5月27日、大阪市にある東成区民センターで「在日コリアン人権フォーラム2023~国連自由権規約委員会と民族的マイノリティの権利」が開催されました。
2022年11月、国連・自由権規約委員会が自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)の実施状況に関する日本政府報告書の審査を行い、2022年11月に在日コリアンの人権課題をはじめ、入管収容やマイノリティの基本的人権に関わる問題を指摘し、勧告を盛り込んだ総括所見を公表しました。このフォーラムはそれを受けて、在日コリアンの人権課題からいまの日本のマイノリティの人権状況をとらえなおそうと、コリアNGOセンター、在日韓国人問題研究所などが共催で開催したものです。
フォーラムでは、民族学級、朝鮮学校などの民族教育権、公務就任権、高齢者・障碍者無年金、地方参政権などいまも続く差別の現状がそれぞれ報告され、また2023年が関東大震災朝鮮人虐殺100年にあたることも踏まえて、いまだに清算されない植民地主義、レイシズムの克服とこれからの移民政策をテーマにした活発な討論が行われました。
フォーラムの会場には約120人が参加、オンラインも含め150人を越える人が参加しました。
フォーラムの内容の詳細、共催、協力団体は以下の通りです。
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【開会挨拶 フォーラム2023がめざすもの】
佐藤信行(在日韓国人問題研究所『RAIK通信』編集長)
【第1部 国連自由権規約委員会の勧告と現状の課題
・民族的マイノリティの教育権(民族学級)の否認
郭 辰 雄(カクチヌン・NPO法人コリアNGOセンター代表理事)
・朝鮮学校の制度的・社会的排除
李 承 現(リスンヒョン・弁護士・在日本朝鮮人大阪人権協会理事)
・公務就任権(地方公務員・公立学校教員)の否認
大石文雄(かながわみんとうれん)
・高齢者・障害者の年金制度からの排除
鄭 明 愛(チォンミョンエ・年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会)
・ヘイトスピーチ・ヘイトクライム
金 尚 均(キムサンギュン・龍谷大学教員、京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策を求める会)
・地方参政権からの排除
李 圭 燮(イキュソプ・前在日本大韓民国民団兵庫県本部団長)
【第2部 討論シンポジウム「歴史の反省と総括を踏まえた移民政策のために」】
師岡康子(弁護士/外国人人権法連絡会事務局長)
韓 雅 之(ハンアジ・弁護士/在日コリアン弁護士協会理事(前代表)
朴 君 愛(パククネ・一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター)
早崎直美(すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク事務局長)
丹羽雅雄(弁護士/外国人人権法連絡会共同代表
進行:郭 辰 雄(NPO法人コリアNGOセンター代表理事)
【緊急報告 入管法の2023年改悪案反対の取り組み】
佐藤信行(在日韓国人問題研究所『RAIK通信』編集長)
【共催団体】 NPO法人 コリアNGOセンター/在日韓国人問題研究所(RAIK)/かながわみんとうれん/横浜市国籍条項撤廃連絡会/兵庫在日外国人人権協会/年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会/一般財団法人 アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)/反差別国際運動(IMADR)/在日コリアン弁護士協会(LAZAK)/
【賛同団体】 外国人人権法連絡会/移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)/朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会/外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)/在日大韓基督教会社会委員会/日本バプテスト連盟日韓・在日連帯特別委員会/外国人住民との共生を実現する九州・山口キリスト者連絡協議会(九州・山口外キ連)/日本自由メソヂスト教団/外国人住民基本法の制定を求める北海道キリスト教連絡協議会(北海道外キ連)/外国人との共生をめざす関西キリスト教代表者会議(関西代表者会議)/外国人との共生をめざす関西キリスト者連絡協議会(関西外キ連)/日本基督教団北海教区平和部門委員会/札幌キリスト教連合会在日韓国・朝鮮人との共生を目指す委員会/ほか