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■ 朴正恵(パクチョンヘ)ソンセン二ムに朝鮮民主主義人民共和国政府から称号が授与されたことに寄せて (06/10/25)

(特活)コリアNGOセンター事務局長 金光敏(キムクァンミン)

30年以上、公立学校に在籍するコリアンの子どもたちの民族教育にまい進してこられた当センター朴正恵(パクチョンへ)代表理事が、その功績を評価受け、朝鮮学校教員以外としては初めて朝鮮民主主義人民共和国政府から称号が授与されました。 

朴ソンセン二ムは、1972年に大阪市立長橋小学校で開設された民族学級をはじめ、大阪市や東大阪市等で公立学校に在籍する韓国・朝鮮の子どもたちの民族教育に携わってこられました。
制度保障がなく生計が成り立たないために、民族講師を辞めざるをえなった人々が多かった中で、病気で休まれた一時期を除き、一貫して民族学級の現場に携わり、同胞の子どもたちのそばに立ち続けてこられました。 地元大阪市内の学校現場では、在日外国人教育分野で最も知られる一人であり、同僚の民族講師はもちろん、教職員団体や教育研究団体、大阪市教育委員会からも民族教育を支える支柱として厚い信頼を集めています。

今回の称号授与は こうした功績を評価し、朝鮮民主主義人民共和国政府は去る10月13日、「人民教員」という称号を朴ソンセン二ムに送りました。
この「人民教員」という称号は、現在まで全部で12名が在日で授与されており、朴ソンセン二ムを除いては、すべて朝鮮学校関係者です。ゆえに朴ソンセン二ムは、朝鮮学校教員以外で初めての授与であり、授与証にも、民族学級の文字が刻まれています。

韓国においても「民族学級」に関する理解が深まっており、南北コリアともに「民族学級」の存在が広く知られるようになったことをあらためて実感せずにはおれません。

かかわる経過を若干説明します。
全国で初めて「民族学級」を事業化した大阪市は、1997年から「大阪市民族クラブ技術指導者招聘事業」を改善し、非常勤嘱託制度を開始しました。この制度によって、民族講師が行政に準雇用される制度保障が実現し、民族講師の専門職化に一歩近づきました。
この制度は、当時私が所属していた民族教育促進協議会の運動の成果であり、民族学級の制度保障に大きな前進となりました。この非常勤嘱託の民族講師に着任した朴ソンセン二ムが、2007年度末をもって定年を迎えられ、長年担い続けてこられたた民族講師職を退任します。
私たちは、身分保障も不十分な中、また南北対立に翻弄されながらも、公立学校の民族教育実践に一貫して従事され、大阪の教育界に大きな功績を残された朴ソンセン二ムの退職に何か社会的な意味づけをしたいと考えました。
そうした中で取り組んだのが、南北への働きかけでした。
それぞれの関係者に働きかけを行い、これまで社会的に脚光を浴びることがなかった「民族学級」をあらためて社会的に評価するとともに、制度保障も不十分な中、民族講師を専門職として定年まで勤められんとする朴ソンセン二ムの労をねぎらってほしいと提案しました。

その働きかけにまず最初に応えてくれたのが、朝鮮民主主義人民共和国政府でした 。朴ソンセン二ムには、そうした働きかけについてまったく知らせないままだったので、誰よりもご本人自身が、今回の授与に驚かれ、戸惑っておられます。  また、核実験問題等で南北関係がギクシャクする最中でもあるために、朴ソンセン二ムの表情には内心のうれしさに重ね、複雑さも垣間見えます。

私たちは、子どもたちのこと、教育のこと、人権尊重の取り組みの草の根活動が社会的に評価され、ねぎらわれる社会づくりを大切にしたいと考えます。子どもの成長や教育については、政治状況や時代の荒波を超えて普遍的価値が与えられなければなりません。とりわけ民族学級の取り組みは、長らく社会の関心外にあったものですから、南北コリアはもちろん、日本社会が民族学級の取り組みに関心を持ち、それを契機として、すべての子どもたちに最良の教育環境がもたらされることを私たちは願ってやみません。

朴ソンセン二ムの功績に対する評価について、まず朝鮮民主主義人民共和国政府が表明してくれたことを私たちは率直に歓迎したいと思います。それに続けて、ぜひ大韓民国側からもそうした表明がなされることを期待し、積極的な働きかけを継続したいと思います 。
ただ、もちろん、南北が足並みをそろえることの難しさを知っている私たちですので、それが実現せずに、結果的に半分だけになったとしても、そこに政治的解釈は不要であり、その意味や価値に変化があるわけではありません。

朴ソンセン二ムは、残された退職までの期間、今日も、明日も、あさっても、変わらず子どもたちのそば、民族学級の現場に立ち続けられます。民族教育者の役割は、現場に立つこと、子どものそばにいることです。朴ソンセン二ムをはじめすべての民族講師たちは、そうした目線と使命を持つ人々です。社会は、そうした人々の存在を忘れてはなりません。私たちコリアNGOセンターは、そんな現場の人々の汗が活かされる社会をめざし、さらに懸命に取り組む覚悟です。
今回の朴ソンセン二ムの称号授与に関して、そのようなメッセージを在日社会、日本社会に発信し、すべての人々が輝ける多民族・多文化共生社会の真の実現に向けて、ともに歩んでいただけるのなら、私たちはうれしいです。

お問い合わせ 特定非営利活動法人 コリアNGOセンター center@korea-ngo.org
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