コリアNGOセンター民族教育確立事業
 国籍にかかわらず朝鮮半島にルーツをもつ子どもたちが、自らの民族の歴史・言語や文化などを学ぶことを通じて「生きる力」を育むことは、国際人権基準にそった民族的マイノリティとしての当然の権利でもあります。
 また、在日コリアンの子どもの民族教育の制度保障の取り組みは、急速に進む少子高齢化のもとで、多民族化・多文化化が不可避なこれからの日本社会にあって、日本の子どもたちにとっても人権意識を培い、「ちがい」を豊かさにしていくという「共生」を学ぶという点でも、大きな教育意的意義があります
 コリアNGOセンターでは、こうした観点から、次代をになう在日コリアンの子どもたちが民族的アイデンティティと自尊感情を育んでいくことができるように民族教育権の確立に向けた事業、とりわけ大阪の公立学校に設置されている民族学級での民族教育の制度保障にとりくんでいます。

 いま、大阪府・大阪市にはおよそ170校の公立の小・中学校に在日コリアンの子どもたちを対象にした民族学級が設置されており、約2600人の子どもたちが参加しています。
 民族学級では、子どもたちが互いに民族名で呼び合いながら、ウリマル(私たちの言葉)や歴史、さまざまな文化、伝統を学び、自らのアイデンティティを豊かに育んでいます。
 近年では、大阪の民族学校の現場を日本の国会議員や韓国国会議員が視察に訪れるなど、公立学校における外国人教育の一つのモデルとして注目されています。



大阪市内の小学校でおこなわれた民族学級に通う子どもたちの校内発表会
   
大阪市内の各地域ごとに取り組まれている民族学級交流会 大阪市内の民族学級を視察した超党派の韓国国会議員による視察団
   
外国人学校の処遇改善も切実。センターでは民族 学校とともにブラジル人学校支援のため現場にも 入っている コリアNGOセンターなどが実行委員会を構成し、2008年に大阪で開催された「多民族共生教育フォーラム2008」