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「人種主義・人種差別・外国人嫌悪を扇動する外国人指紋制度を復活させる「出入国管理及び難民認定法改定案」の廃案を求める声明」

1980年の「たった一人の反乱」にはじまる在日コリアン、在日中国人ら在日外国人1万人余による「指紋押捺拒否・留保」の闘いにより、2000年4月1日に外国人登録法に基づく指紋制度は全廃されました。それから6年が経過して、再び外国人指紋制度の導入をもくろむ入管法改定案が国会に上程・審議されています。

 1947年の最後の勅令である外国人登録令、1952年の外国人登録法は、在日コリアンや在日中国人などを「危険」な存在とし「監視」の対象としてきました。指紋押捺義務制度と外国人登録証明書の常時携帯・呈示義務制度はこのような人種主義に基づく制度としてあり、人種差別を助長してきました。国連・国際人権自由権規約委員会はこの指紋押捺義務制度と常時携帯・呈示義務制度が国際人権規約に反するものとして、数度にわたり日本政府に廃止の勧告 を行っています。

 「指紋押捺拒否・留保」の闘いは、在日外国人を危険視し、「差別」を扇動するものへの異議申立の闘いであり、多文化共生社会を目指す闘いでもありました。

 今国会に上程されている「出入国管理及び難民認定法改定案」は、こうした経過をなんら教訓とすることなく、「テロの未然防止のため」として、入管法に基づき外国人指紋制度を復活させようとしています。入管法改定案の外国人指紋制度も、外国人を危険な存在としてとらえ、「監視」する対象としています。日本人や特別永住者には求めない上陸時の指紋と顔画像などの電子情報を、他のすべての外国人に求めるという入管法改定案は、外国人を「テロリスト」「犯罪者」とする人種主義・人種差別・外国人嫌悪を扇動するものとなっています。特別永住者と同じ歴史的経緯をもつ「永住者」の在留資格をもつ在日中国人などには入国時の指紋情報の提供を義務づけるなど、歴史的経緯での整合性もありません。

 日本にしか生活基盤がない「永住者」の資格をもつ在日外国人は、指紋情報の提供を拒否すれば上陸を拒否され、居住国に戻る権利を侵害されることになります。法施行時に外国にいる「永住者」なども、指紋情報の提供を拒否すれば「帰国」を拒否されることになります。かつて指紋押捺拒否者に再入国許可を認めず、そのため出国をあきらめるか出国して在留資格を失うかを迫ったことと同様のことが起ころうとしているのです。

 「テロ対策」が目的であれば歴史的経緯も考慮する必要がなく、人権侵害も容認されるということなのでしょうか。

 さらにこの入管法改定案では、もっとも高度な個人情報である指紋という生体情報を、電子情報として実質的に無期限に保存し、しかも捜査情報として活用するなど利用目的の制限もありません。外国の捜査機関や入国管理機関からの照会に答えることができるとされています。「テロ対策」を理由とする上陸拒否リストとの照合を目的といいながら、このような個人情報の収集や取扱を行うことは個人情報保護の観点からも許されるものではありません。

 また入管法改定案では退去強制事由として、きわめて曖昧な構成要件の「公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を容易にする行為を行う恐れ」を加えることで、社会的死刑ともいうべき「強制送還」の恣意的な運用を可能としています。「恐れ」がどのような要件であるか、そのことと「強制送還」とが均衡のとれたものであるかの検討が必要です。この条項の恣意的な運用は決して容認されません。

 以上、多文化共生を目指すのではなく、それとは反対に人種主義・人種差別・外国人嫌悪を扇動するきわめて重大な問題点のある入管法改定案について、即時廃案とすることを求めるものです。

2006年3月28日

在日コリアン青年連合(KEY)
すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク(RINK)
特定非営利活動法人コリアNGOセンター
日朝日韓連帯大阪連絡会議(ヨンデネット大阪)


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