コリアNGOセンターには弁護士、税理士、司法書士、行政書士など在日コリアンの有資格者の方々が参加し、法律相談、生活サポートに関わっていますが、そうした有資格者の方々を主な対象にして、定期的に
専門部会を開催しています。
専門部会では、法律・制度や税務などの実務的な問題から企業経営者の講演、その他時局的なテーマでの講演など多岐にわたるテーマで、有資格者の方々のスキルアップと交流を目的に年5回開催されています。
参加ご希望の方は、当センター(06-6711-7601、
center@korea-ngo.org)までご連絡ください。
9月21日、新大阪丸ビルにおいて、専門部会が開催された。今回の部会には京都のキムチ製造販売の老舗、「キムチのほし山」の李連順会長に「キムチのほし山の歩みと日本における『韓食』のいま」というテーマで行なった。
李連順さんはキムチのほし山の歩みについて、「解放以後、なんとか食べていかないとという思いから、1958年に京都壬生にて『「京城食品』としてキムチの商売を始めました」と語り、「当時はキムチが『朝鮮漬け』と言われて、 あまり知られてなかった。それでもなんとか売らないとという思いで、キムチをもって、当時はスーパーとかはなく、『よろずや』といってましたが、一軒一軒たずねて営業していきました」と当時の苦労を振り返った。
そしてキムチ販売の歴史は順風満帆ではなく、さまざまな偏見があるなかでも、自分たちの味と食文化を守り続け、また日本の人たちの味覚にもあうように研究を重ねていまにいたっていると語った。また、自身の事業がこうして発展してきたのは、自分達の努力だけではなく、在日の1世たちが築き上げてきたものがあったからこそであり、そして自分たちの努力を受け入れてくれた多くの日本の人たちとの出会いがあったおかげであると強調した。
李さんのお話は、企業の成長の歴史であるとともに、在日一世が生きてきた、私たちが忘れてはならない在日の歴史としての重さ感じるものだった。(2012.09.25)
2012年7月9日より、新しい在留管理制度が施行されることになったが、こうした変化が在日コリアンにどのような影響を与えるかをテーマに、7月13日に専門部会が開かれた。
部会では、コウ国際行政事務所の玄泰成さんが入管法・入管特例法について、司法書士の金勇秀さんが住民基本台帳法についてそれぞれ報告した。
玄泰成さんからは、今回の改正のポイントとして(1)「在留カード」「特別永住者証明書」の交付、(2)在留期間の追加(最長5年)、(3)みなし再入国制度の導入(1年以内、特別永住は2年以内)、(4)外国人登録制度の廃止、などがあげられた。またそれ以外にも在留資格の取消しの拡大や退去強制事由の拡大や、所属機関による届出(努力義務)などが導入され、管理体制はむしろ強化されることになると報告された。同時にみなし再入国制度では「朝鮮籍」が排除されており、在日コリアンのなかでも分断状況が持ち込まれていると批判した。
続いて、金勇秀さんからは、外国人登録制度の廃止にともない、新たに外国人住民票が創設されることを中心に、外国人住民票の主な記載事項や手続きが紹介された。また記載名として、原則ローマ字表記になることにより、ローマ字表記がわからない場合や通称を使っている場合の同一人性の確認において、さまざまな問題が出てくる可能性が指摘された。またこれまでの外国人登録記載事項証明では記載されていた国籍国の住所又は居所・出生地、家族事項(同居人以外も含む)が無くなることにより相続・登記手続きなどでこれまでとは違う対応が必要になると報告された。また外国人登録原票の情報の開示手続きなども紹介され、実務的に今後注意が必要な点がさまざま指摘された。(2012.07.27)
⇒ 当センターでは新たな在留管理制度の施行にともなう、さまざなま疑問・問題をサポートしていきますので、お気軽にお電話下さい。(大阪06-6711-7601、東京03-3203-5655)
当センターの専門部会に加盟する有資格者や企業人らによる異業種間交流である専門部会が4月27日、大阪市東淀川区で行われ、2012年度の税制改正について当センター会員の金歩(キム・ボ)税理士から説明を受けた。
金税理士は、日本の複雑な税制体系や今年度の注目ポイントについて解説した。日韓間で資産を保有するケースの多い在日コリアンが注視すべき相続税や贈与税の扱い、所得税控除の多様な種類などをあげて、金税理士は「納税者が税について理解しづらいのが日本の税制の特徴。自分がどのような項目で課税されているのか自覚を持ちづらい。」と述べた。
金歩税理士は今年7月から韓国に進出した日本企業の税理にあたるため渡韓し、韓国で日本税制の専門家として勤務する。
専門部会は2ヶ月に1回程度開催している。 (2012.05.01)
当センターの異業種交流、学習組織である専門部会が11月4日、新大阪駅前のCOCO PLAZAで開催された。この日の部会では、女性の社会進出に障壁となりがちな、保育課題に着目。病時保育に取り組むNPO法人ノーベルの高亜希さんを講師に招き、新しい子育てのニーズに着目した女性の社会参画拡大をめざすソーシャルビジネスの現状について聞いた。
高さんは、周りの同僚や先輩たちから、子どもが熱を出すなどの体調不良時に、保育所から帰宅を求められ、それにより職場での立場を悪くしている実態を知り、乳幼児期に子どもが熱を出すことは当たり前のことでありながら、それが障壁となって女性が社会的制約を受けていることはおかしいと奮起、病時保育の先例に取り組むNPOでの修行経て、決意し大阪で起業した経験談を語った。また、自らが考える組織づくりの理想や将来の事業拡大の展望、社会変革の可能性にも言及、より多くのサポートを可能とする共助型の社会事業の展望を語った。 (2011.11.14)
*NPO法人ノーベルのホームページ
http://nponobel.jp/
当センターの専門部会による新春講演会が2月5日、大阪梅田で行われた。この日の講演会では、新韓銀行大阪支店の晋玉童(チンオクトン)支店長を招いて韓国経済の今後、東アジア地域の経済動向について話を聞いた。晋支店長は、日本経済の停滞は今後も持続するのではないかとの見通しを示し、少子高齢化時代を迎えた東アジア地域において、日本の現状から韓国、アジア諸国が学び取っているとし、投資については選択と集中がいかに効果的であるかが重要で、それによって景気の持続性が左右すると語った。
また、新韓銀行は、外国資本による銀行としては、シティ銀行に続き二番目に普通銀行認可を受けたとし、韓日の掛け橋になるような事業にはもちろん、在日コリアンはもちろん、地域経済にプラスになる新しい銀行のスタイルをめざしたいと意欲を語った。
専門部会では、多様なテーマで今後とも定期講演会を開催する。会員以外の参加も可能で、講演会終了後には懇親会も行われる。有資格者をはじめ企業家、楽手など異業種交流の機会となり好評だ。 (2011.2.14)