちのセーフティネットであると使命感を強めるブラジル学校の存在に目を向ける必要がある。教育の多様性を確保する観点からも外国人学校の処遇改善は進められるべきだ。
 2008年に自公の所属議員による外国人学校支援議連が生まれ、法案骨子まで整えられた。しかし、その後政局が流動化、自民党内の調整がつかず、公明党単独による法案が2009年に参議院に提出された。議論されず廃案になったが、外国人学校の支援を目的とする史上初めての「外国人学校支援法案」だった。この法案づくりにコリアNGOセンターも関わった。
 法案骨子は残っているので、再度、世論を高め、国政での議論を復活させる必要がある。新しい構成になっている自公をはじめ各政党に働きかけたい。コリアNGOセンターはブラジル学校支援を継続する。(2015.05.11)

外国ルーツの高校生のスピーチ大会  母語で夢を家族を学びを語る

 大阪府立の高校に通う外国ルーツの生徒らによる母語スピーチ大会「第13回WaiWaiトーク」が1月17日、府立住吉高校で開催された。今回は1年生のみの大会で20名が参加。多くが渡日生たちで中国、フィリピン、韓国、ペルー、エクアドル、タイ、ネパールの言葉で表情豊かに、日本での暮らしや夢などについて語った。
 この取り組みは、府立高校の教員らでつくる府立学校在日外国人教育研究会が主催しているもので、外国人生徒らが固有の文化を継承し、それを通して自尊感情を育むことを目的にしている。
 生徒たちは数ヵ月前から準備にあたり、担当教員らがサポートしてきた。母語とは言え、出身国での教育も途中になっていたり、日本生まれの生徒の場合、会話は可能でも文章化するスキルを持っていないことも多い。研究会では、必要に応じ母語指導できる支援者と生徒や学校をつなぎ、文章化や発音練習にも支援を続けてきた。
 外国ルーツの生徒らの持つ母語や母文化をアピールする機会はあまり多くない。生徒らが自分自身を見つめ、父母や祖父母との文化的同質性を確かめる機会をつくることはとても大事な教育支援だ。
 また会では、府立高校を卒業し大学に進学した先輩らによるトークセッションもあり、進路決定に関わる経験談や、後輩たちへの激励メッセージを送った。先輩は「バイリンガルであることを生かして」国際機関への就職や通訳者として日本と祖国との架け橋になりたいと語り、生徒たちも熱心に耳を傾けた。
 この取り組みは多文化共生をめざす大阪の特色ある教育実践のひとつ。こうした教育活動を評価し、国際化を担うエンジン役でもある外国ルーツの生徒らの支援に手を差し伸べられる社会をめざしたい。
 今回もコリアNGOセンターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が審査員を務めた。パワフルで希望に充ちた生徒たちの姿に触れ、会場は深い感動に包まれた。日本の学校教育に携わる立場としてコリアNGOセンターも責任の重さをさらに実感し、今後もしっかり発信したい。(2015.01.19)

ブラジル学校「日本ラチーノ学院」が新しい校舎で新しい出発


カイオ社長が挨拶
 関西で唯一各種学校認可されているブラジル学校「日本ラチーノ学院」が東近江市の旧甲津畑小学校に移転し、教育環境の充実に向け新しいスタートを切った。東近江市の甲津畑地区は過疎化により、唯一の小学校を近隣校と統合、まだ新しいままの学校舎も使われない状態となっていた。この施設を有効に活用したい市や地区と、近江八幡市のビルで窮屈に教育活動を続けてきた日本ラチーノ学院が学校移転で合意した。すでに移転は終了し、通常の授業が始まっている。
 開校式が行われた1月16日、小中高校課程の全児童生徒をはじめ学校関係者、そして東近江市の小椋正清市長や地元市議、県議、地域の自治会役員らが出席して盛大に開校式が執り行われた。
 日本ラチーノ学院には、保育過程から高校課程の200名あまりの子どもたちが通園、通学している。長引く経済不況で在日ブラジル人の数は減ったものの、ブラジル人の定住化も進み、ブラジル出身の子どもたちの教育支援はますます重要な課題となっていた。滋賀県は自動車や家電などの下請け工場などが集中し、そこで働くブラジル人が関西ではもっとも多い。この地域のブラジル人の教育支援に日本ラチーノ学院、そして愛荘町のコレジオ・サンタナ(サンラナ学園)が重要な役割を果たし、ブラジル学校への支援は多文化共生を進める上でも欠かすことのできない地域課題だ。
 小学校施設をそのまま借りられたことで、以前の施設に比べ大幅に環境が改善、これからの教育活動の充実にさらに期待が高まっている。同時に少子化によって統廃合が進む公立学校の有効活用事例としても注目される。外国人学校の立地に好意的な地区や東近江市の姿勢も含め、地域の多文化共生のモデルケースのひとつになるのではないか。
 日本ラチーノ学院の各種学校認可申請にあたっては、それに先立って滋賀県の認可基準を大幅に下げる必要があった。当時、滋賀県の基準は校地校舎の自己所有や6ヶ月分の学校運営費の現金保有など、到底脆弱なブラジル学校が申請できる条件ではなかった。
 ブラジル学校の支援を続けているコリアNGOセンターが、各種学校認可の基準がもっとも緩かった静岡県の事例をもとに政策案を示し、議員らの学校視察の誘致など県議会への働きかけとともに、県への要請活動を行った。呼応した梅村正県会議員(公明党)が議会で基準緩和を要請、答弁に立った嘉田知事(当時)も前向きな姿勢を示し、緩和の実現につながった。その結果、2012年日本ラチーノ学院の各種学校認可が決定した。それにより県の補助金受給、高校無償化の適用、また学生割引なども利用できるようになった。
 一方、慢性的な資金不足は続いており、学校の運営はぎりぎりが現状だ。今回、施設の充実が図られながらも賃貸料が若干減少、負担軽減に一部寄与する。(2015.01.19)

Minamiこども教室で体験学習と調理実習 大盛り上がりのクリスマスのつどい

みんなで食事づくり

「アクター体験」
 毎週火曜日の夜に実施されてきたMinamiこども教室の活動も、12月23日が最後。この日は午後から集まり、場所を南小学校に移して体験学習で一年間を締めくくった。
 長期休みの前に取り組んでいる食育活動として、今回も調理実習に取り組んだ。夏休み、冬休みなどは学校給食がなくなる期間。この時期に食生活の乱れが進み、成長にも影響をきたしかねない。一人親家庭が多く、給料の割りのいい夜間に労働する親の不在中、即席めんやパンなどで過ごすことも珍しくない。休み期間中、朝昼は何も食べず、夜間だけの食事で終える子どもたちもいる。こうした子どもたちの食生活を支えようと夏休み前の活動に続き、この日も簡単で栄養のある、そしておいしい食事づくりに取り組んだ。
 いつもは勉強をサポートしているボランティアさんに調理の手ほどきを受けながら、慣れない手つきで野菜を切り、フランパンをふり、なべを粘り強くかきまぜた。この日の料理はミートスバゲティに、鶏肉のトマトソース煮込み、そしてクリスマスということでホットケーキに生クリームイチゴの乗せ。
 調理後は全員で試食。わいわいがやがやの食事をみんなで楽しんだ。食べ切れなかったものはお持ち帰りに。「お母さんにも食べてもらう」「今はお腹いっぱいだけど、またあとで食べたい」とのこと。
 子どもたちの日々に目配りしながら、自立するための学び、育ちを支援するのが教室の大事な仕事。子どもたちを持続的に見守っていくためにも、こうした活動から見えてくることも多い。
 一方、調理実習活動の前には、アクター体験に挑戦。気持ちをうまく表現する方法を演技を通して体験する活動に取り組むNPOを招いて指導を受けた。最初は見よう見真似で戸惑っていたが、そのうちに奇抜な自己表現の数々が子どもたちから生み出され、それを見て会場は爆笑につぐ爆笑。子どもたちの輝かしく秘められた個性に、普段から子どもたちを見ているボランティアも感嘆するほど。
 新年は6日から開始。2015年もMinamiこども教室は地域の子どもたちをサポートしていく。(2014.12.26)

東心斎橋の商店主らがMinamiこども教室に寄付 「活動に役立てて!」

 西日本最大の繁華街心斎橋をさらに魅力ある街にしようと取り組む東心斎橋の若手商店主らのグループが12月9日、Minamiこども教室を訪問、今年夏に取り組んだ活性化イベントで集めた募金を「地域の多文化の子どもたちに役立てほしい」と伝達した。
 このグループは、飲食店、不動産などの経営者のほか、ファッションデザイナーなどの異業種が集まり、街の魅力づくりを目的に今年結成された。団体名は「イースタンリーグ」と言い、今年夏に初めて開催したイベントは大きな好評を得たという。その際に募金を募り、地域の子どもたちに役立てようと呼びかけた。集まった募金は6万円あまり。地元の大阪市立南小学校に相談し、それならばとMinamiこども教室を斡旋してくれた。
 この日は役員4名が来訪し、寄付金を伝達した。寄付金はイースタンリーグの募金箱のままに贈呈され、参加児童の代表と実行委員長の金光敏(キムクァンミン)事務局長が受け取り、小銭びっしりの募金箱の重さを噛み締めた。
 受け取った実行委員長は、「Minamiこども教室は子どもたちから参加費をもらわず、寄付やカンパで運営している。来る冬休み中にも子どもたちの食を支えようと調理実習を準備中。いただいた寄付を子どもたちのために大事に使いたい。」とお礼を述べた。
 関係者らはこれを機会にさらに草の根の地域ネットワークが広がればと期待を高めている。(2014.12.12)

民族学級講師、公立学校に勤務する同胞教員、民族学校教員による合同研修会が開催

現地で都塚古墳の説明を受ける

石舞台古墳

セミナー
 大阪府内の公立学校に設けられた民族学級などを指導する民族講師、同じく公立学校で勤務する同胞教員、そして韓国系民族学校に従事する教員たちが集まった合同研修会が12月6日と7日、奈良県明日香村などで開催された。この研修会は、大阪韓国教育院と民団大阪本部が主催したもので、駐大阪韓国総領事館が後援した。また、企画担当及び進行をコリアNGOセンターが担当した。
 今回の研修会では、明日香村教育委員会文化財課の西光慎治調整員と堺女子短期大学の水谷千秋教授を講演者に招き、古代史における日本と朝鮮半島の関わりについて学んだ。
 初日の講演者として登壇した西光さんは、今年夏に大きな話題を集めた大型のピラミッド型古墳である都塚古墳の発掘を担当、高句麗及び百済北部に見られる形状の古墳であることを突き止めた研究成果を発表、古墳時代から飛鳥時代の頃はむしろ今よりも東北アジアが緊密で一体化していたとの見解を明らかにした。講演後は都塚古墳を訪問、普段は見学が難しい石室の中や、都塚古墳と飛鳥のシンボルとも言える石舞台古墳との位置関係などを現地で確かめた。西光さんは、石舞台古墳よりも古く、見下ろす位置に都塚古墳があることなどから、石舞台古墳が蘇我馬子の墓であれば都塚古墳が蘇我稲目の墓であることが有力との見方を明らかにした。また、権勢を誇った飛鳥時代の蘇我氏と朝鮮半島との関係についても丁寧に説明した。
 二日目は「謎の渡来人秦氏」の著者でもある水谷さんから、渡来人集団である秦一族のその起源、古墳、飛鳥、奈良、平安にいたるまでの長きにわたって日本史に与えた影響を資料をもとに説明、集団の中から特殊な技能を持つ人々が輩出されていることや、商いに長けていたことで秦一族は政治の一線に立たずとも、多くの権力創出に関わった事実などを説明した。また、実母である高野新笠が百済系であることを桓武天皇が誇りに思っていたなどのエピソードを文献から紐解くなど、参加者らも興味津々、こまめにメモを取るなどした。質疑応答の時間には時間が足らないほどに質問が繰り返された。
 一方、同じ教育に携わりながらも、異業種的交流の機会となった今回の研修会では、民族学級と民族学校の連携の可能性などについてのセミナーが開かれ、同胞の子どもたちの民族的素養を培いながら、日本と朝鮮半島の架け橋になれる人材育成について意見を交換した。
 主催した大阪韓国教育院の白承桓(ぺクスンファン)院長は「日本社会で在日同胞が民族教育の推進にあたることは簡単なことではないが、相互に学びあいながらも日韓に有意義な人材育成に共通の目標を持った研修をさらに深めたい」と述べた。(2014.12.12)

暮らしている地域のことを知ろう!! 地元学習の授業支援者として子どもらと

地域の歴史を語る金光敏事務局長
 東住吉区との境界線に近い生野区最南端の大阪市立生野南小学校で地域の歴史や特色について学習する授業が10月9日、6年生を対象に行われた。この取り組みの支援者として当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が招かれた。
 生野南小学校の6年生が取り組んでいる人権学習の一環で、地域の郷土史や人々の暮らしについて、また生野区が在日コリアン集住地区であることなどについて子どもたちに解説した。
 また、金事務局長自身が子どもの頃、生野南小学校のその真横に流れる平野川で、雷魚捕りに一生懸命になっていた話や、校区にある菓子会社フルタチョコレートで不良品で売れない商品を「割れチョコ」と言って買いにきていたエピソードなどを披露。いまは経験できない昔話に子どもたちは興味津々、熱心にメモを取りながら耳を傾けた。
 大阪市立の小学校の場合、学校区外に子どもだけで出るのは禁じられているが、それでも時々、冒険に出かけようと呼びかけ、担任の先生が苦笑いする場面も。
 この授業は2週間にわたり行われ、2回目ではテーマを決めたワークショップなどが取り組まれた。
 子どもたちが自らの暮らす地域のことを知る学習はとても重要だ。とりわけ、共生をテーマにすることで、ちがいある子どもたちどうしの相互理解、コリアンが多い地域であるという特色に対する再評価など多面的に社会をみつめる視点が培われる。これからの学習活動にも期待したい。(2014.10.22)

親たちの切なる願い  在日保護者たちが独自で交流会「ムジゲの会」

子どもたちがつくった松餅
 政令指定都市の堺市は府内で大阪市に続き2番目に規模が大きい。ただ、コリアの子どもたちが民族教育の機会に触れることは、そう多くない。そうした中で、子どもたちに少しでも民族的な出会いや学びの機会をと、保護者たちが毎月集まり、民族文化体験やウリマル(母国語)、調理実習などの機会を子どもたちに提供している。
 秋の訪れを感じる9月20日、民間保育所を会場にこの日の「ムジゲの会」が開催された。この日はチュソク(秋夕)が近かったことから、子どもたちは松餅(ソンピョン)づくりに取り組んだ。民族講師のソンセン二ムの指導を受けながら、慣れない手つきで、米粉をこねておもいおもいの形につくりあげた。子どもたちが楽しそうに民族文化に触れていることを親たちも細い目で眺めていた。
 大阪は他都市に比べると、民族教育機会は多いほう。ただ、それも特定地域に集中する。堺市内でも取り組みはあるが、極めて限定的だ。保護者たちは、民族教育の機会を増やしてほしいと要望する。
 親たちは子どもたちが自らの出自を卑下することなく、そして民族的なオリジナルティが生かされる社会を切望している。多文化共生社会の礎でもある教育での試みは大事な視点だ。この親たちの思いを受け止め、当センターでは持続的にサポートを続ける考えだ。(2014.09.26)

大型台風でも日程を縮小して、民族学級合同サマーキャンプ開催


 大阪市生野区と東成区のコリアにルーツを持つ子どもたちの交流キャンプ、民族学級合同サマーキャンプが8月11日、中川小学校(生野区)で開催された。
 合同サマーキャンプは、約40年前に中川小学校(生野区)、北鶴橋小学校(生野区)、北中道小学校(東成区)の民族学級が合同で始めた行事。当時、まだ現役でいらっしゃった在日一世のソンセン二ムたちが、子どもたちを思いっきり遊ばせようと始められた。あれから若いソンセン二ムたちが引き継ぎ、今も地域の大事な民族教育行事として毎年夏休み中に実施されている。
 今年は大阪府校外の月ヶ瀬キャンプ場で一泊二日の開催される予定だったが、開催日に到来した大型台風が近畿地方を嵐に包み込み、1日目の行事はすべて中止、2日目だけの行事をかなり縮小しながらも中川小学校で開催された。
 この夏に各地で行われる公立学校の夏の民族教育キャンプ。生野区、東成区という同胞集住地域を含んでいることもあり、この合同サマーキャンプが一番大きい。民族講師、若い同胞学生や青年、保護者、そして学校教員らが共同で取り組んでいることもこの行事の特徴。この行事がきっかけになって、つながったネットワークも決して少なくない。
 夏休み中の行事ということもあって、楽しさを重視しながら、民族的ルーツについて学ぶことができるゲームなどを民族講師たちが創意工夫で準備。教室のあちこちから歓声がこだましていた。(2014.08.18)

守口・門真ハギハッキョで子どもたちは元気!

 大阪府守口市と門真市の公立小中学校に学ぶコリアルーツの子どもたちを対象としたつどい「守口門真ハギハッキョ(夏期学校)」が8月6日と7日の2日にわたって開催された。守口市には1948年の阪神教育闘争に由来する民族学級が設置されており、常勤の民族講師が勤務している。大阪府内の衛星市の中ではコリアルーツの子どもたちの民族教育が活発に行われている地域だ。また、隣接する門真市にも民族講師が指導にあたっており、この日は約30名の子どもたちが参加し、同胞の仲間たちとの交流を深めた。
 1日目は、大阪市の生野コリアタウンを訪問。コリアNGOセンターのメンバーの案内で地域見学に取り組んだ後、グループ別にランチを調達、おいしいコリアフードに舌鼓を打った。食事のあとは、50年以上にわたって御幸通商店街(コリアタウン)で朝鮮式の伝統餅店を経営してきた康安子オモニ(79)が昔のコリアタウンの様子や、戦後すぐのころの在日の食生活などについて子どもたちに語った。
 一方、子どもたちを引率してきた教員たちにも学んでもらおうと、個別に研修会などを開催、人口10万前後の小さな2つの市が大事に取り組んできた民族教育のプログラムをさらに活性化するための働きかけも行われた。
 秋にもチュギハッキョ(秋期学校)が予定されている。なお、こうした取り組みが基盤となり、今年に入り、守口市内の1校の小学校で民族学級が新設されたほか、この2学期にも中学校で新規開設が予定されている。新しい民族学級の開講式に、コリアNGOセンターから応援に駆けつける予定だ。(2014.08.10)

堺ハギハッキョ開催! 堺地域のコリアルーツの子どもたちが集い、学ぶ

 堺市立の公立小中学校に学ぶコリアルーツの子どもたちが集まり、交流する「第28回堺ハギハッキョ」が7月31日と8月1日の二日間にわたり堺市内で開催された。
 この日集まった子どもたちは約30名。堺市は典型的な少数点在地域。コリアルーツの子どもたちにとっては、ハギハッキョが貴重な民族教育の機会だ。主催は堺市在日外国人教育研究会、共催で堺市教育委員会が加わり、地域に根ざした行事となっている。
 プログラムは、地元堺市の民族講師に加え、隣接する大阪市からも民族講師が駆けつけ、民族工芸品づくりや、伝統遊び、楽器体験などに取り組んだ。また、引率で集まった教職員の研修会も開催され、堺市の民族教育のプラットホームとして欠かせない場となっている。
 一方、年に一回、夏休み中の交流会に留まっていることから保護者たちの中にはもう少し集まる機会を持てないか、子どもが在籍する学校での取り組みの充実をとの声も聞かれた。
みんなで一緒に昼食
 それらの要望を受け、9月末ないし10月始めに取り組まれる堺市内の同胞のつどい「ムジゲの会」に当センターも出席させてもらい、保護者たちと教育行政に声を届ける方法について意見交換したいと考えている。
 この夏、大阪各地でこうした取り組みが行われている。少数の立場の子どもたちの自尊感情を育む大事な教育活動。この活動を通して、教員自身がマイノリティ教育の大切さに学ぶなど、大阪の教育を彩ってきた特色ある取り組みだ。この教育実践をさらに広げていくことが求められている。(2014.08.06)

Minamiこども教室で食育  簡単、おいしく、そして栄養を

サンドイッチ用のキュウリを刻む

つくり終わった後の楽しい試食
 一学期を終えた子どもたち。長い夏休みに心は弾む。ただ、心配は食事。給食のない期間だけに、栄養のバランスが崩れる時期でもある。
 去る春休み、Minamiこども教室に通う中に、朝食にパンを食べたきり、夜まで何も食べずにいた子どもがいた。決してそうした子どもは少なくなく、休み中日に一食や二食で過ごすことは珍しくない。いまや給食が唯一の栄養価のある食事だという子どもたちはどこの地域にもいる。厳しい現実だ。
 そうしたことを念頭に、家にある食材、調理機具を使った一人でも作れる簡単料理づくりに7月22日、Minamiこども教室で取り組んだ。
 この日調理したのは、高学年がカレーライス、4年生、2年生はサンドイッチとピザトースト。子どもたちは馴れない手つきで調理に取りかかった。
 レシピを考え、子どもたちに調理を指導してくれたのは南小学校の給食調理員さん。Minamiこども教室の自慢である地域の公立学校との連携の一幕だ。日常から子どもたちの様子を知る調理員さんが楽しいご飯作りをリードしてくれた。普段は勉強を教えてくれているボランティアさんも子どもたちをサポート。みんなでワイワイ楽しい調理実習となった。
 料理を作り終えたら、全員で美味しく「いただきまーす」。お腹を空かしていたせいか、子どもたちはもりもり食べた。普段とはちがう表情での交流が深まる中、この日のプログラムは終了した。
 またこの日、地域の読み聞かせグループ、そして紙芝居のおじさんが来訪。食事を前後して楽しい物語を子どもたちに語りかけてくれた。
 子どもたちの食事がおろそかになると書くと親はいったい何を、となるが、一人親家庭が多く、生活のため少しでも割りのよい仕事につこうと夜間に、さらに長時間労働につくケースも多い。親たちもぎりぎりの中で過ごす。子どもたちはそれを知るがゆえに空腹を言えない。外国人はもちろん、日本人家庭にも貧困は巣くう。それらを放置しない社会でなければならない。
 Minamiこども教室では、さまざまな子どもたちの暮らしを支えていく。ちなみに、教室では、すべてのプログラムに関わり、子どもらから参加費を徴収していない。経費のために参加できない子どもらを生み出さないためだ。そうした運営方式は今後とも守っていきたい。そのため、ぜひとも多くの賛助、支援をお願いしたい。
 活動は毎週火曜日。夏休み中も8月12日以外は変わらず実施する。場所は大阪市中央区子ども子育てプラザで。(2014.07.23)

国立全州教育大学の総長が民族学級を訪問、子どもたちの元気な姿に感激

ユ総長(右)と橋本校長(左)
 全羅北道の道庁所在地全州市にある国立全州教育大学のユグァンチャン総長が7月3日、大阪市立御幸森小学校(生野区)を訪問し、民族学級の授業を見学した。
 ユ総長は、大阪教育大学との相互連携協定のために来日、その日程の合間を縫って在日の民族教育の現場を視察したいと希望。大阪教育大学からの要請を受けた当センターが現場訪問をコーディネートした。
 民族学級の授業では、6年生が朝鮮半島の食文化について学習している様子を見学、子どもたちがグループで討議したり、電子黒板を使ったソンセン二ムの指導を見学した。
 ユ総長は、大阪教育大学と全州教育大学が交流を開始するが、ぜひ学生たちに民族学級の手伝いをさせたいと提案。橋本知恵人御幸森小学校長もそうしたい機会があれば歓迎したいと述べた。
 また、民族学級見学に先立って7月2日に訪問した学校法人白頭学院建国幼小中高校では、大学生たちの教育実習の受け入れと、建国高校卒業生の受け入れ促進で協力関係を結ぶため交流活発化で一致した。
一方、当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長との懇談では、教員養成専門大学の中で初めてとなる在外同胞の教育者要請課程を設けるよう要望し、ユ学長も興味を示した。(2014.07.06)

WaiWaiトークで生徒ら熱い思いを母語で語る

 大阪府立の高校に通う外国人生徒らが母語の能力を鍛え、自らの文化的背景を生かすことをめざす母語スピーチコンテスト「WaiWaiトーク」が6月28日、府立住吉高校で開催された。
 このコンテストは年に2回開催され、今回は2年生、3年生が対象。19名が出場した。出身国は中国、フィリピン、タイ、韓国、パキスタンで、生徒らの出身国の母語によるハツラツとしたスピーチで会場は盛り上がった。
この取り組みを主催しているのは大阪府立外国人教育研究会。府立学校の教員でつくられる研究団体だ。冬には1年生を対象にした同様の行事も行われている。
 外国人児童生徒には日本への適応を求める教育が文部科学省により推奨されている。日本語や日本文化を早期に理解させる教育と言える。ただ、適応が強調されることで、固有のアイデンティティが揺らいだり、それに起因する自尊感情の喪失が課題になっている。
 外国人児童生徒の自立力を高めるためにも、むしろ固有のアイデンティティを肯定化し、もともと持っている文化を個性として生かすことのほうが、適応性においても教育効果が高いという臨床研究が進んでいる。
 今回の母語スピーチコンテストはそうした成果に立脚した取り組みであると言え、他府県でもあまり取り組まれていない。学校活動との連携が緊密であることも特色で、出場生徒らはそれぞれの学校で作文と練習を重ね、母語話者の指導も受けてきた。当日も教員が引率して連れてきている。
 外国人児童生徒が出身国の言語や文化を生かし、そして日本語を身につけ自立力を向上させることで、国際化社会をリードする存在になっていくだろう。ここに社会の成長も秘められている。
 母国と日本の架け橋になりたいと力強く語ったタイ2名、中国、韓国、パキスタン出身の生徒5名が特別賞を受賞した。当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が審査員の一人を務めた。5名以外にも、出場生徒らのスピーチはどれも素晴らしく、僅少さでの厳しい選考となった。
 外国人児童生徒らがそれぞれの文化的背景を大切にし、自らのセールスポイントとして発揮していける教育支援制度や社会づくりが求められる。ぜひ他府県においても参考にしてほしい行事だと言える。(2014.07.01)

在日コリアン保護者の会が結成20周年、「神戸コリア教育文化センター」が発足

キム・シニョン理事長
 神戸市立小中学校に子どもを通わせる在日の保護者などでつくる「在日コリアン保護者の会」の結成20周年の祝賀会が6月29日、長田区内で開かれ、ゆかりのある教員や教育行政の担当者、在日コリアンの教育、人権運動に携わる人々、約80名が集まった。また、この日に合わせて「神戸コリア教育文化センター」が発足し、その御披露目もあった。
 発足以来「在日コリアン保護者の会」を引っ張り、新発足の「センター」の理事長を務めるキムシニョンさんは祝賀会の挨拶で「ここまで続けられるとは思っていなかった。大阪の取り組みに触発を受け、神戸でも民族学級をと努力したがなかなか行政の壁を越えることができなかった。それならばと自力で取り組んだのがオリニソダン。この子どもたちの取り組みも今年で10年を迎えることができた。」とこれまでの歩みを振り返った。
 神戸市内の公立学校の民族教育は、在日コリアン保護者の会の活動をおいては語れない。とりわけ、蓮池小学校とだいち小学校で取り組まれているオリニソダンは、公立学校における貴重な民族教育の機会となっており、そこを経た子どもたちが各地で活躍を始めている。こうした活動については、神戸の教育行政も一目をおいており、国際理解学習を進める上でのカウンターパートナーともなっている。
 一方、「神戸コリア教育文化センター」は地域の多文化共生を進める拠点として今後の活用が期待されている。キムシニョンさんは「一階に設けたナドゥリをセミナーやライブなどの多目的スペースとして活用してほしい」と語った。またセンターの2階スペースでは今後、韓国語やベトナム語、英語の市民講座を開講するとしている。
 「神戸コリア教育文化センター」はJR新長田駅から3分、ナドゥリは普段はカフェとしてランチや夕食も楽しめる。ぜひご利用を呼びかけたい。(2014.07.01)

神戸コリア教育文化センターで取り組まれる行事
나들이(ナドゥリ)の入り口
(※ハングルで「お出かけ」という意味)
  • 韓国旅行作家ノジュンフンが語る本当の韓国旅行(仮題)
    2014年7月27日(日) 午後
  • ベトナム語 超入門 一日講座
    2014年7月29日(火) 午後5時30分~7時30分
    受講料1,500円
  • 安聖民パンソリライブ
    2014年8月30日(土) 午後

⇒お問い合わせ:一般社団法人神戸コリア教育文化センター
           〒653-0038 神戸市長田区若松町3-1-1-103
           TEL 078-777-2232、FAX 078-771-4639、e-mail:korea.uriecc@gmail.com

外国人児童生徒らの成長見守って  大阪府外教の研究大会が開催される

高校生らが舞台上で、
各々のルーツとなる民族文化を披露
 教員らの外国人教育研究の大阪府全体のネットワークである大阪府在日外国人教育研究協議会が6月21日、大阪市平野区の府立長吉高校で開催された。
 府外教は昨年発足20年を迎え、これまで大阪の在日外国人教育研究を牽引してきた。また、他府県にも影響を与え、教育実践、研究活動の発信基地的役割を果たしてきた。教育行政からの助成は財政悪化に伴って今はないものの、大阪府教育委員会のバックアップは続いており、準公的な研修行事として府外教大会も位置づけられている。この日も土曜日だが、府内各地から多くの教員らが集まった。各市町村教育委員会の担当者や研究者らも多数参加した。
 午前の全体会では会場校となった長吉高校にちなみ、府立高校における在日外国人教育の過去、現在、未来をテーマに、各種演目が繰り広げられた。在日外国人教育の原点となった在日朝鮮人教育を振り返る場面では、住吉高校のKCS(Korean culture studys)が扇の舞とサムルノリを披露、八尾北高校で朝文研が立ち上がった当時のエピソードを卒業生が、また桃谷高校に学んだ思いを在日一世がビデオレターを通してメッセージを伝えた。
 現在のテーマでは、高校の外国人教育研究会が主催する母語スピーチコンテストで昨年度最優秀賞を受章した渡日生徒が高らかに中国語でスピーチすると、外国人生徒受け入れの特別枠入試制度を導入している成美高校、門真なみはや高校、長吉高校の卒業生が自らの学校時代などについて語るパネルディスカッションが行われた。このプログラムのコーディネーターを金光敏(キムクァンミン)事務局長が務めた。
 未来へのテーマでは、長吉高校のブラジル、ペルー、ネパール、フィリピン、タイ、中国、台湾、ベトナムルーツの生徒らが民族文化の発表やパフォーマンスを展開。全体会に駆けつけた600名を越える参加者は生き生きとした姿にすっかり魅了されていた。
 一方、この日の大会の開会式で来賓挨拶した大阪府教委高等学校教育課の担当者が、外国人教育の推進と外国人生徒の進学機会の拡大を図るため、特別枠入試制度を今年度から茨木市の府立福井高校においても実施するとし、学校教育の柱に多文化共生、外国人生徒支援を位置付けた特別枠高校が全部で6校となることを報告した。
 都道府県の中でも外国人生徒の高校進学率は大阪がもっとも高い。もちろん、他府県が低すぎるという問題点はあるが、多様な選択肢の提示に道を開いてきた大阪の教育現場と行政の取り組みの賜物であると言える。
 全体会で見せてくれた素晴らしい外国人生徒らの笑顔や頑張りが府内高校全体に、さらに他府県にも広がることを期待したい。
 府外教大会のメインテーマである「ちがいを豊かさに」は、排外主義がはびこる今の時代だから、なおのこと重要ななげかけとなっている。子どもの成長を優先し、誰も大事にされる大阪の特色ある教育をめざして、当センターも積極的に現場、行政と連携、協働していきたい。(2014.06.25)

春晴天、オリニウンドンフェ開催、民族学級につどう子どもたちの歓声が響き渡る!!

リレーのスタートライン
綱引き
 大阪市生野区と東成区内の公立小中学校に設けられている民族学級や民族クラブの子どもたちによる大交流会『第29回オリニウンドンフェ(こども運動会)』が5月25日、地域の公立小学校で開催された。この取り組みは、民族学級、民族クラブで学ぶ子どもたちが学校区を越えて交流し、学習の励みにしてもらおうと取り組まれている。民族学級、民族クラブで指導を担当する民族講師らが主催し、地域の公立学校の多くが 学校行事に位置づけている。
 この日子ども約400名、大人合わせて750名を超える参加者があり、この行事がすでに地域に定着し、子ども、大人たちの楽しみのひとつになっていることをうかがわせた。
 ウンドンフェでは、綱引き、リレーなどの運動会の定番プログラムのほかに、ハングルで自分の名前を書いた上でキムチをほうばるなどのユニークな競技も企画され、コリアにルーツのある子どもたちに民族的なアイデンティティを培ってもらいたいとの思いが節々にちりばめられていた。
 また、昼食には七輪で学校ごとに焼肉が準備され、保護者や教職員らもいっしょになって休日の一日を楽しく過ごした。
 来年、オリ二ウンドンフェ30周年。今年よりもさらに多くの子どもたち、保護者、教職員、地域の皆さんが参加されることを期待したい。「オリニウンドンフェ」は子どもたちが宝物のように輝く。この輝きを陰らせないためにしっかりとコリアNGOセンターもバックアップしていきたい。(2014.05.28)

今年度のMinamiこども教室が終了、4月からの新しい子どもたちの受け入れに準備着々!

 西日本最大の繁華街難波、心斎橋、日本橋界隈に暮らす外国ルーツのこどもたちを対象にした夜間教室「Minamiこども教室」の2013年度最後の活動が3月25日に終わった。
 現在、教室には21人の小学生が登録し、常時14、5人が集まり、中央区子ども子育てプラザで勉強に取り組んでいる。参加する子どもたちはフィリピンや中国、タイ、インド。昨年9月からの新設教室にも関わらず、子どもたちの安全と安心を提供する居場所として認知されるようになってきた。
 Minamiこども教室が位置する大阪市中央区は、大阪でもっとも多国籍化が進む街。繁華街周辺に暮らす外国人家庭の多くが、何らかの形で歓楽街に関わる仕事に従事し、かつ高い比率で一人親家庭が占める。結果、夜間に子どもだけで過ごすケースが珍しくなく、そのため子どもたちは不規則な生活に陥り、学力も大きく遅れてしまうという問題を抱えている。同時に生活困窮家庭も見受けられ、複合的な問題が子どもたちを取り巻いている。
 Minamiこども教室では、毎週火曜日の夜間に開講し、子どもたちの学びのサポートと居場所づくりに取り組んでいる。どんな困難な中にあっても明るく前向きな子どもたちの姿で、教室はいつも活気に満ち、励ますはずの私たち大人が逆に元気をもらっているとも。
 これまでは小学生だけの受け入れだったが、新年度からは中学生にも対象を広げる。子どもたちの笑顔からは見えてこない様々な問題にもしっかりサポートしながら、すべての子どもらが夢や希望を持って生きられる社会づくりに取り組みたい。(2014.03.26)

~Minamiこども教室のボランティアを募集しています!~

 春から新規加入の子どもたちが10名近くいるため、さらに多くのボランティアが必要です。Minamiこども教室で子どもたちの学びと育ちを支える活動に一緒に加わっていただけませんか?
 興味のある方は、ぜひコリアNGOセンター(連絡先はコチラ)まで。

摂津市「ともに生きるつどい~多文化コミュニケーション」盛り上がる

バンブーダンスも体験
朝鮮伝統楽器チャンゴの演奏
 大阪府摂津市内の公立小中学校に学ぶ外国にルーツにある子どもたちなどが一堂に介し、出身国の文化を披露し、日本人の子どもたちには国際理解の学習を進める「ともに生きるつどい~多文化コミュニケーション」が2月22日、市民文化センターで開催された。
 摂津市は1980年代から民族学級にあたる「子ども会」活動が盛んで、市が非常勤で委嘱する民族講師が巡回授業などに取り組んでいる。この日のつどいでは、外国にルーツのある子どもたちの固有のアイデンティティを育むことを目的に、父母、祖父母の故郷の文化を披露したほか、日本人の子どもたちも民話劇に取り組んだ。
 会場には、友だちの出演を応援するためにかけつけた子どもたちのほか、出演を見守る家族、教職員、そして地域の人々も演目の数々に温かな拍手を送った。また、摂津市教育委員会から教育長らも駆けつけ、市に根付く多文化共生の取り組みを参加者らは楽しんだ。
 主催は摂津市の教職員らでつくる外国人教育研究協議会。ほかにも摂津市ではハギハッキョなどが地域全体で取り組まれている。(2014.02.25)

「WaiWaiトーク」で外国出身生徒ら、戸惑い、感謝、夢語る

19人の出場者たち
今回スピーチで使われた言葉は5つ
 大阪府立の高校に在籍する外国出身生徒らが母語でスピーチする「WaiWaiトーク」が1月18日、府立住吉高校で開催された。大阪府立学校在日外国人教育研究会が毎年2回開催しているもので、今回は1年生のみ19名が出場した。
 この取り組みは、スピーチを出身国や地域の言語で行うこととしており、日本語習得が強調され、日本社会への適応が優先される外国出身生徒らにとって母語能力の向上と、外国につながる家族との文化的同質性を肯定化し、自尊感情を高めることを目的に実施されている。この日は5か国語でのスピーチが繰り広げられた。
 ある生徒は日本語が十分でない上に、微妙な距離感がわからず、クラスメートから無視された苦い経験を語った。また、祖国の災害のニュースに触れ募金などの支援に取り組んだ話や、初めてたこ焼をほうばり、あまりの熱さに「口に爆弾」とユニークな表現で会場を和ませたスピーチ、字の読み書きを覚えて「道が明るくなった」と生い立ちを語った60歳の高校生。さらに自分が大統領だったら、祖国のすべての子どもたちを学校に通わせたいと力強く語った生徒など、どれもバイタリティーにあふれ、母語で生き生きと語る生徒たちの姿に参観者たちは深い感銘を受けた。
 この行事の審査員を当センターの金光敏(キムクァンミン)も務めている。生徒たちの表情が実に豊かで、意欲と好奇心に溢れた素晴らしい意欲作ばかりで、毎回審査は難航する。それでも会の趣旨上、5人に特別賞が送られ、審査員全員が悩みながらの作業だったと挨拶の中で告白した。
 外国出身生徒らが、また、日本生まれの外国につながる子どもらが、母語や母文化を日本にいながら生かし、進路を開拓していける社会づくりが必要だ。同時に、こうした取り組みを地道に続けている府立外教、そして現場で生徒らを励まし支える教員、母語支援員やサポーター、そのすべての皆さんの役割の大きさが伺えた。
 大阪のこの取り組みが正当に評価され、他地域にも広がるよう、当センターもしっかり取り組んでいくとともに、競争主義のはびこりによって疲弊する教育現場に、しっかりとした元気の回復となるよう、ともに担っていくことが求められている。(2014.01.27)

外国人受験生たちにも踏ん張りの冬 「こどもひろば」休日返上で学習教室


 高校受験に渡日外国人生徒らも踏ん張りを見せている。外国人の子どもたちの学習支援教室を開講している「こどもひろば」では、この冬、受験生に合わせた入試の過去問題などに取り組み、外国人の子どもたちのサポートも佳境だ。
 「こどもひろば」は、外国から渡日してきた子どもたちの学習支援に取り組む傍ら、子どもたちの居場所づくりにも取り組んでいる。毎週月曜日、大阪国際交流センター(大阪市天王寺区)の一室を借りてボランティアらが教科や自主学習の補助に取り組んでいる。
 12月23日の連休最終日、この日も10人の子どもたちが集まり、4時間の学習会が実施された。子どもたちの中には、16歳に達しているという理由から地域の中学校に在籍できず、直接公立高校の受験を準備している子がいるなど、ニーズは多様だ。
 大阪市内には、3箇所で中学生なども受けいれる外国人の子どもらの学習支援教室がある。「こどもひろば」はそのうちの一つ。受験に備えている子どもたちの多くが、渡日外国人用の特別枠入試制度を設けている大阪府立高校への進学を望んでいる。
 受験生対象には通常の教室以外にも、補習日も設け、子どもたちの“やる気”を支えている。年末は26日まで実施され、年始は1月6日から活動を開始する。冬は外国人の子どもたちにも踏ん張りの季節となっている。(2013.12.24)

関西地域民族教育関係者研修会が開催される!

山城「鬼ノ城」を訪れる
仲尾宏教授が朝鮮通信使について講義

 関西地域の民族学級、民族学校関係者らを対象にした研修会が11月23日と24日、岡山県内で開催された。
 この研修会は、民族教育者の資質向上を目的とする研修のほか、民族教育現場の従事者どうしの相互の情報交換の機会として実施された。
 23日の研修会では、滅亡後に百済から日本に亡命してきた渡来人たちの技術を用いた山城「鬼ノ城」を見学、遺跡の発掘、再現に取り組んだ総社市教育委員会文化課の担当者を講師に研修が行われた。
 また24日の研修会では、朝鮮通信使研究の第一人者で、京都造形芸術大学の仲尾宏客員教授を講師に、朝鮮通信使と瀬戸内の民衆の交流をテーマに講演を聞いた。その後、朝鮮通信使が11回に渡って寄港した瀬戸内市牛窓を訪問、正使、副使、従事官が宿泊所にした法華宗本連寺に立ち寄り、現在も残される朝鮮通信使の遺品の見学や、住職からの説明を聞いた。この研修会は年に1回、実施されている。(2013.11.30)

海外で初めて設立されたネパール学校を見学

校舎内の壁に掲げられた作品
子どもたちが将来なりたい職業を英語で表現
 自治体議員、研究者、市民活動家らで構成される多文化共生・自治体政策研究会が第6回研究会として、東京・杉並区阿佐ヶ谷にある「エベレスト・インターナショナル・スクール・ジャパン」を訪れるフィールドワークを行なった。自治体議員3名を含む総勢20名が参加し、日本で初めてのネパール学校に対する関心の高さが伺えた。実は海外ネパール人学校としても第一校目だという。
 近年、在日ネパール人は急増しており、2012年末時点で24,000人を超えている。そのなかで、日本語のできない子どもをネパールに残して両親のみが日本で働くケースが多く、逆に日本生まれの子だと母国語ができず、親戚とのコミュニケーションが取れないケースも少なくない。また将来的にネパールへの帰国や他の英語圏への移住を視野に入れている在日ネパール人も多く、そういった様々なニーズが合わさるなかで、ネパールの教育内容を取り入れた学校を望む声は高くなっていったという。約60人の在日ネパール人らが出資して、2年ほど前から開校の準備を進め、今年4月に開校するに至った。
 この日は、学校の運営母体となる特定非営利活動法人「ネパール教育支援センター」のブパール・マン・シュレスタ理事長とプラディップ・タパ校長が学校内を案内してくれた。現在は、3~5歳の子どものための保育園と、6~8歳の子どもたちが通う小学校1~3年生のクラスがある。授業は基本英語で行われる。当初16人だった子どもたちも、訪問時には46名通っており、うち10名が午後2時半から開かれる英語教室に出席する日本の子どもたちだという。訪問した時、小学1年と2年のクラスはちょうどダンスの授業の最中だった。
 この学校はネパール人を主な対象としているが限定する考えではなく、インターナショナルスクールとして位置づけており、日本の子どもたちはもちろん、他のアジアの国出身の子どもたちも受け入れていきたい考えだとのことだ。また、埼玉や千葉など遠くから通う子どもたちもいるため、車での送り迎えも行なっている。
 現在、ネパール本国の認定を取得するための準備中とのこと。日本のなかでは無認可校(私塾)扱いであるため公的支援がない状態であり、学費が一ヶ月4万円(ただし今年度はキャンペーン期間として37,000円となっている)と割高になっているが、それでも他のインターナショナルスクールよりは低額であり、通いやすいようにできるだけ配慮したと、シュレスタ理事長は強調した。今後は学年を増やして、最終的に高校までカバーすることが目標だという。
 寄付金は常時受け付けている。お問合せは、同校まで(TEL 03-5335-7379、http://eisj-edu.com ※英語とネパール語)。(2013.11.20)

在日同胞の民族教育をめぐる現状と課題についてソウルで徹底討論

 韓国の大学で初めて在日コリアン問題を研究する専門機関を設けた青厳大学校の在日コリアン研究所が高麗大学校の日本研究センターと共催し、「在日同胞の民族教育」をテーマに学術会議を10月18日、ソウル市の高麗大学校で開催した。
 このシンポジウムは、在外同胞財団からの研究委託を受けた青厳大学校在日コリアン研究所が企画したもので、「在日同胞の民族教育」を主要テーマにした大学によるシンポジウムは珍しい。シンポジウムでは、現状の研究成果とともに、日本で研究、実践する当事者を招いた議論が行われた。
 研究所所属の研究員らが、この間に行った日本でのフィールドワークをもとに在日コリアンの民族教育についての現状について報告したほか、民族学校や公立学校の民族教育分野について当事者らを招いて議論を深めた。
 公立学校の民族教育をテーマに当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が招聘され、民族学級の現状と課題、そして韓国政府の在外同胞教育政策との関わりについて報告した。
 また、朝鮮学校をテーマとしては大谷大学の宋基燦(ソンキチャン)助教が報告し、朝鮮学校研究の方向性について議論を深めた。また、在日同胞3世で洪益大学校政治外交学科の金雄基(キムウンギ)教授も討論者として議論に参加した。
 このシンポジウムは予定時間を大幅に超える白熱した議論が交され、その成果は在外同胞財団に報告され、在日同胞政策の参考にされる。(2013.10.22)

韓国労総の研修団、民族学級と夜間中学を訪問

夜間学級の生徒会に記念品の贈呈
サムルノリで子どもたちが研修団を歓迎
 韓国を代表する労働団体である韓国労総(韓国労働組合総連盟)の統一実践研修団の一行が10月11日、在日同胞社会の教育現場を訪問した。
 この訪問団は、南北の平和的統一をめざす市民活動に取り組み、労働者の相互理解を深める活動に取り組んでいる。今回の日本訪問は、在日同胞との交流促進を目的に企画され、各地の現場訪問を実施した。
 在日同胞の密集地域である大阪市生野区にある大阪市立御幸森小学校での民族学級訪問や大阪市立東生野中学校夜間学級を訪問し、在日1世から4世までの在日同胞たちの学びの現場を訪ね、関係者たちと交流した。
 参加者のひとりは、「韓日関係を考える上でも、在日同胞のことを常に思い浮かべるということを実感した。こんなふうにして、切実な教育の現場に触れることができて深い感動を受けた」と述べた。(2013.10.12)

Minamiこども教室がスタート 元気いっぱいに、新しい居場所に集う

教室に集まった子どもたち

子どもたちにエールを送る林範夫代表理事
 大阪市内でもっとも多国籍化が進む大阪市中央区で、子どもたちの新しい地域の居場所「Minamiこども教室」が10月8日に正式オープンした。この教室は、関西国際交流団体協議会(関団協)のよびかけのもと、外国人支援に携るNGOらが一同に介し、地域で草の根の外国人母子の支援事業が取り組まれた。その中で子どもたちの実態が浮き彫りになり、もっとも必要とされる居場所を地域でつくっていくことが検討された。
 市内でもっとも多国籍の児童が通う大阪市立南小学校の子どもたちの様子などをもとに、保護者が夜間の割高な仕事に従事する間、子どもたちだけで過ごす家庭が少なくない実態が明らかとなり、それならばと夕方からの居場所づくりをめざそうと、今年春は準備重ねられてきた。
 この実行委員会には、関団協のほか、(公財)大阪国際交流センター(アイハウス)、(特活)多文化共生センター、こどもひろばなど加わり、各地で外国人の子どもたちの学習支援に実績のある支援者らも実行委員を務めている。草創期の実行委員長を当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が務め、地域における外国人の子ども支援のモデル事業化をめざして取り組むことになった。
 オープンセレモニーに応援にかけつけた当センターの林範夫’(イムボンブ)代表理事が「この教室はとても楽しそうですね。私も参加させてもらいたいです。これからいっぱい学んで、交流して、楽しい教室にしてください。」と子どもたちにエールを送った。
 また、アイハウスの野々村節子理事長や、関団協の西保彦事務局長代行などもお祝いの言葉を述べた。
 「教室」にはすでに15名を越える参加申し込みがあり、フィリピン、中国、インドの子どもが交流を始めている。今後も増える可能性があり、ボランティアの増員や活動を支える寄附などを募集している。
 「MInamiこども教室」は大阪市中央区の子ども子育てプラザで、毎週火曜日の午後5時から8時まで開かれる。勉強のサポートのほか、各種の交流事業に取り組む。(2013.10.11)

MINAMIこども教室を開講します!!

大阪市立南小学校に多く通う、外国ルーツの子どもたち

 大阪市立南小学校は、中央区のど真ん中に位置し、西日本最大の繁華街心斎橋などを校区に持つ。ここには13カ国の子どもたちが在籍し、在籍児童の約41%が外国にルーツを持つ。外国人家庭には一人親家庭も多く、不安定な生活を支えるために、収入の割高な夜間の仕事に従事するケースが少なくない。南小学校の山崎校長先生は、「夜間に一人、あるいは兄弟、姉妹だけで過ごす」家庭も少なくないと現状を語る。
 また昨年、フィリピン出身の母子家庭で、母親が無理心中を図り、この学校に通う小学校1年生の児童が亡くなるという痛ましい事件が起きた。慣れない日本での生活に加え、何ら頼るところのないたった一人の子育てだった。山崎校長は「入学式だった。子どもの入学を喜びならも、学校で使う道具類がわからず、必死になって聞いてきた姿が印象的だった。うまくやらねばと、緊張していた様子だった。」 母親の精神のバランスが崩れ、それが事件につながったと見られている。

子どもたちにとっての居場所づくり!『MINAMIこども教室』開講に向けて準備着々

 南小学校では、懸命に子どもや親たちを支えようと努力している。南小学校の実情を知った外国人の子ども支援NGOが、学校の努力に呼応し、外国人の子どもらの居場所づくりに取り組むことになった。コリアNGOセンターも実行委員会に加わり、そして私が立ち上げ期の実行委員長を務めることになった。
 ほかにも、大阪の地で地道に外国人の子どもの支援事業に携っているメンバーが着々と準備を進めてくれていて、この事業のきっかけを提供した関西国際交流団体協議会が事務局を務めている。
 9月から毎週火曜日の午後5時から8時まで、夜間教室「MINAMIこども教室」を開講する。この教室は、外国の子どもたちの学力支援を目的としつつも、夜間の子どもたちの居場所を確保し、少しでも安全と安心を提供しようとするもの。今年度は試験実施と位置付け、活動が軌道にのれば、取り組み時間の延長や、夜食の提供、また南小学校以外の中央区全体にも積極的に呼びかけていく考えだ。地域に根ざした外国にルーツのある子どもたちの支えあう関係作りや、寄り合える居場所作りにつなげたいと考えている。

 MINAMIこども教室は、外国人の子どもたちを支えるモデル事業になればと考えている。ぜひ多くの皆さんの関心を呼びかけたい。(2013.08.09)

【東京事務所】 韓国の子どもたちのための“チャプチョ教室”、講師ボランティアを募集中

チャプチョ教室とは

 チャプチョ(ハングルで「雑草」)教室は、韓国にルーツを持つ子どもたちが安心して学べるようにサポートする場を望んでいた新宿区在住のオモニ(韓国出身のお母さん)たちと、教師や研究者、市民団体メンバーが協力して、2012年3月に開講した教室です。毎週水曜日の夕方に、当センター東京事務所がある新宿区大久保の「文化センターアリラン」で授業を開いています。
 参加している子どもたちは、小学生から大学受験生までにわたり、韓国生まれの子も日本生まれの子もいます。日本語がまだ十分でない子どものための日本語授業や、学校の勉強をサポートする教科授業を併せて行なっています。

講師ボランティア 募集案内

 チャプチョ教室を支える講師は全員ボランティアです。国際理解教育などを専攻する大学生・大学院生たちが多く関わって下さっています。
 うれしいことに、2013年夏、新たに通うことになる子どもが増えたため、勉強を教えてくださる講師ボランティアを増員しなければならなくなりました。
 ぜひ、ご協力お願いします。(2013.08.08)
  • 曜日:毎週水曜日 (お盆、年末年始の週以外は、ほぼ毎週教室を開いています)
  • 授業時間:17:30~18:20 / 18:30~19:20 / 19:30~20:20、の3時限
      ※このうち一つだけ担当することもできますし、隔週、毎月1回など、参加形態は多様です。
  • 科目:日本語(国語)、英語、数学の3教科が基本
      ※子どもによって社会や理科などを勉強する場合があります。
  • 交通費分として一日1000円をお支払いします。講師謝金は、ありません。
  • 資格や経歴・学歴は問いません。国籍や出自も関係ありません。
    子どもたちに寄りそって、子どもたちのための授業をつくる努力をしてくれる方を求めています

⇒お申込み、お問い合わせ:当センター東京事務局(TEL 03-3203-5655、tokyo@korea-ngo.org)まで


子どもたち元気、オリニマダンに結集!!

朝鮮と日本の関係史を学ぶ
 暑さを吹き飛ばして、大阪市生野区と東成区の民族学級の子どもたちが7月25日、生野区内の小学校に集まった。参加者数総勢500人の「オリニマダン」が開催された(主催:実行委員会)。
 この日、集まった子どもたちは低、中、高学年、中学生に別れ、さまざまな体験講座に取り組んだ。この取り組みは毎年恒例の行事で、同様の民族文化に親しむ交流会が大阪市内各ブロック地、また、大阪府内の各地で実施され、夏休み中の貴重な民族教育の機会として位置づいている。(2013.07.27)

大阪弁護士会の専門部会メンバーらが外国人の子どもの教育について現場訪問

南小学校の校長先生との話し合い
 大阪弁護士会子どもの人権委員会の外国人の子ども部会所属の弁護士10名(部会長、金英哲(キムヨンチョル)弁護士)が7月4日、外国人の子どもたちの教育権の現状把握のために、大阪市立の学校現場を訪問した。
 外国人の子ども部会は大阪弁護士会内の公的な部会として活動し、外国人の子どもの人権についての弁護士会内部の理解促進や政策研究や提言を行う機関として設けられている。この日は大阪市立南小学校を訪問、外国人児童の就学状況や教育課題などについて説明を受けた。南小学校は、大阪市中央区に位置し、西日本最大の繁華街、大阪ミナミを校区に置いている。在籍児童の41%が外国にルーツにある子どもたちで、外国からダイレクトに入学してくる子どもなどが多数在籍している。
 説明を行った山崎校長は「家庭が孤立する状況は日本全体に広がっているが、この地域では貧困や言語の問題から外国人家庭に顕著に見られる。こうした状況の中で教職員が必至になって子どもたちのために奔走している」と述べ、「何よりも学校や家庭がつながりながら子どもたちの居場所づくりが必要」と語り、夜間を一人で過ごす子どもたちのために、地域やNPOと連携して夜間教室の開設を準備中と説明した。
 弁護士らは日本語指導や通常授業の様子を見学し、学校長にはさまざまな角度から質問を行った。
 また、南小学校の見学後、場所を生野区に移し、小路小学校の民族学級を訪問、ウリマル(母語)学習に取り組む子どもたちの様子を見学した。また、民族講師をはじめ担当教員から現状や課題について説明を受けた。
 今回の現場訪問は当センターがコーディネートを担当した。一方、南小学校で開設を準備している夜間教室「Minamiこども教室」の実行委員会には当センターも加わっており、中央区で多国籍・多民族の子ども支援のモデル事業に取り組む考えだ。(2013.07.14)

奈良在日外国人保護者の会 結成20周年で祝賀会

歴代会長の祝賀挨拶
初代会長の金厚子さん(右)

最後に全体で記念撮影
 奈良県内の在日コリアンの保護者らでつくる「奈良在日外国人保護者の会」の結成20周年を祝う会が6月30日、奈良市内であった。「奈良保護者の会」はコリアにルーツのある保護者らが互いに交流し、学びあいながら、民族的アイデンティティを育む子育ての基盤づくりをめざして1993年に結成された。教育行政への働きかけや学校現場でのゲストスピーチなど教育行政や現場への支援はもちろんのこと、独自行事も続け、親たちによる能動的な民族の子育て支援に取り組んできた。いまでは奈良県内の多文化共生を語る上で、欠かせない団体となり、その大きな存在感は20周年祝賀会に県や関連市の教育委員会関係者らが多数かけつけたことからもわかった。
 また、在日団体に携る人々の平均年齢が高まっていく中、この日は10代や20代、30代が目立ち、多年代にまたがるネットワークの広さを見せつけ、参席者にパワーを感じさせた。
 一方、奈良在日外国人保護者の会が契機となって広がった取り組みに、「いこま国際交流協会」の活動があり、生駒市内に暮らす多様な国籍や民族的ルーツを持つ人々が互いに交流し、地域の足元の多文化共生をめざす活動として注目を集めている。保護者の会で活動してきた在日のオモニ、アボジたちが他の外国人の子育てをサポートし、外国人家庭を孤立させない地域のネットワークづくりに取り組んでいる。こうした取り組みは、いわゆるオールドカマーの在日コリアンと、ニューカマーと呼ばれる新渡日の外国人・民族的マイノリティとの協働モデルであり、今後のさらなる活発な活動に期待が高まっている。当センターからも出席し、祝辞を述べた。(2013.07.14)

オリニウンドンフェ、元気に開催!

24チームに分かれて競い合った
 大阪市生野区、東成区の公立学校に在籍するコリアンの子どもたち(国籍は多様)が交流する第28回オリニウンドンフェが5月19日、地元の小学校で開催された。生野区と東成区内の民族学級(民族クラブ)設置校に加え、未設置校の子どもたちを対象に呼びかけられ、毎年この時期に開催されている。すでに地域行事として定着している。この日も20数校の小中学校の子どもたちが参加、リレーなどの競技で汗を流した。
 行事の途中で雨が降ってくるハプニングもあったが、終始和やかな中で進行した。主催は民族学級の指導に携わる民族講師らの会で、子どもたちに、保護者、教職員らも加わって総勢700人を越える参加者が集まった。激しい競争戦を勝ち抜いて見事優勝に輝いたのは中川小学校。2連覇を果たし、優勝旗を学校に持ち帰った。当センターも後援、協力している。(2013.05.21)

関西吹奏楽コンクール4年連続金賞受賞の建国中高校吹奏楽部が定期演奏会

 韓国系民族学校として67年の歴史を誇る学校法人白頭学院建国中高校の吹奏楽部が5月3日、大阪市住吉区の区民ホールで定期演奏会を開催し、観客を魅了した。
 建国中高校の吹奏楽部は小編成ながら、その最高峰である関西吹奏楽コンクールで4年連続金賞を受賞し、内外から高い評価を受けている。
 建国中高校吹奏楽部では、日々の研鑽の成果を披露するとともに、学校の魅力を幅広く知ってもらうことを目的に、毎年定例の演奏会を開催している。
 この日の演奏会では、クラシックからポップスまで幅広い演目が披露されたほか、隣接する大阪市立大和川中学校の吹奏楽部を招待したジョイントライブも盛り込まれた。また、伝統ある吹奏楽部の卒業生たちが参加した力強い演奏にも会場は興奮に包まれた。
 吹奏楽部長のファンミナさんは部員を代表して挨拶に立ち、「演奏は仲間たちとのチームプレーの成果。楽しみながら取り組めました。私たちを支えてくれている顧問、オモニ、アボジたちにお礼を言いたいです。」と話し、大きな拍手を受けた。
今夏の関西吹奏楽コンクールの5年連続金賞をめざして、さらに特訓が始まるという。(2013.05.08)

高校無償化からの朝鮮学校はずしにNO!3.31全国集会が開催される

約7500名が集会に参加
 民主党前政権がとった政策の目玉の一つであった「高校無償化」が導入されて3年が過ぎた。しかし、各種学校として認可された外国人学校のうち、朝鮮学校だけがこの高校無償化の対象から除外されている状況も3年続いている。現在の自民党政権下は、朝鮮学校への無償化適用を公然と否定しており、そのために省令の改定までなされた。また、朝鮮学校のある自治体が長年行なってきた補助金も、「世論の悪化」等を理由に凍結・カットする自治体が相次いでいる。
 「朝鮮学校はずしにNO!すべてのこどもたちに学ぶ権利を!」をスローガンとした全国集会が、3月31日に日比谷野外音楽堂で開かれ、全国に10校ある朝鮮高校の生徒も駆けつけ、約7500人(主催者発表)が集まった。
 集会には、国会議員や各界の著名人からのメッセージが届けられた。また、TVもよく出られ北朝鮮との交友も深いデヴィ・スカルノさんや、映画「ウリハッキョ」の金明俊監督らが登壇し、朝鮮高校への高校無償化適用などを訴えた。集会の最後に「私たちの決意!」と題するアピール文が朗読、採択された。
 その後、日比谷公園から銀座を経由して、東京駅近くの常盤橋公園までパレードが行なわれた。(2013.04.02)

観客を魅了、建国中高校伝統芸術部の初めての独自公演「舞夢」開催される

舞乙農楽
 韓国系民族学校で今年68年の民族教育の歴史を誇る学校法人白頭学院建国中高校の伝統芸術部が3月20日、初めての自主公演を開催し、話題を呼んだ。建国中高校伝統芸術部は、白頭学院を象徴し、在日3世4世の子どもたちが異国において朝鮮半島の伝統文化を継承することを目的に活動するクラブ。韓国で開催されているサムルノリ競演大会で2007年に大統領賞、2012年に文化観光長官(大臣)賞を受賞するなど、すでに韓国では高い注目を集めている。
 日本においても、文科系クラブや伝統芸術系の全国大会で優秀な成績を収めているほか、東京の国立劇場での公演経験も持っている。
 一方、これだけの成績を残しながら、対外大会などでの演舞が中心で、保護者をはじめ地域の同胞、広く日本人市民にじっくり見てもらう機会を持ってこなかった。そうしたことから、独自公演を開催し、かつそれを契機にさらなる自己研鑽の機会にしたいとの思いもあったという。
 会場となった東成区民センター・大ホールは開場2時間前から人が待っているなど、各地で行ってきた公演を見て、ファンになったという人々が多数駆けつけた。また、ぜひ進学の参考にしてもらおうと、近隣の民族学級の子ども、保護者たちを多数招待し、定員615席はすぐに埋まってしまった。
 演舞では、鳳山タルチュム(仮面劇)をはじめサムルノリ、プチェチュム(扇の舞)、舞乙農楽などが披露され、会場を埋めた観客たちは最初から目を見張る高い技術の数々に、あっという間に魅了されていた。
 公演後、伝統芸術部の金沙耶さん(17歳)は、「練習はたいへんだったけれど、やり終えられて本当によかった。今日の公演は指導してくださったソンセンニム(先生)、保護者たちなどがあってのこそ。私たちの活動を通して、ぜひ自分たちの韓国文化を広く知って欲しいし、建国についても知らせたい。」と語った。(2013.03.21)

各地で民族学級修了式が開催される

大池中学校の修了式

守口市立南小学校の修了式
御幸森小学校の修了式

北中道小学校の修了式
 公立学校に在籍するコリアにルーツのある子どもたちが学ぶ民族学級で修了式が行われた。2月27日、日本でもっともコリアの子どもたちの在籍比率が高い大阪市立御幸森小学校(生野区)の民族学級で修了式が行われたほか、3月1日には北中道小学校(東成区)、3月4日には大池中学校(生野区)、3月6日には守口市立南小学校で行われ、ほかにも各地で修了式や閉講式が行われている。
 御幸森小学校ではすべての在籍児童、保護者、地域からの来賓などと対面式で修了生たちが並び、学校長から一人一人修了証が手渡された。北中道小学校ではこの春卒業する民族学級の6年生たちが本名について学んだことを語り、これからの抱負を語った。
 大池中学校では在校生と卒業生が合同でサムルノリを披露したほか、南小学校では今春卒業生はおらず、たった一人の入級児童のために教職員、クラスメートたちがかけつけ、笑顔をこぼれる修了式が執り行われた。 新年度、4月から5月にかけ、各地の民族学級で今度は入級式や開講式が行われる。(2013.03.07)

多様なルーツを持つ子どもたちが地域社会とアートでつながる実践例を報告

 新宿区に住む外国にルーツを持つ子どもたちと地域社会がアートを通じて協働する取組みを行なっている「しんじゅくアートプロジェクト」が、新宿区との共催で、去る2月24日にシンポジウム「新宿から未来へ-子どもたちと創る多文化共生-」を開催した。地元・新宿区の住民や区職員、NPOはもちろん、静岡や大阪からなど遠方から参加した人たちもいた。
 第一部は、子どもたちによる演劇とダンス。東北の山村を舞台に浄瑠璃で病を治す狐とお婆さんの交流を描いた作品「おこんじょうるり」(原作・さねとうあきら)を、今回用にアレンジした作品を、外国にルーツを持つ子どもたちが演じ、会場の観客たちを惹きつけていた。
 第二部は、「多様性をプラスに・多文化共生の未来」と題してパネルディスカッションが行なわれた。モデレーターの川村千鶴子・大東文化大学教授は、ご自身が大久保・百人町地域で生まれ育った経験から、昔から多文化が息づいていた大久保の街の変遷などについて語られた。新大久保商店街振興組合顧問の森田忠幸さんは、まちづくりの一つとして、歴史ある大久保つつじを再生させていく取組みを、外国ルーツの子どもたちが約7割占めている大久保小学校と共に始めていることに触れられた。その後、会場を含めたディスカッションでは、外国の子どもたちに対する教育に関わる問題点を中心に活発な議論が行なわれた。(2013.02.28)

「新宿区立大久保幼稚園の今後のあり方に関する要望」への賛同署名 活動報告

署名のご協力、ありがとうございました!

 2012年10月24日、当センターホームページに、「大久保幼稚園外国人グループ保護者の会」が作成した「新宿区大久保幼稚園の今後のあり方に関する要望」の書面をアップし、ウェブのほかメール等を通じて賛同署名のご協力を呼びかけました。
 その後、多くの方から署名のご協力を頂きました。当センターに寄せられただけで233筆集まりました。この場を借りて、心より感謝申し上げます。頂いた署名は全て、署名を主管する団体に伝達しました。
 また、お問い合わせも多く頂きました。このことは、大久保幼稚園が廃園になるかもしれないということが、多くの方の関心を集めるほど重大な問題であることをあらためて示したものと思います。

「(新宿)区立幼稚園のあり方の見直し方針(案)」が見直し、2017年度まで決定先送りに

 今回の大久保幼稚園が廃園対象とされたのは、2012年8月に新宿区の政策経営会議及び教育委員会が発表した「区立幼稚園のあり方の見直し方針(案)について」で明らかになりました。この方針(案)では、9月に保護者や地域への説明会を行ない10月には方針決定と、2ヶ月という非常に短い期間で決めようとするものでした。
 それに対して、大久保幼稚園だけでなく、他の廃園対象となった3つの区立幼稚園においても、子どもを通わせる保護者や地域住民から、この方針案に対して多くの反対の声が挙がりました。
 区議会議員もこの問題を取り上げ、2012年9月の区議会第3回定例会で、廃止対象園の保護者から提出された「今後のあり方については、保護者・区民の意見を十分に聞き、拙速に進めることのないようお願いいたします」という趣旨の陳情が採択されました。結局、方針決定を予定していた10月の教育委員会では決定が見送られました。
 そして2013年2月14日付で、教育委員会が方針案について、実行計画のローリング(見直し)を行なうことを決定しました。2014年度までは区立幼稚園の廃園は先送りされ、2015年度に方針決定するとされました。

一部の署名提出は保留に。今後新たな要請行動へと進む予定

 その決定を受けて、幼稚園廃園決定に反対してきた保護者らのグループらは、関係者との相談した上で、まだ提出をしていない賛同署名分は、現段階では提出を保留にすることとしたそうです。
 署名の主管団体の方から、当センター東京事務所宛に、
「大久保幼稚園の存在の意義と存続を願う私達の気持ちに、ご協力とご賛同を頂いた方々に、心からの御礼をお伝えします」
「お預かりしているご署名は提出には至っていないものもございます。勿論、今後の新たな署名書を作成しそれを提出する際に、このご署名書も現在の皆さまのお気持ちを代筆した書面を付け、同時に提出したいと思いますので、今後も大切に保管していきます。ご安心下さい。皆さま方々のお気持ちを無にすることが決してないように、後々の役員にも引継ぐように伝えて行きたいと思っています。」
「今年度は、2015年度に向けてどの様に活動していくか、国の動き・区の動きはどうなるのかを見守っていきたいです。そして、未就園児をどれだけ大久保幼稚園に引き寄せられ、入園希望者が減少しないようにしていくのかを考え、保護者もどの様に幼稚園に関っていけるかを考えていきたいです。」
「また、今後も引き続きの応援と新たな署名活動を行う際のお願いをしたためたものを、今後文書にてお渡しできればと思っております」
などのメッセージを頂きました。

 当センターは、今回の要望書の署名協力を呼びかけた立場として、署名にご協力くださった方々に、以下の3点へのご理解をお願いする次第です。
  • 当事者の方たちが廃園の見直しを求めて努力し、区側の決定を一旦先送りにさせるという成果を得たこと
  • 今後の運動の方向性を熟慮した結果、今回の要望書への賛同署名から、新しい形態の運動に変更する必要性があること
  • 未提出となっている署名が一部あるが、それは大切に保管し、今後しかるべき状況になったときに提出する予定であること

 今回の大久保幼稚園の廃園対象問題に対して、要望書への賛同署名にご協力くださった方をはじめ、関心を注いでくださった方にあらためて感謝申し上げます。
 今後また新しい動きがあれば、この当センターホームページでお伝えしていきます。(2013.02.22)

関連情報リンク




韓国京畿道議会議員と教育庁職員らが民族学級を訪問

御幸森小学校を訪問
 韓国の首都ソウルから最も近い自治体である京畿道の議会議員と教育庁職員が1月24日、大阪市立御幸森小学校を訪問し、民族学級の現状について聞いた。在日韓国人の教育事情の視察のために訪れた一行は、民族学校や韓国教育部の出先機関である教育院などを訪問したが、その過程で日本の公立学校に通う在日コリアンの教育事情について知るべく民族学級を訪問した。
 旅程の関係上、御幸森小学校を訪問したのは午後5時ごろであったために、通常の授業風景等は視察できなかったが、授業の様子を録画した映像、そして民族講師、学校長から説明を受けた。
 議員の一人は、「京畿道の小中学校には外国にルーツを持つ子どもたちが多数通っている。ぜひ日本での経験を参考に教育施策に役立てて行きたい」と語った。(2013.01.28)

多言語社会を担う高校生たち、母語でスピーチ『Wai Wai!トーク』開催

 大阪の府立高校に在籍する外国につながる生徒たちが出場し出身国や父母、祖父母から継承する多言語でスピーチする『第11回WaiWai!トーク』が1月19日、大阪府立住吉高校で開催された。大阪府立学校外国人教育研究会が主催したこの行事は、外国につながる生徒たちが出身国の言語を継承し、2ヶ国語や3ヶ国語の能力を生かして、進路の開拓に役立ててもらうことをめざしている。
 この日は7校に在籍する17名の生徒が中国語、フィリピノ語、ロシア語、英語、韓国語でスピーチし、これからの目標、出身国と日本の文化のちがいなどについて書いた作文を発表した。
 出演者の中から5名が特別賞に選ばれ、うち1名は2月の府立学校人権文化祭でも発表する。外国人の生徒たちが自尊感情を高め、出身国と居住国の両方の文化的素養を培って行く取り組みとして、その意義は深い。今回は1年生が出場した。6月には2年生、3年生を対象にした『Wai Wai!トーク』も開催される。審査員に当センター金光敏事務局長が加わっている。(2013.01.20)

民族学級で発表会 子どもたち元気に!!

舎利寺小・民族学級の発表会
北中道小・民族学級の発表会
 大阪の公立学校に設置されている各地の民族学級で発表会が開催された。日本でもっとも多くのコリアンが居住する大阪市生野区の舎利寺小学校で12月7日、民族学級発表会が開催された。2学期以降、民族講師の指導を受けて練習を積み重ね来た舞踊、プンムルなどを全児童、そして保護者、地域の人々が参観する中で行われた。演劇では、伝来童謡の「トッキ(うさぎ)伝」が披露され、子どもたちの絶妙の演技に会場は笑いに包まれるなどした。
 同日午後からは東成区の北中道小学校民族学級の発表会も開催された。北中道小学校は済州島と交流していて、先日文化グループ「トゥルナヌム」のメンバーから駆けつけ指導を受けたばかり。その成果を惜しみなく発揮した。上級生らによるプンムルでは「サジャ(獅子)」が登場し、低学年らの子どもたちを喜ばせた。(2012.12.15)

外国にルーツを持つ子どもたち、保護者、地域の人たちがみんな集まって“国際交流会”

カラオケで熱唱
 去る12月8日、新宿区立大久保地域センターにて「国際交流会」が開かれた。この交流会は、子育て支援等を行なうNPO法人「みんなのおうち」が中心となって開かれたもので、今年6回目。「こどもクラブ新宿」や、「しんじゅくアートプロジェクト」に集う子どもたちや友人、卒業生、保護者、大久保地域の関係者、ボランティアの人たちなど、100名以上もの人が集まり交流を楽しんだ。
 この日は昼から保護者やボランティアの方たちが料理を準備し、テーブルにはフィリピン料理やミャンマー(ビルマ)料理など多国籍な品目で彩られ、前方のステージではしんじゅくアートプロジェクトのダンスチームのダンス披露や、カラオケなどの余興がひっきりなしで、会場はずっと賑わっていた。
 こどもクラブ新宿は、新宿区に住み外国にルーツのある小5~中3の子どもたちに対して無料で学習支援を行なう教室で、新宿区の委託を受け毎週火~土曜日の夜に授業を行なっている。現在子どもたちは約50名で、国籍は中国、フィリピン、タイ、ミャンマー(ビルマ)などアジアが大部分、ガーナ出身の子どももいる。日本語教育と教科支援を通じて公立学校の授業についていけるようにサポートし、とくに中3の子どもたちに対しては高校進学ができるように細やかな対応をさまざま行なっている。
 教える先生は全員ボランティア。交通費(一回1000円)の支給とボランティア保険加入費は新宿区が支援している(概要及びお問い合わせ先は、新宿未来創造財団のホームページ)。金朋央・当センター東京事務局長もボランティアに加わっている。(2012.12.12)

済州トゥルナヌム 故郷の風を子どもたちに

13日、小路小学校にて
12日、太平寺中学校にて
 韓国済州島で活躍する文化芸能グループ「済州トゥルナヌム」が大阪の公立学校を訪問し、学校公演を行った。済州トゥルナヌムは、朝鮮半島の伝統芸能を継承し、その指導にあたっているグループ。今回は、去る11月11日に行われた生野コリアタウンまつりへの出演のために来日した。
 大阪には済州島出身者が多いことから、昨年初めて来日公演を行ったが、その際、好評を博したことから、再度の来日公演となった。生野コリアタウンまつりはあいにくの雨となったが、訪問客らを魅了する演技が披露され拍手喝さいを浴びた。
 一日の公演だけではもったいないと、今年も地域の小中学校を回った。済州島にルーツを持つ子どもたちが多数通う東大阪市立太平寺中学校で12日、同じく大阪市立小路小学校(生野区)で13日、学校公演を行った。
 また、太平寺中学校での公演では、地域の在日一世、二世の高齢者施設であるサランバンからオモニたちも多数かけつけ、故郷を懐かしんだ。(2012.11.18)

韓国の子どもたちが集まる『チャプチョ教室』で、初めての特別授業

熱心に耳を傾ける子どもたち
 新宿区に住む韓国の子どもたちの学習支援教室「チャプチョ教室」が開講から早や半年以上が過ぎた10月24日、特別授業が開かれた。普段は学校の勉強を学んでいる子どもたち、あるいは教える大学生ボランティアたちが、現在の関心事や今後の希望についてショートスピーチを行なった。
 チャプチョ(ハングルで「雑草」)教室は、韓国にルーツを持つ子どもたちが日本の学校で楽しく学習に参加できるようにサポートする場を望んでいた新宿区在住のオモニ(韓国出身のお母さん)たちと、教師や研究者、市民団体メンバーが協力して、今年3月に開講した。当センター東京事務所と同フロアの文化センターアリランにて、毎週水曜日午後6~8時に授業を行なっている。参加している子どもたちは現在約10名で、小学校高学年から大学受験生までにわたり、韓国生まれの子も日本生まれの子もいる。講師は全員ボランティアで、国際理解教育に関心を持つ大学生が大勢参加している。
 この日に行なった特別授業は、ボランティア講師が持つ社会経験を子どもたちに伝えることで、普段の学校の勉強とは異なった価値ある学びを行なうことを目的に企画された。当初は大学生ボランティアからの発表だけを想定していたが、子どもたちの中から「自分も話す」という声が挙がり、それぞれ2名ずつ、計4名が5~10分ほど自らを語った。
 話されたテーマは、国際協力の実践経験、銃に関心があること、星座について、大学院進学から得た信念など実に多岐にわたったが、出席者は皆真剣な面持ちで話を聞き、質問を出していた。この特別授業は今後も時々行なっていく予定だ。
 チャプチョ教室では、子どもたちに勉強を教える講師ボランティアを常時募集している。登録・シフト制なので毎週出席できなくても担当は可能だ。詳細の問合せは、当センター東京事務局まで。(2012.10.25)

第62回関西吹奏楽コンクールで白頭学院建国高校、大阪朝鮮高級学校が金賞受賞

大阪朝鮮高級学校吹奏楽部
建国高校吹奏楽部
 関西地域でもっとも大きな吹奏楽コンクールである関西吹奏楽部コンクールが19日、兵庫県尼崎市のアルカイックホールで開催され、大阪代表として出場した学校法人白頭学院建国高校吹奏楽部と学校法人大阪朝鮮高級学校吹奏楽部がそろって金賞に輝いた。
 このコンクールは、吹奏楽小編成の部としては地域最高峰となる大会だ。本大会には、関西6府県から地域予選を勝ち残った16校の強豪校が出場し、大阪代表として建国高校と大阪朝高が選出されていた。また、京都代表として京都朝高も出場した。
 建国高校はこの大会の常連校でここ近年7連続で出場を果たしている。さらに過去3年間連続で金賞を受賞しており、注目度は抜群だった。大阪朝高や京都朝高は、民族色豊かな演奏が異色で、他の出場校とはちがう独特の趣があった。
 数百校に及ぶ出場校のうちから金賞に輝いたのは5校、建国高校と大阪朝高が見事栄誉に輝いた。京都朝高は銀賞受賞だった。建国高校の4連続の金賞受賞に会場が沸き、審査員からの評価ものきなみ高かった。
 小規模の民族学校が対外活動で成果を収めることは容易ではない。学力や民族的素養に加え、学校が取り組んでいるこうした活動にもぜひ注目をしてほしい。(2012.08.22)

おおさかこども文化センター設立1周年記念セミナーが開催される

猛暑の中、約100人が集まった
 大阪府内の外国人の子どもに携わる教員や地域サポーターが互いに連携し、子どもを支える多様なセーフティネットをめざす「おおさかこども多文化センター」の発足1周年を記念するセミナーが7月16日、大阪市中央区で開催された。
 セミナーの1部では、外国からの渡日生徒を特別枠で受け入れている大阪府立高校の卒業生が出演、高校入試や高校生活の思い出を語った。タイ出身で長吉高校を卒業したHさんは、「家族の手伝いをしなければならなくて、高校進学をあきらめかけたこともあった。でも、高校に進学し、卒業もできた。先生方の支援で僕は支えられた」と語った。また、フィリピン出身で門真なみはや高校を卒業したFさんは「日本に来た中学校2年生の頃は本当に苦労もした。でも、あの経験が自分自身の成長につながった。いまは介護福祉士として働いている。もっと日本社会に貢献したい。」と語った。
 2部では、パネルディスカッションが行われ、外国人の子どもの学力などの支援に取り組む「こどもひろば」の鵜飼聖子さんは「日本にやってきた子どもの中には、社会のなんらセーフティネットにひっかからず学齢期を終える子もいる。こどもひろばはそれぞれの思いを持ち寄れる場所をめざしている」と述べた。 門真なみはや高校教員の白石素子さんは「子どもの生きる力を育むために、外国人生徒に出身国の言語や文化を大切にすることを学校教育の柱に据えている。入学当初に他の生徒らの前で母語で話す機会を持っているが、それを経ると生徒の表情が変わる。」と語った。
 朝日新聞記者の浅倉拓也さんは「日本政府は、外国人を日本社会の安全弁や調整弁として都合よく使っている。しかし、外国人の子どもたちが多言語を生かすことができれば、日本社会にとっても有用な人材となるはず。そうした教育支援策が必要だ」と述べた。 おおさかこども多文化センターの安田乙世さんは「外国人の子どもに携わる多様な人々が互いに連携し、子どもの自立を重層的に支援できるネットワークを広げたい。外国人の子どもたちが自ら主体的に将来を切り広げられるような社会の受け皿にめざしたい」と語った。 このパネルディスカッションの進行を当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長が担当した。(2012.07.17)

超過滞在状態の子どもが就学していても、教育委員会の通報義務は柔軟対応可能

在留資格に関わらず、子どもの教育権は当然保障される
 移住連(移住労働者と連帯する全国ネットワーク)に対する日本政府の答弁を通して、在留資格の有無に関わらず、外国人の子どもは公立学校に就学することができるとの見解が示されているが、出入国管理及び難民認定法に基づく超過滞在者に関わる公務員の通報義務について、人権擁護、職務遂行という公益観点から、通告しなくても法律違反に問われないとの見解が示され注目を集めている。
 移住連が発刊する機関紙「Mネット」7月号によれば、2009年の国会付帯決議「在留カードまたは特別永住者証明書の有無に関わらず、すべての外国人が予防接種や就学の案内等の行政上の便益を引き続き享受できるよう、体制の整備に万全を期すこと」については、「(付帯決議の)この方針は「新たな在留管理制度」の導入後も変わるものではない」(昨年12月16日内閣総理大臣答弁書)と確認された。
 さらに、「公務員に通報義務が課せられているが、通報義務を履行すると行政目的が達成できないような場合には、人権擁護、職務の遂行という公益の観点から、告発義務違反には問われない」という政府見解も示された。
 これにともない、在留資格がない場合も、子どもの教育権は最優先されることが確認され、公立諸義務教育学校にこれまでどおり、就学することができることが明確になった。在留資格のない子どもの公立学校就学に躊躇する自治体があるが、正しい理解のもとに教育権は優先されるのだという認識が広がるよう啓発する必要がある。(2012.07.04)

韓国淑明女子大学の学生らが、民族学級見学

小路小学校の民族学級を見学
 淑明女子大学国語国文学科の学生ら7名が6月25日、民族学級などの現場訪問を行った。韓国の淑明女子大学では、学生たちからのプロジェクト提案を受け旅費などを支援するシステムがある。今回、学生らはこのシステムを利用して大阪に訪れた。大阪での現地研修を当センターが担当し、在日コリアンの教育問題を中心に研修支援にあたった。
 民族学級見学に訪れた大阪市立小路小学校では、6年生の授業風景を見学、子どもたちが朝鮮通信使について学ぶ姿を眺めた。また、子どもたちにウリマルで話しかけるなどの交流も行った。授業終了後、民族講師と担当教員と意見交換し、公立学校の現場で取り組まれる民族学級の特徴などについて説明を受けた。また、この後、大阪市立東生野中学校夜間学級を訪問し、在日一世、二世のオモニたちと交流した。学生の一人は「韓国で考えていたことと全然ちがった。自分たちがあまりにも知らなかった。今回の研修をぜひ大学に報告して、より多くの人々に知ってほしい」と語った。(2012.07.03)

外国人生徒らの母語による弁論大会「Wai Wai トーク」が開催される

19名の生徒が登壇し、スピーチ
 公立高校などに通う外国人生徒らが、母語による弁論大会「Wai Wai トーク」が6月30日、大阪府立住吉高校で開催された。この行事を主催しているのは、大阪府立学校外国人教育研究会。外国人生徒たちが自らの出身国や家族の言語である母語や母文化を肯定的に受け止め、その能力も生かしながら進路開拓に臨めるよう支援することを目的に開催されている。
 今回は19名の生徒たちが出場。中国、フィリピン、韓国、アフガニスタン、ブラジルの生徒らが弁論を繰り広げた。生徒たちは、作文執筆から始め、その翻訳、暗記、読み上げ練習などに取り組み、満を持してこの日を迎えた。会場には、出演生徒を応援しようと同級生たちが家族たちが多くかけつけた。大阪は他都市に比べると、外国人生徒の高校進学率が高い。外国出身生徒に対する特別枠制度があるほか、入学後のサポートも進んでいる。こうした取り組みが、他都市の先行事例になって行くことに期待が高まる。(2012.07.03)

同保連が大阪の民族教育をテーマにパネルディスカッション開催

テーマは「どうなる?大阪の民族教育」
 民族学級の保護者らで運営される同胞保護者連絡会が7月1日、大阪市東成区で定期総会とパネルディスカッションを開催した。この日のテーマは、大阪の民族教育の今後。民族学級や民族学校がいまどのような課題を抱えているのか、どのような展望を持っているのかを出し合った。
 同胞保護者連絡会では、民族教育を親の立場から考えるさまざまな行事に取り組んでいる。高用哲(コウ・ヨンチョル)会長は「保護者自身が互いに学びあう関係作りを今後ともめざしたい」と語った。(2012.07.03)

コリアにルーツのある子どもたちに寄り添う教育の担い手を探しています

民族教育人材バンクの開設

 当センターでは、公立学校に在籍するコリアにルーツのある子どもたちや民族学校に携わる民族教育の担い手を探しています。
 当センターは設立以来、民族的出自を肯定的に捉え、自尊感情を育む子どもたちの“育ち”を支援してきています。とくに、民族教育の制度化が不十分な公立学校に通う子どもたちの場合、コリア文化について知る機会は限られ、多くが出自を隠して学校生活を送っています。
 そうした子どもたちの人権としての教育を保障するために、当センターは民族学級の増設や実施に関わってきました。民族学級とは、公立学校に設けられたコリアにルーツのある子どもたちが、家族のルーツ、民族的素養について学ぶ課外学級です。現在、大阪の公立学校約180校(名称や形態は多様)に開設されています。
 当センターでは、民族学級の現場で子どもたちの“育ち”と“学び”を盛り上げてくれる民族講師を探しています。私たちが探す人材とは以下のような方々です。

  • 民族的出自を肯定的に捉え、自尊感情を育む民族教育の活動に理解のある方
  • 人権を尊重し、本名や民族名を大切にされている方
  • コリアにルーツのある方(国籍は問いません)
  • 教育現場が政治的・宗教的中立であるべきことを尊重できる方
  • 経歴や学歴は問いません。但し教員免許を保持されている方をなお歓迎

 当センターの民族教育人材バンクにご登録いただきますと、関係機関への紹介や、教育行政の行う民族講師公募の情報を提供し、採用試験のサポートをさせていただきます。ただ、ご登録いただければ自動的に職を紹介するものではありません。
 また、教員免許がおありの方については、民族学校での教員募集応募についてもサポートいたします。関心のある方は、当センターの事務局(TEL 06-6711-7601)までお問い合わせください。人材バンクの趣旨説明と、必要に応じて面談させていただきます。
 多民族・多文化時代を担う子どもたちの“育ち”と“学び”に寄り添う方々のアクセスをお待ちしています。


在留資格なくても子どもの教育権は優先、近々自治体に文部科学省から通知

 7月9日から施行される新しい在留管理制度に合わせ、外国人の子どもの教育環境にどのような影響があるのか、関係者の間で心配する声が高まっている。とりわけ、オーバーステイ(超過滞在)状態にある子どもが、管理制度の強化によって就学できない状態に陥るのではないかとの懸念が広がっている。
 去る6月6日、在留外国人の権利擁護に取り組む移住連(移住労働者と連帯するネットワーク)の質問に文部科学省は答え、住民基本台帳に基づく把握ができない場合であっても、教育委員会で就学年齢に該当する子どもの情報を把握していれば、就学案内を送付することとし、在留カードの提示ができない場合であっても、一定の信頼が得られると判断できる書類で住所地確認ができれば、就学について柔軟対応ができると表明した。
 文部科学省はこうした内容を含んだ通知書を近々、都道府県に出すとしてしている。
 一部、自治体から在留カードの提示がない場合は、外国人の子どもの就学を認めないとする意思表示がなされており、現在在籍中を含んで在留資格のない子どもたちが、学校教育から排除されかねない問題が懸念される。在留資格のいかんに関わらず、子どもの教育権は優先されるという方針が日本政府から正式に示されることは重要。通知内容について、できるだけ自治体が対処しやすい言明の仕方に期待したい。(2012.06.26)

快晴の中、オリニウンドンフェで子どもたちの歓声が響く

みんなで力いっぱい綱をひく
親子でハングルを読みながら
 コリアンの集住地域である大阪市生野区、東成区内の公立小中学校に在籍するコリアンの子どもたちを対象に、毎年恒例のオリニウンドンフェ(子ども運動会)が5月20日、大阪市生野区で開催された。オリニウンドンフェは今年27回目を迎える恒例行事だが、雨やインフルエンザなどの影響で、今年4年ぶりの開催となった。両区内から約430名の子ども、そして保護者、教員、民族講師らあわせて総勢700名を越える参加者が集まった。
 オリニウンドンフェでは、地域の民族学級講師たちが創意工夫を凝らした競技が準備された。特に、激辛イルム(名前)スギ(書き)は、子どもたちがまず自分の民族名を書き、そのあとキムチをほうばるというもの。民族学級の取り組みや各チームのリーダーから事前に学んだハングルの名前を書いて大きなキムチを口にする姿は、保護者たちの笑顔を誘っていた。
 昼休みには、各グループごとに車座になって弁当を食べ、保護者たちが準備した焼肉を味わった。午後からは午前中ののどかな風景とはうってかわり、激しい力で競い合った綱引き、卒業生、保護者、教員まで加わったチーム対抗リレーなど会場がいっきに興奮に包まれた。大会を制したのは北巽小学校(生野区)から参加したチームで、優勝フラッグが手渡された。
 家族で参加したある保護者は「とても面白かった。これって一年に一度だけなんでしょうか。子どもたちの喜ぶ姿がみれてとてもよかったです。」と語った。オリニウンドンフェを主催したのは大阪市民族講師会。当センターが後援している。(2012.05.23)

子どもたちがアートを通じて多文化共生へ~しんじゅくアートプロジェクトが開所式

子どもたちの写真作品が壁に展示
 様々な文化的背景を持ち新宿に暮らす住民、とくに外国にルーツを持つ子どもたちが、アートを通じて自己を表現し共同作業を通じた相互理解、地域参加型の多文化共生サービスを提供することを目指す非営利団体「しんじゅくアートプロジェクト」の事務所開所式が4月29日に開かれた。この日は中山弘子・新宿区長が出席し、主催者の一人として挨拶。ほかにも区議会議員や、区役所および関連施設の職員、地域団体関係者が集まり、アートプロジェクトの関係者や子どもたちも含めて30名以上が集まった。
 「新宿アートプロジェクト」は、2009年9月と10月に国際交流基金、NPO法人「みんなのおうち」などが共催した映像政策ワークショップをきっかけにして活動をスタートし、今年度は新宿区との協働事業として行なわれることとなった。
 開所式では、大久保の街をまわって撮影した写真を立体模型に組み立てる「フォトモ」など、これまでの3年間に子どもたちが制作した多様な写真・映像作品が紹介された。
 同プロジェクト・スタッフの海老原周子さんは、「今年はさらにダンスなど身体を使った表現も取り入れた作品をつくっていく予定だ」と語った。(2012.05.02)

滋賀県でも「虹の架け橋事業」開始

コレジオ・サンタナの教室で勉強
 文部科学省がIOM(国際移住機関)に委託し、全国の公共団体が実施する今年度の「虹の架け橋事業」が始まった。
 滋賀県内では愛荘町のコレジオ・サンタナと近江八幡市の日本ラチーノ学院の空き教室を借りて実施されており、周辺地域から学校に通っていないなどの子どもたちが就学支援教室で学んでいる。
 「虹の架け橋事業」は、義務教育年齢にもかからず、どこの学校にも在籍せずにいる「不就学状態」にある外国人の子どもたちを対象に実施され、公立学校や外国人学校への就学を促進するための取り組みだ。2008年末のリーマンショックによって外国人家庭の困窮が深刻化、学費負担が難しくなることでブラジル学校に子を送れない家庭が急増、不就学の子どもたちへの関心がさらに高まった。これを受けて文部科学省は、現場従事者や有識者らの意見を踏まえて2009年から「虹の架け橋事業」を予算化した。
 去る4月20日、愛荘町のコレジオ・サンタナの空き教室でブラジルの子どもたち5名が専門の講師から指導受け、日本語学習に取り組んだ。中には、初めて日本語を学ぶ子どももいて進度はまちまち。講師が一人一人のレベルに合わせて学習支援にあたっていた。
 コレジオ・サンタナの中田・ケンコ・ロザリンダ校長は、「地域にはまだまだ学校に通えず、一日中家にいたり、生きる意欲も失いかけている子どももいる。そうした子どもたちの支援に役立てば」と語った。 (2012.04.22)

公立学校の保護者たち、民族教育について語る会が開催

意見交換後に懇親会を開く
 大阪市内を中心に民族学級に子どもを通わせている保護者たちが相互に交流し、学習する第三回保護者マダンが4月7日、大阪市生野区のKCC会館で開催された。保護者会活動の悩みや、保護者の立場から民族学級を支える方策について意見交換し、民族教育の輪を広げることを目的に取り組まれている。
 この日の1部では、先日大阪府議会で可決され、大阪市会でも採決が予定されている「教育基本条例」について講演を聞き、それによって在日コリアンの民族教育にどのような影響を出てくるのかなどについて意見を交わした。2部では、軽食を取りながらの懇談となった。この行事を主催したのは、同胞保護者連絡会など。主催者はテーマを変えながら、学びあえる交流を今後とも続けたいと語っている。(2012.04.09)

春、民族学校でも入学式、小学一年の子どもたちが「ネ(はい)」

建国小学校の入学式
 4月になっても肌寒さが残る4月7日、各地の民族学校でも入学式が行われた。大阪市住吉区の学校法人白頭学院建国小学校では、新入生たちがそろい、新しい学校生活の始まりに心躍らせた。
 白頭学院は1946年創立の民族学校で、学校教育法第1条に規定された学校だ。日本の学習指導要領と韓国の教育課程を生かした特色ある民族教育に取り組んでいる。この日は、建国幼稚園をはじめ各地の幼稚園、保育園から進学してきた子どもたちが、少し大きめの標準服(制服)に身をつつみ、緊張した面持ちで入学式に望んだ。
 崔哲培(チェチョルベ)校長は式辞で、「本校を選んでくださった保護者の皆様に感謝し、本校を信じて子どもの成長を安心を持って見守って欲しい」と呼びかけ、「児童のみなさん、楽しい勉強、遊びにいっしょに取り組みましょう」と語りかけた。この日、白頭学院建国中高校の入学式も行われ、白頭学院以外にも、学校法人大阪金剛学園、学校法人コリア国際学園などでの在日系学校においても入学式が行われた。(2012.04.09)

東北のウリハッキョ、震災を乗り越え、元気に卒業式

センターから寄付金を伝達
東北朝鮮学校の生徒・教職員たち
卒業生と校長が固い握手

 東日本大震災による甚大な被害を受けた仙台市の東北朝鮮初中級学校で3月25日、2011年度の卒業式が行われ、一人の卒業生を輩出し、朝鮮高級学校へと送り出した。
 2011年度の卒業生は金怜華(キムリョンファ)さん一人。金さんは、「震災でつらい思いもしたが、多くの人々に支えられて今日を迎えた。東北ハッキョで学んだことを生かし、在日社会に役立つ大人になりたい」と抱負を述べた。
 尹鐘哲校長は、「朝日友好に寄与する朝鮮学校の役割をしっかりと認識して、小さい学校だが民族教育の場を守りたい」と意欲を語った。
 卒業式には、全国の朝鮮学校をはじめ多くの国会議員、地元議員、そして大学教授、市民団体から応援のメッセージが届けられた。センターからも義援金10万円を送った。これで被災地の民族学校への義捐金送付は80万円となった。東日本大震災により主要校舎が全壊、その後隣接する寄宿舎の空き部屋を臨時教室にして続けられている。今年中の新校舎建設をめざして、理事会では作業を進めるとする。ぜひ全国からの支援の輪に期待したい。(2012.03.26)

戦後直後から80年代末まで守口市の民族教育を支えた玄尚好ソンセンニムの書

力強さの中に繊細さが
あふれる玄先生の書

玄先生の色紙を手にする
校長先生
 1948年の4.24阪神教育闘争(戦後すぐに創設された朝鮮人学校への文部省の強制閉鎖に朝鮮人たちが抗った事件)を契機に、各地の公立小中学校に開設された民族学級(当時は特設学級や朝鮮語学級などの名称)。守口市立第二中学校に民族学級が生まれた1950年当初から、退職される1988年まで民族講師として勤務された玄尚好(ヒョンサンホ)ソンセンニムの書が見つかった。
 玄ソンセンニムの書を持っていたのは、第二中学校現校長の南修治先生。南先生は大学卒業後、最初に赴任した第二中学校で玄ソンセンニムと出会った。今回、見つかった書は南先生が転勤する際に、玄ソンセンニムが南先生に寄せて書いたもの。苦楽を共にした同僚が転勤していくことを惜しんでのものと見られる。色紙に毛筆で力強くダイナミックな文字で「瞑想」と書かれ、南先生は「まだ若かった私は体力に満ち溢れ、全力で毎日の仕事にとりあたっていた。しかし、その中で見逃したり、気づかなかったことも多い。玄先生は、まだ若い私に一呼吸おいて仕事にあたれとのメッセージで伝えたかったのでは。」と語った。
 玄ソンセンニムの色紙は、去る3月8日に行われた第二中学校の民族学級修了式で紹介された。いまは故人となられた玄尚好ソンセンニムを偲び、そして民族学級の歴史を感じさせる南校長先生の話に、生徒たちや教職員たちも興味深く耳を傾けた。
 終始定年まで第二中学校に勤務した玄ソンセンニム。後半は民族学級の指導は行わず、習字の授業を担当した。玄先生の書は、守口市の民族教育史を語る上で貴重な資料であり、文化財とも言える。(2012.03.10)

各地で民族学級の修了式が執り行われる

大阪市立小路小学校の修了式

大阪市立大成小学校の修了式

大阪市立中川小学校の修了式

守口市立第二中学校の修了式
 年度末をむかえ、各地の小中学校では卒業式や終業式の準備に慌しいが、民族学級にも卒業式や修了式があり、今年も多くの児童生徒が民族学級での学習課程を終えた。
 朝鮮半島にルーツを持つ児童在籍数が公立小学校として最も多い学校の一つ大阪市立中川小学校(生野区)の民族学級修了式が3月6日に行われ、卒業を控える6年生が民族学級での学習成果と中学校進学後の抱負を語った。児童の一人は、「中学校にあがっても、ウリマル(母国語)学習に努力し、韓日の架け橋になる仕事につきたい」と夢を語った。
 3月7日、自主民族学級として始まり40年以上の歴史がある大阪市立大成小学校(東成区)の民族学級ホランイ(虎の意)では、高学年の入級児童がいないことから在校生たちだけで一年の学習をしめくくった。民族学級の児童らが競い合うウリマルカルタ大会への出場など、一年の思い出を振り返り、新学期になっても新たな気持ちで民族学級で学ぼうと呼びかけあった。
 3月8日、国際理解の学習と民族学級の修了式を同時で行った大阪市立小路小学校では、朝鮮半島にルーツのある子どもが学ぶ民族学級の授業時間に合わせ取り組まれる国際理解で学んだ成果を日本人児童が報告した。代表で挨拶した日本人児童は、「小路小学校で最も身近な朝鮮半島の文化に触れ、友だちのことをより深く理解し、自分たちのまちの特色についても学んだ」と語った。
 一方、在日コリアン少数地域ながら、民族学級に取り組んでいる守口市立第二中学校の民族学級が同日、民族学級修了式を行った。来る卒業式で学校を巣立つ3年生の生徒を送り出すセレモニーなどがあった。今回の卒業するコリアンの生徒は、小学校時代から合わせ9年間の民族学級生活を終え、9枚の修了書を持っていると語った。後輩たちに「ぜひ第二中学校の民族学級を盛り上げて楽しい交流や勉強をしてほしい」とメッセージを述べた。ブラスバンド部によるリムジンガンの演奏や、ゆず茶が振舞われ、応援にかけつけた他の生徒たちが予定以上に多く集まり、会場となった音楽室には座席が出せず教職員たちは立ちながら、子どもたちを見届けた。
 特色ある子どもたちの民族学級での学びを生かすことのできる共生社会の創造に期待がかかる。(2012.03.10)

大阪・中学校民族学級生徒らがクイズ大会でしのぎを削る

みんなで相談しあって回答を発表
 大阪府内の公立中学校に設置されている民族学級(朝文研など名称は多様)の子どもたちがグループに分かれて、朝鮮半島の文化や歴史などのクイズに答えるイベントが開催された。
 韓国民団大阪本部と大阪韓国教育院が主催する中学生ウリマルイヤギ・クイズ大会が2月18日、大阪市生野区の市立大池中学校の体育館を借りて開催された。大阪市、東大阪市内の中学校から27グループが参加し、朝鮮半島の文化、風俗、歴史などを題材にしたクイズで盛り上がった。
 この取り組みは、中学校の民族学級どうしの交流と日々の学習成果を発揮する機会にと企画された。出題された設問は、企画担当となった民族講師らがすべて自主考案したもので、子どもたちは六感、山勘で難問、奇問を回答していった。
 見事優勝したのは、大阪市立勝山中学校。主催者側では、毎年開催したいとしている。(2012.02.27)

ドイツ・ハンブルク大学の学生が、朝鮮学校を訪問

授業を見学するニコさん(右から2人目)
 大阪市の姉妹都市で、大阪市立大学と姉妹校提携しているドイツ・ハンブルク市のハンブルク大学4回生ボーンザック・ニコさんが2月24日、大阪市生野区の生野朝鮮初級学校を訪問、児童たちと交流した。ニコさんは日本語専攻の学生で、昨年9月から3月まで交換留学生として大阪市立大学に通っている。大学の授業で世界の少数民族問題を研究した際、在日朝鮮人問題に触れ、それがきっかけで朝鮮学校の訪問を希望していた。当センターが仲介役を引き受けた。
 生野朝鮮初級学校では、授業参観のほか子どもたちと触れあうなどの機会を持った。また、李昌受(イ・チャンス)教頭から学校の現状についての説明を受けた。
 ニコさんは、「また日本に来て朝鮮学校の子どもたちと交流したい。役に立つならば、ドイツ文化について学ぶボランティア講師としてお手伝いしたい。」と述べた。 (2012.02.27)

第10回大阪朝高美術展が開催

オリジナリティあふれる作品が展示
 大阪朝鮮高級学校の美術部による定期作品展示会である「大阪朝高美術部展」が14日から19日まで大阪市生野コリアタウン内のギャラリー渡来で開催されている。美術部員8名による11作品が展示され、独創性に富み、自由闊達な力強い作品が印象的だ。
 美術部長で3年生の孫理換(ソンリファン)は、「技術的な部分よりも作品の奥底に秘められたメッセージに触れて欲しい」と語り、「作品は作者の鏡だと考え、見る人の感じ方をイマジネーションしながら製作にあたった」と説明した。また、出展作品があり、芸術系大学への進路が決まっている3年生の金祥花さんは、「持続的に取り組まれてきた美術部の作品づくりをぜひ多くの方々に見ていただきたい」と述べた。会場では、朝高美術部員の作品を絵葉書にしたものが販売されており、その売上を東日本大震災の被災地に送るとしている。
 ダイナミックで繊細、見ごたえのある作品が展示されている。ぜひ多くの方々にご観覧を勧めたい。 (2012.02.16)

小倉紀蔵・京都大学大学院准教授が指導学生らを連れて、民族学級を見学

小倉紀蔵准教授(一番右)
中川小学校民族学級の授業
 韓国哲学が専門で、現代韓国をさまざまな角度から研究する小倉紀蔵・京都大学大学院准教授が1月23日、指導学生らをつれて大阪市の生野コリアタウンを見学、大阪市立中川小学校民族学級を訪問した。
 この日、小倉紀蔵准教授が引率したのは韓国、中国朝鮮族自治州、サハリン出身のコリアン留学生。また、スロベニアの文化人類学者で在日コリアン問題を研究しているナターシャさん。生野コリアタウンで当センターの金光敏事務局長から説明を受けた後、中川小学校を訪問、4年生の民族学級授業を見学した。子どもたちが朝鮮半島の地理について調べ学習に取り組んでいるのを参観した。また、学校関係者から子どもたちの日常の様子や、教育の課題について説明を受けた。民族学級を見学した博士課程の学生は、「3世、4世の子どもたちがルーツを一生懸命学んでいるのを知って感動した。」と感想を述べた。小倉准教授は、「何か工夫してぜひ持続的に交流できれば」と語った。 (2012.01.26)

大阪府議会による朝鮮学校補助金大幅減額決定に反対し、再考を求める声明

 去る12月21日、大阪府議会は学校法人大阪朝鮮学園に対する補助金の大幅減額を含んだ2011年度補正予算案を可決した。朝鮮学校に対する高校無償化政策の適用に文部科学省が判断を保留する中、橋下前大阪府知事が朝鮮学校の教育内容を問題視、それがきっかけとなりこれまで実施されてきた大阪府外国人学校振興補助金の朝鮮学校支給が見直される格好となった。
 当センターは、朝鮮高級学校にも高校無償化政策が適用されるべきであり、朝鮮学校をはじめ府内の外国人学校への大阪府の補助金がさらに充実化されるべきだとの立場であった。その原則に照らし合わせても、今回の大阪府議会の決定は理解しがたいものである。
 今回の決定にあたり、朝鮮学校内に掲げられる朝鮮民主主義人民共和国の指導者の肖像画を府議会の主要会派が問題視したと報道されている。ただ、初級学校、中級学校では、子どもたちが使う教室からは外されており、大阪府もそれを確認した上で、橋下前知事時代に支給を決定した。それが今度は、教室ではなく、職員室の肖像画を理由に府議会の主要会派が補助金支給に反対した。
 日本社会から何ら公的支援を受けられなかった時代、北朝鮮からの支援が朝鮮学校にとって頼みの綱であった。そうした歴史的経過から朝鮮学校は北朝鮮に依拠して教育を行ってきた。しかし、もはや世代が変わり、日本国内の公的支援が学校経営の中心を占めるようになった今、朝鮮学校の教育にも多様性が生まれ日本社会への貢献度も飛躍的に増してきた。朝鮮学校関係者による改革の努力は今も懸命に続いている。
 今回の大阪府議会の決定が、そうした当事者の自主的改革の努力を阻害するだけでなく、そこに通う子どもや親をもっとも苦しめることをどのように受け止めるつもりであろうか。一方、今後は補助金を受給する他の外国人学校に対しても学内の掲示物の一つ一つまで政治が審査し、場合によっては補助金額を止めるなどを行うというのであろうか。
 憲法が保障する学問の自由、思想信条の自由や、少数者の権利保障を謳う国際人権法の趣旨、そして多民族・多文化共生社会を実現するという時代的要請の観点に立って見ても、今回の決定は決して容認されるべきものではない。大阪府議会の各会派にもう一度、今回の決定の再考を強く求めるともに、在日コリアンをはじめすべての外国人・民族的マイノリティの教育権保障にさらに深い理解を持つよう求めたい。

2011年12月22日
特定非営利活動法人 コリアNGOセンター


済州ハン文化ネットワークのメンバーが大阪市立中川小学校で学校公演

タルチュム
プンムルノリ
 生野コリアタウン共生まつりへの出演に合わせ、来阪した済州ハン文化ネットワークによる学校公演が11月14日、大阪市立中川小学校(生野区)で行われ、子どもたちが力強い演奏と、ユニークに富んだ仮面劇を堪能した。
 前日に行われた「生野コリアタウン共生まつり2011」の出演に合わせ、来日した済州ハン文化ネットワークのメンバーがせっかく来日したのでぜひ子どもたちの前で公演してほしいというリクエストを受け、実現した。中川小学校は、コリアン集住地域を校区に持ち、在校児童の約半分強がコリアにルーツを持つ子どもたちだ。
 公演では、ケンガリ、チャンゴ、チン、プク、テピョンソを駆使したプンムルノリ、躍動感あり力強い振る舞いの仮面劇鳳山タルチュム、また老若が楽しめる遊びカンガンスウレを楽しんだ。
 最後に、ネットワークのメンバーから鳳山タルチュムの仮面と記念Tシャツが学校に寄贈された。 (2011.11.16)

日本ラチーノ学院が各種学校として認可、ブラジル学校として最西の認可校に

日本ラチーノ学院の生徒たち
 関西では最も多くの南米出身者が暮らす滋賀県で、初めてブラジル学校の公的認可が行われた。
 滋賀県は、去る11月11日付けで、滋賀県近江八幡市の日本ラチーノ学院から申請が出されていた各種学校及び準学校法人を認可した。去る10月の私学審議会の審議を経て、一連の手続きが終了、準備から2年弱をようしてようやく県内唯一のブラジル学校が認可された。滋賀県での多文化共生の推進に大きな一歩だと言える。
 これによって、滋賀県が実施している助成金が支給される上、高校無償化の対象にも加えられる。また、授業料への消費税免除、子どもたちが通学に電鉄を利用する際の学割など、公的認可の効果は大きい。一方、ブラジル人の生活状況は依然厳しく、公的認可によって家庭の授業料負担の軽減に期待が集まるが、認可による公的支援の規模は小さく、授業料を減額するなどの措置がどの程度可能か学校経営側の悩みは大きい。
 2009年6月、自公政権下で議論されてきた「外国人学校支援法案」が公明党により初めて国会に提出された。この法案は廃案になったものの、現行の外国人学校の支援をより重層的にすることを目的とする法案で、今後こうした法案がもう一度、議論されることに期待が集まっている。
 当センターは、滋賀県内のブラジル学校支援を続けており、日本ラチーノ学院の認可が正式に決まったことを歓迎しつつ、より抜本的な在日外国人の教育環境改善に取り組んで行きたいと考えている。 (2011.11.16)

駐大阪韓国総領事から民族学級への教材伝達式が行われる

ソンセンニムを代表して答礼挨拶
 公立学校における民族学級をより活性化することを目的として、駐大阪韓国総領事館による民族学級教材、教具伝達式が11月10日、大阪市中央区のニューオオサカホテルで行われた。
 在日コリアン社会の活性化に欠かすことのできない教育事業への関心が年々高まりを見せる中、民族楽器や伝統衣裳、また民族講師たちの教材製作に活用できるコンピューターが伝達された。主催者として挨拶に立った李愚国(イウグク)副総領事は、「日々苦労されている民族学級のソンセンニム(先生)たちに少しでも励みにしてもらいたい」と述べた。
 伝達される側の現場を代表して答礼挨拶を行った大阪市立舎利寺小学校の金徳美(キムドンミ)ソンセンニムは「関心を持っていただいていることに感謝を述べるとともに、いただいた教材、教具を子どもたちのために活用すべき現場で努力したい」と語った。
 伝達式のあと出席者らで懇親が催された。伝達式及び懇親会には、民族講師たちのほか、保護者会代表者、民団関係者、そして当センターからも参席した。(2011.11.16)

大阪市の放課後活動「いきいき活動」にコリア文化体験プログラムを派遣

子どもたちのサムルノリ演奏
 大阪市教育委員会の外郭団体である「大阪市教育振興公社」が実施する文化体験デリバリー事業。この事業に当センターがコリア文化体験プログラムメニューを提供している。去る10月27日、大阪市立福小学校(西淀川区)の放課後活動「いきいき活動」で、当センターのスタッフがコリア文化体験講座を実施、民族楽器、伝統遊びなどを楽しむ子どもたちの歓声が校舎いっぱいに響き渡った。(2011.11.14)

夜の中学生も、文化祭!学びの意味、刻む言葉と言葉

「学校で文字を」
「質問をすると」
「果せなかった夢ついに」
 大阪市立東生野中学校夜間学級で文化祭が開催され、生徒たちが綴った文字ポスターが掲示された。作品は一様に名作ぞろいで、好評を博した。
 夜間学級は、夜間中学とも呼ばれ、戦争や貧困によって義務教育を終えられなかった人々を対象に設けられた正規学校で、大阪府内には10校の夜間学級が開設されている。東生野中学校夜間学級は、生野区の在日コリアン集住地区に設けられているということもあり、在籍生徒約210名のうち、8割以上が在日一世、二世たちだ。最高年齢は80代。高齢の生徒も毎日、自転車で通いながら、勉強に勤しんでいる。
 授業科目は、中学校の正規過程を行うことになっているが、入学時には文字の読み書きそのものが難しい生徒もいて、五十音順から順次、生徒のニーズにあわせて学習カリキュラムが組まれている。
 東生野中学校では、コリアンなど外国にルーツのある生徒が大半を占めることから、出身国の文化や民族の心を大切にする取り組みを進めている。入学時には、本名使用を勧めているほか、民族学級にあたる朝文研、また日常の授業の中でも民族のルーツをできるだけ取り上げるなどの工夫がなされている。
 今回、開催された文化祭の作品展では、生徒たちが学びたての文字をふりしぼって書いた、生き生きとして文字作品が展示された。
「今はテレビを見ていても わかる文字とわからない文字がある もっともっと勉強して新聞よめるようになりたい」
「ちいさいときからはたらいてびょうきもして がっこうはいけませんでした 夜間中学にきて 名前もかけるようになりました」 (2011.10.22)

滋賀県近江八幡市の日本ラチーノ学院で多文化共生フェスタ開催

生徒たちが踊りを披露
 現在、滋賀県に各種学校の認可申請を行っている近江八幡市のブラジル学校『日本ラチーノ学院』が10月8日、多文化共生フェスタを開催した。毎年、フェスタジュ二ーナ(収穫祭)を7月に開催してきたが、節電などの状況を考慮して、多文化共生まつりとして延期開催した。当日は、ラチーノ学院の駐車場にブラジルの郷土料理の店が出たほか、生徒らが練習を重ねてきた踊りなどが披露された。
 会場には、地元の日本人住民の多く姿もあり、日本ラチーノ学院の処遇改善を取り上げてきた梅村正滋賀県議会議員や池上知世近江八幡市議会議員も応援にかけつけた。
 また、この行事には、日本ラチーノ学院に在籍生徒やその家族以外にも、県内各地からブラジル人住民らが訪れ、ひととき出身国ブラジルの雰囲気を味わう楽しいフェスティバルとなった。
 日本ラチーノ学院は、滋賀県から今年中に各種学校の認可がおりる見通しだ。各種学校認可がおりると、滋賀県の補助金が受けられるほか高校は無償化に。また、通学割引なども活用できるようになる。
 当センターは、日本ラチーノ学院に対する支援を続けており、滋賀県の認可基準の見直しをはじめ地元自治体への処遇改善について関係自治体に働きかけを行ってきた。各種学校認可申請は、当センター所属の孫勇(ソンヨン)行政書士が支援した。 (2011.10.11)

石川博崇参議院議員が民族学級を訪問

民族学級を見学する石川議員(中央)
 公明党の石川博崇参議院議員が9月7日、大阪市立中川小学校を訪問し、民族学級の授業などを見学した。この日の見学は、公立学校における外国人の子どもの支援教育の現場実態を知ることを目的に実施され、当センターの要請を受けて実現した。  この日は5年生の授業を見学し、2学期に予定される発表会でサムルノリ演奏に取り組むことが話し合われた。サムルノリで使われる楽器の名前やその由来などについても学び、発表会で担当したい楽器を何にするのかについて子どもたちが意見を出し合った。  石川議員は、子どもたちのそばに近寄って声をかけたり、校長先生に質問するなどした。授業終了後には、当センターの金光敏(キムクァンミン)事務局長のコーディネートで民族講師をはじめ教職員と意見交換した。  石川議員は「外国にルーツのある子どもたちの文化性が生かされることは日本社会の活性化にも有益で、学校教育が国際理解に体系的に取り組むことは国際社会に目を向ける若い人たちを育むこと」と述べ、「すぐに大きな変化がないとしても、現場で取り組みやすい環境を生み出すために関心をもって取り組みたい。」と語った。 (2011.9.8)

民族講師たちが韓国で研修、「民族学級の活性化に生かしたい」

韓国語専門研修
伝統陶磁器づくりを体験
 大阪韓国総合教育院の主催による「民族学級講師韓国研修旅行」が、9月1日から4日までの4日間に渡り、韓国各地を会場に実施された。この研修会は、韓国社会における在外同胞への関心が高まる中、韓国政府や国立公州大学校などの協力を得て行われ、大阪、神戸から26名の民族講師が参加した。
 研修会では、韓国ソウル市の小学校見学のほか、南北境界線付近の訪問、公州大学での韓国語専門研修、また歴史探訪などが取り組まれた。また、韓国の伝統陶磁器の体験講座、伝統菓子の試食などのプログラムもあった。
 研修会に参加した当センター評議員でもある姜孝裕(カンヒョユ)民族講師は、「民族学級支援を目的にこうした研修会が行われたことは画期的で、準備にあたった関係者に心からの感謝を伝えたい。研修旅行の成果を子どもたちのために生かしていきたい。また、継続的にこうした研修会が開催されることを期待したい」と語った。
 この研修旅行には、民団大阪本部と当センターから引率者が同行した。 (2011.9.8)

建国高校吹奏楽部が関西吹奏楽コンクールで金賞を受賞

 第61回関西吹奏楽コンクール(関西吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)が22日、滋賀県守山市三宅町の市民ホールで開催され、小編成の部で韓国系民族学校の学校法人白頭学院建国高校吹奏楽部が金賞を受賞した。
 今回のコンクールには、近畿地方から選抜された34校が出場し、建国高校吹奏楽部を含め5校が金賞を受賞した。建国高校吹奏楽部部長、3年生の金裕敏(キム・ユミン)さんは朝日新聞の取材に対し「3年生は2人だけで、部員が少ない中、一人ひとりが積極的に練習することを心がけてきた。中学から6年間の思いを込めて演奏した」と語った。 (2011.8.25)

夏休みをむかえ、各地で外国人教育をテーマに教員研修開催

戎小学校での研修の様子
 夏休みに入り、各地で公立学校の教員研修が活発に行われている。学期中には忙しくてできない理論研修や技能研修が教育委員会主催で多数企画されており、教員たちがさまざまな領域や専門分野に分かれて研修を受けている。
 大阪府泉大津市教委が主催する2011年後新年教員研修が7月23日、市内の戎小学校で開催され、戎小学校の金泰賢(キム・テヒョン)民族講師が朝鮮半島の伝統絵文字をモチーフにした絵画作りの研修講師を務めた。民族学級で取り組まれている図工だが、クラスの実践でも活用できることから、新任教員たちの研修内容として取り入れられた。
 新任教員たちは、朝鮮半島の伝統絵文字について説明をうけた後、それぞれの名前の文字を使った絵文字を作成した。創意工夫に富んだ作品が作業終了後に紹介された。
 この夏休み中、当センターでは、関西各地の教員研修に取り組む。多民族・多文化共生教育の推進の観点に立った研修が8月末まで繰り広げられる。 (2011.7.25)

韓日の学生らが民族学級を訪問

民族学級の授業を見学
 大阪市内の民族学級の様子を知ろうと韓日の学生ら約30名が7月8日、大阪市立小路小学校(生野区)民族学級を訪問。子どもたちと交流した。
 東京にある国際基督教大学文化人類学科の学生らと、韓国ソウルの韓信大学日本語学科の学生らが、夏休みを利用して行った大阪での現地研修の際に、ぜひ民族教育の現場を見て帰りたいとして企画された。両校は、民族学級で合流し、子どもたちから民族学級の様子を聞いたり、逆に子どもたちから質問を受けるなどして交流した。また、授業交流終了後、担当する民族講師から民族学級の経緯や学習活動などの説明を受け、学生たちは熱心にメモを取りながら耳を傾けた。
 これに参加した韓信大学の学生は、「民族学級についてはまったく知らなかったので、よい機会になった」と述べ、国際基督教大学の学生は、「地元東京でもこうした活動が必要では」と語った。 (2011.7.25)

在外同胞教育支援法の改正案、成立に向け与野党の合意が順調

政策討論会の会場内
 在外同胞の教育支援を規定した法律の改定案について与野党の合意形成が順調に進んでいる。この改定案は、教育科学技術部(日本の文部科学省に相当)が所管して、在外同胞教育の特別会計制度を導入、安定的な財源確保をめざすというもの。これにより政権の動向や政治状況に応じて、在外同胞教育の支援費額が増減することを抑制できる。
 この法案は、議員立法で提案されることになっており、国会教育科学技術委員会の幹事(筆頭理事に相当)である民主党の安敏錫(アン・ミンソク)議員、ハンナラ党の徐相箕(ソ・サンギ)議員が法案の今国会をめざして調整を進めている。
 そうした中、6月13日に韓国の国会議員会館において在外韓国人学校理事長協議会主催の政策討論会が開催され、在外韓国人学校の安定的な運営に関わる政策提案、法律の早期制定を求める議論などが行なわれた。日本からも学校法人白頭学院、学校法人金剛学園、学校法人東京韓国学校の関係者らが出席した。海外には30校の全日制の韓国人学校がある。
 この政策討論会には、与党ハンナラ党の黄佑呂(ファン・ウヨ)院内総務をはじめ、民主党代表の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)議員らもかけつけ、法案成立に向け努力するメッセージが伝えられた。
 この法案が成立すれば、日本国内の韓国系民族学校への支援が拡充されるほか、他の在日コリアンの教育支援にも支援が届くことになる。 (2011.6.22)

新宿区議会で区立小中学校の日本語学級を求める陳情が審議未了に

 去る6月13日に新宿区議会文教委員会が開かれ、「新宿区ニュー・カマーズ チルドレンの日本語学級とトータル・ケア-の確立を目指す会議」(以下、目指す会議)が5月26日に提出した「新宿区の小・中学校に日本語学級設置とトータル・ケアーの確立に関する陳情」が審議された。
 区議会を構成する各会派の委員からは、日本語学級の性格や設置の現状、区立小中学校における日本語学習支援活動の現状など、基本的な質問が出され、区教委の担当課長らが回答した。また、今年実施予定である区内の外国にルーツを持つ子どもたちの実態調査についても質問がなされ、区の多文化共生担当より文化観光国際課が中心となって、1500世帯の保護者にアンケート調査を行ない、そのうち200世帯を抽出してインタビュー調査を行なうとともに、教員からも聞き取り調査を行なう予定で、9月に調査を開始、12月に中間報告、年度末に最終報告書を提出する計画であると説明された。
 質疑後に文教委理事による審議(非公開)がなされた結果、本陳情については意見がまとまらず、審査未了(実質的に廃案)になったことがあざみ民栄委員長より報告された。合わせて、理事らによる論議の要約として、採決や継続審議を主張する会派もあったが審査未了を望む会派が多かったこと、今回の陳情書にある日本語学級設置とトータルケアーの確立の2項目を分離して提出すべきという意見があったこと、などが報告された。
 審議未了となったことについて、目指す会議のメンバーからは、「区議会も行政側も、子どもたちが置かれている厳しい現状をきちんと理解できていない」、「日本語学級と加配教師制度が並列に並べられ、二者択一的な論議がされていたが、それは事実誤認に基づく間違い。外国の子どもたちの教育に専念できる教員を置ける日本語学級こそが、今必要だ」などと憤りの声が上がった。
 目指す会議では、今後も日本語学級設置とトータルケアーの確立を求めて、活動を継続する。当センターも引き続き積極的な参与を行なうつもりだ。(2011.6.22)

被災地の民族学校支援に当センターから支援金を送る

尹鐘哲・東北朝鮮初中級学校校長(左)に寄付金を伝達
 東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方の民族学校に寄付金が5月24日伝達された。もっとも被害が大きかった東北3県のうち、宮城県と福島県に朝鮮学校があり、仙台市にある東北朝鮮初中級学校では、校舎が全壊状態となり、現在は寄宿舎を活用しての授業が再開されている。また、福島朝鮮初中級学校では、放射能汚染の危険から他県への疎開授業が行われるなど、被災地の民族教育は厳しい状況にある。
 当センターでは、震災以来、被災地の民族学校、外国人学校を支援する寄付金を募っているが、すでに約90万円(5月25日現在)の募金が集まっている。そのうち50万円を最も被害が大きかった東北朝鮮初中級学校に、20万円を福島朝鮮初中級学校に寄附した。
 寄付金の伝達を受けた東北朝鮮初中級学校の尹鐘哲(ユンジョンチョル)校長は、現在の学校の様子を説明しながら、「校舎の使用は不可能な状態となったが、子どもたちは不便な中でも懸命に勉学に取り組んでいる。地域の同胞社会と相談しながら、校舎の建て直しなどを協議している。」とし、「寄付金はありがたく、子どもの教育環境の改善に役立てたい。」と語った。
 当センターが募った寄付金には、韓国の市民団体からの支援金も含まれており、本国からも被災した在日コリアン社会への応援メッセージが託されている。なお、福島朝鮮初中級学校への寄付金についても尹鐘哲校長に預けられ、現地に届けてもらうことになった。また、6月初旬にブラジル学校への支援金伝達を準備している。民族学校、外国人学校支援の寄附金募集は今年いっぱい続ける予定だ。 (2011.5.29)

新宿区公立小中学校の日本語学級設置を求める陳情書と賛同署名を提出

陳情書・賛同署名を新宿区議会に提出
 新宿区において、外国の子どもたちの不就学の問題が深刻化していることが、この間市民団体から指摘されている。その原因の一つが、日本語を母語としない子どもたちへのケアが学校においてほとんど行なわれていない状況がある。
 その中で昨年、新宿区で活動する市民団体が集まって「新宿区ニュー・カマーズ チルドレンの日本語学級とトータル・ケア-の確立を目指す会議」を結成し、不就学問題の具体的解決を求める活動を行なっている。問題解決のためにはさまざまな課題がクリアされなければならないが、その一つとして、まず新宿区立小中学校の日本語学級設置拡大を求めており、設置を求める要請書への賛同署名を行ない、当センターも署名活動に積極的に協力してきた。
 集まった賛同署名823筆をたずさえ、5月25日に日本語学級設置を求める陳情書を新宿区議会事務局に提出した。提出する際、上記「目指す会議」事務局長の小林普子さん(NPO法人みんなのおうち 理事)は、「子どもたちが安心して学校に通える状況にないことを思うと、本当に心が痛い。他の区では日本語学級を持つ学校は複数あるのに、新宿区では大久保小学校1校のみで、中学校においては全くないのは、早く改善されるべき。外国人が非常に多く、多文化共生を掲げる新宿区こそが、こういった問題に率先して取り組んでほしい」と伝えた。
 この陳情書は、6月の新宿区議会定例会で取り上げられ、審査される。 (2011.5.26)

京畿道教育庁を表敬訪問し、金相坤教育監と懇談

金相坤教育監(左)との懇談
 教育熱が高いことで知られる韓国。とかく受験戦争が大きく取り上げられ、学校と塾通いで疲弊する子どもの様子が伝えられるなど、韓国の教育事情について批判的に捉えられることが多い。国土が小さく、資源の少ない韓国にとって、教育を通した人材育成は至上命題であり、学問を重んじる儒教的風土が教育熱の高さを生んでいると言える。また、大学院への高い進学などの高学歴化や、就職をより有利に運ぶため、スペックなどの能力試験の準備が始まるなど、若い人々が受ける心身的負担感は決して小さくない。
 教育制度の改革は適時試みられているが、抜本的な改善につながっておらず、また昨今の格差社会ともあいまって、経済的状況が子どもの学力に与える影響や、学歴中心主義の弊害はいまも続いている。
 一方、そうした韓国の教育事情を少しでも改善しようとの試みも活発で、民間レベルでは代案教育運動が全国的にすすめられている。また、昨年の統一地方選挙では、地方教育行政の責任者である教育監に、既存の教育制度についての批判派が多数当選するなど、教育を巡る議論は活気を帯びている。
 京畿道教育行政を取り仕切る金相坤(キムサンゴン)教育監を4月4日、金光敏事務局長が表敬訪問した。金相坤教育監は、昨年6月の教育監選挙で再選し、選挙公約に基づいて「京畿道学生人権条例」を10月に制定した。この条例は、子どもの権利条約の趣旨を具現化することを目的に制定されたもので、子どもを保護対象と位置付けるに留まらず、権利行使の主体であることを明確に示し、マイノリティの子どもたちの権利保障にも言及した画期的な条例だ。反対世論も強かったが、昨年の統一地方選挙で道議会の議席配分が変化したこともあり、実現にこぎつけた。
 今回の表敬訪問は、去る3月に金相坤教育監が来日し、民族学級などを視察する予定が組まれていたことによるもので、来日予定は大震災の影響で延期となったが、金事務局長との懇談を通して金相坤教育監は近々機会をつくりぜひ大阪を訪問したいと語った。また、大阪の教育行政との交流にも関心を示した。
 教育監は、直接選挙で選出される政務職で、教育庁は地方税の一部、教育税などによる独自財源を持ち、知事と同格の高位職だ。金相坤教育監は大学教員出身で、専門は経営学。韓国の民主化運動にもつながりが深い。 (2011.4.5)

東日本大震災で民族学校が大きな打撃、でも心の交流で暖まる

東北朝鮮初中級学校 校舎
地震後の職員室
図書館、多くの本棚が倒れる

 震災から2週間を過ぎてもいまだ復興の目処が立たない被災地にある東北朝鮮初中級学校の被災状況が配信された。
 震災により校舎には大きな損傷が見受けられ、学校再開は当面難しい模様だ。一方、YTNの朴思柔(パクサユ)記者によると、朝鮮学校関係者らと地域の住民との間で支えあう関係が進んでおり、3月20日には、隣接する八木山中学校校庭で、被災者を元気付けようと、東北朝鮮学校が主催した炊き出しが行われた。学校内に避難されている方々はもちろん、近隣の住民なども集まり、準備した400食はすぐになくなったという。
 また、配られたキムチを食べずに持ち帰った人がいるなど日常生活に戻りたいとする同胞たちの切実な様子が伺え、八木山中学校PTAからお礼にチョコレートのセットが朝鮮学校に送られたことが伝えられた。 (2011.3.25)

朝鮮学校補助金の継続を求めて大学教員らが大阪府に要請書を提出準備

 去る3月8日、大阪府の橋下徹知事が、2010年度の私立外国人学校振興補助金と私立高等学校等授業料支援補助金を大阪朝鮮高級学校に支給しない方針を明らかにしたことを受け、大学教員有志たちが大阪府に撤回を求める要請書提出を準備している。今回の大阪府の決定が朝鮮高級学校のみを対象とした差別的措置であると指摘し、補助金の速やかな支給を求めている。
 要請書では、「振興補助金」が1992年度以来、府内にある外国人学校の教育条件向上のために、納税の義務を果たす在阪外国人への教育に関わる公的サービスの一環として支給されてきたものだと指摘し、決定の撤回を求めている。
 大阪府では2010年度の国の「高校無償化」と歩調を合わせ、従来の「私立高等学校等授業料軽減補助金」と「私立専修学校高等課程等生徒授業料軽減補助金」を一括し、「授業料支援補助金」として発足させた。この補助金は一条校のみならず、外国人学校も含んで年収350万円未満の世帯の授業料無償化などを盛り込んでいる。橋下知事はこの補助金からも大阪朝鮮高級学校を排除する決定を行った。
 また、要請書では、橋下知事が補助金を支給しない理由にあげた肖像画などの問題については、1992年以来これらの条件は問題とされなった点や、教室内の掲示物にまで干渉することは行政権の濫用だと指摘している。
 3月27日まで大学有志に広く呼びかけた上で、29日に大阪府に提出するとしている。 (2011.3.22)

YTN朴思柔記者による朝鮮学校リポートから

 3月15日から被災地に入り、取材を続けている韓国の通信局YTNの朴思柔記者によると、仙台市内の朝鮮学校の校舎にも損傷があった模様だ。
 築40年の校舎の玄関付近の階段が全壊状態であるほか、地面に亀裂が走り、地盤沈下によって校舎が傾くなど校舎内のほぼすべての窓が開かない状態だと伝えている。
 一方、朝鮮学校付近の避難所に朝鮮学校関係者らが支援物資を持ってかけつけるなどの様子も報告し、朝鮮学校も深刻な被災に見舞われながら、地域のより困難な状況にある人々を支援する様子も伝えられた。
 朝鮮学校においても燃料枯渇が深刻だとし、学校職員が近隣のガソリンスタンドを周っている。現金が入れば遠路まで買出しに出れると語り、被災地以外から届いた支援金を喜んだと伝えた。 (2011.3.18)

「新宿区公立小中学校の日本語学級設置を求める要請書」への賛同署名をお願いします

 子どもたちの不就学の問題が、外国籍者が最も多い自治体である東京都新宿区でも深刻な状況となっています。小中学生に該当する年齢の韓国の子どもたちだけで、少なくとも40名いることがわかっています。
 他のルーツ・国籍を持つ子どもたちにおいても同様のケースがあることはわかっており、事態がどれだけ深刻かということ自体が明白になっていない状況にあります。
 そこで昨秋より、新宿区で活動する複数の市民団体が「新宿区ニュー・カマーズ チルドレンの日本語学級とトータル・ケアーの確立を目指す会議」を構成して、新宿区に対して、この不就学の問題を解決するための具体的な対策を要求する活動を始めています。コリアNGOセンターも、この問題が当然保障されるべき子どもたちの教育権が深く侵害されているものと受けとめ、上記「会議」に参加し、迅速な解決のための取組みを進めていきます。

 上記「会議」は、「新宿区ニュー・カマーズチルドレンの日本語学級とトータル・ケア-の確立を求める要望書」を新宿区長および区議会宛に送付していますが、市民からの声をより明確に伝えようと、要望書に対する賛同署名を現在集めています。
 現段階で求めていることは、▼公立小中学校、とくに中学校に「日本語学級」を設置し、日本語理解が十分でない、外国にルーツのある子どもたちが安心して通える環境の基礎をつくり出すこと、▼学校のみならず、学校外での生活のことも視野に入れて、子どもたちが安心した生活ができるように区のトータルケアが受けられる ように図ること、の2点になります。
 署名へのご協力をぜひお願いいたします。新宿区の問題であるので、署名者は、とくに新宿区、東京都および近隣県にお住まいの方から頂きたいと思いますが、居住地は関係なく、どなたからも署名も受け付けています。
 署名は、(1)署名用紙をダウンロードして、郵送あるいはFAXする、(2)でお名前、住所を伝える、という方法でお願いいたします。2011年3月28日(月)までにお送り下さい。継続して署名を集めています。次の集約日は2011年4月27日(水)です。第三次の集約日は2011年5月20日(金)です。この日までに本会東京事務所着でお送り下さい。
 多くの方のご賛同をお待ちしています。 (2011.3.10)


民族学級60周年で、多民族・多文化共生の教育のロールモデルに

中川小学校にて

小路小学校にて

北中道小学校にて
 公立学校に通うコリアにルーツを持つ子どもたちを対象に取り組まれる民族学級が、60年の節目を迎え各地で記念式典が行なわれている。
 1948年に起こった4・24阪神教育闘争に起源を置き、その収拾策として開設された公立学校における民族学級(開設当時は特設学級、朝鮮語学級などと呼ばれた)。大阪府、京都府をはじめ全国13府県に77公立小中学校に開設されていたことがわかっている。
 一方、1960年代をピークに各地の民族学級がさまざまな理由によりなくなってしまい、現在、民族学級として存続できているのは大阪府と京都市だけになった。  1950年に開設され現在まで途切れずに存続した民族学級にとって2010年が60周年にあたる年であったことから、各地の存続校で記念式典が開催された。今年、60周年を迎えたのは大阪市内の小路小学校、中川小学校、北鶴橋小学校、加美小学校、北中道小学校。そして東大阪市内の太平寺小学校だ。
 大阪府内には4・24阪神教育闘争に起源を置く民族学級で、大阪府教委による常勤民族講師が勤務する学校は11校で、今回の60周年は途切れずに続いた6校が式典を行なった。  他方、それ以外の6校の民族学級も活発な活動を続けているほか、大阪府内には様々な形態や制度による民族学級も開設され、府内での開設数は180学級に及ぶ。また、京都市内にも3小学校において民族学級が続いている。
 民族学級は、公立学校に在籍する外国にルーツを持つ子どもたちが父母、祖父母の持つ言葉や文化を継承し、自尊感情を育む教育活動として注目され、外国人の子どもの教育支援のロールモデルになっている。公立学校における多民族・多文化共生教育の推進にとって、大阪や京都で残り生かされてきた民族学級の取り組みは今後さらに大きな役割を果たすことが期待される。 (2011.3.4)

韓流スター、ソ・ジソクさんの寄附、公立高校のコリア語教育に活用へ

ソジソクさん
昨年12/23シアターブラバの公演前

大阪府教委伝達式でセンターから
辞典の目録が送られる
 人気韓国ドラマ「19歳の純情」で主役を務め、韓日で高い人気があるソジソクさんが、去る12月23日に大阪で行われたファンミーティングの出演料1000万ウォンを韓日の青少年交流に活用してほしいと当センターに寄託した。ファンミーティングの開演時間に先立って、シアターブラバ控え室で行われた寄付金伝達式では、ソジソクさん本人から当センターの金光敏事務局長に寄付金が手渡され、「多い金額ではないが、ぜひ韓日の青少年交流に役立てて欲しい」とメッセージが託された。
 当センターでは、ソジソクさんの思いを生かそうと、大阪府内の公立高校でコリア語授業を開設している53校と大阪府立中央図書館、大阪市立中央図書館に韓日・日韓辞典を送ることにした。
 2月2日、大阪府教育委員会で行われた伝達式では、 当センターの林範夫(イムボンブ)代表理事は「高校でのコリア語授業は、コリアンの生徒には民族教育の意味があり、それ以外の生徒には国際理解学習の意味がある。ぜひ今後とも授業の活性化をお願いし、相互理解に役立ててほしい」と述べた。大阪府教委を代表して伝達された田中保和教育監は「貴重な支援をいただいた。ぜひお気持ちにこたえられるよう努力したい。」と答えた。
 全部で220冊の韓日・日韓辞典が寄贈され、対象校には2月中旬に順次送付される。 (2011.2.4)



滋賀県が各種学校の認可基準を1月1日付けで緩和、県初ブラジル学校認可へ

 滋賀県が1月1日付けで各種学校の認可基準を改正し、県内で初めてブラジル学校が各種学校として認可される可能性が出てきた。
 これまで滋賀県の各種学校の認可基準は、他のブラジル人集住県よりも厳しく、県内に存在する4校のブラジル学校がなんらの法的支援を受けられない状態が続いていた。今回の基準緩和により、もっとも大規模の滋賀県近江八幡市の日本ラチーノ学院が認可される可能性が出てきた。
 当センターでは滋賀県内のブラジル学校支援を続けているが、民間レベルでの支援には限界があることから、他府県の例も参考しながら、滋賀県にブラジル学校の処遇改善を求める働きかけ続けていた。その一環で昨年5月、当センターの提案を受け、滋賀県内の公明党地方議員団が日本ラチーノ学院を訪問し、ブラジル学校の現状について視察した。それを契機に公明党の梅村正県議が県議会の代表質問で基準緩和を県側に要請、その答弁に立った嘉田知事が見直しに踏み込み言及していた。
 日本ラチーノ学院では、滋賀県の新基準をクリアしており、早々にも各種学校と準学校法人の関係申請書類を整えて担当課に提出したい考えだ。滋賀県でも書類に不備がなければ私学審議会などの手続きを経て認可する方向だ。認可されれば、高校無償化の対象に加えられるとともに、滋賀県が県内の外国人学校に支給している運営補助も受給できることになる。 (2011.2.1)