自由民主党が2月8日に投開票される衆議院選挙の候補として大阪5区に杉田水脈氏を擁立する方針が1月20日の報道で明らかになったことを受けて、コリアNGOセンターでは杉田水脈氏が在日コリアンやアイヌ女性、セクシャルマイノリティに対する差別言動を繰り返してきた人権侵犯者であるとして、自由民主党に候補擁立を見直すよう求める要望書を作成、1月21日に自民党大阪府連を訪問し、鈴木規久事務局長に伝達しました。
****************** 以下 声明文 ********************
自由民主党
総裁 高市早苗 様
杉田水脈前衆議院議員の衆議院候補擁立の見直しを求める要望書
私たちコリアNGOセンターはこれまでヘイトスピーチの解消など差別の根絶、多文化共生社会に向けた社会教育活動に取り組んできた在日コリアン当事者の人権団体です。
さて、さる1月20日の報道によるときたる1月27日に公示される衆議院選挙において杉田水脈前衆議院議員(以下、杉田前議員)を大阪5区の候補として擁立する方針であると報道されました。このことを私たちは驚きをもって受け止めています。
杉田前議員は2017年の自民党入党以前である、2016年2月の国連女子差別撤廃委員会に参加し、「日本軍による慰安婦問題はなかった」などと主張し、そのときに参加していた在日コリアン女性、アイヌ女性を揶揄し、自身のブログで「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」と書きました。またこうした趣旨の発言はブログにとどまらず青林堂発刊の雑誌『JAPANISM』でも掲載されるなど、マイノリティ女性を差別、揶揄する発信が繰り返し続けられてきました。
これに対して当該の在日コリアン女性、アイヌ女性が抗議をおこない、2023年には札幌法務局と法務省が人権侵犯であることを認定しています。
一方の杉田前議員は人権侵犯の認定を受けて自身のブログの記事を削除、「謝罪」、2018年には月刊誌「新潮45」8月号で性的マイノリティに対して「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない」と明らかな差別発言をしたことについて、2022年12月には総務政務官として国会答弁でこの発言についての「謝罪」を形のうえでは表明しています。
しかし2023年11月10日の共同通信の報道では杉田前議員は在日コリアンに対する悪質なデマであり、ヘイトスピーチの拡大につながってきた「在日特権」について、「実際には(在日特権は)存在します」とX(旧ツイッター)に投稿しています。
「在日特権」という言葉は、在日コリアンがあたかも日本社会で優遇され、特権を享受する存在であり、特権を利用して日本社会に害をなす敵対的存在であるという趣旨で、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)が中心となって主張されてきたデマであり、「在日特権」が存在しないことは日本政府も認めているところです。にもかかわらず2021年の京都府宇治市ウトロ地区での放火事件、2022年の大阪府茨木市にあるコリア国際学園放火事件、在日本大韓民国民団徳島県本部脅迫事件など、在日コリアンへのヘイトクライムによる被害が各地で拡大をみせるなかで、在日コリアンへの偏見・憎悪を煽るような発信をおこなっているのです。
また2025年7月の参議院選挙でも公認決定後には自身のホームページで「新潮45」の文章全文を掲載し、自分への批判が不当であるように発信したり、人権侵犯は認定されていないなどと主張するなど、過去の「謝罪」とまったく反対の振る舞いをしています。こうした状況を見れば、杉田前議員の「謝罪」は、自身の差別発言で在日コリアン女性やアイヌ女性、性的マイノリティを傷つけたという真摯な反省もない不誠実なものであり、自身がこれまで批判を受けてきた差別、ヘイトを助長する行動を改める姿勢もまったく見られないと断ぜざるをえません。
今回、杉田水脈氏が候補として擁立される大阪5区ですが、大阪市は歴史的にも在日コリアンが日本で最も多く暮らしており、いまでは人口の7%を外国人が占めています。また生野区にある大阪コリアタウンには年間200万人がおとずれる日韓交流の拠点ともなっており、長年にわたって多文化共生のまちづくりが多くの大阪市民参加のもとで進められているところであり、今後少子高齢化、多文化化が進む日本社会にあって、外国人をはじめマイノリティの人権擁護と多文化共生社会をめざしていく上で、象徴的な都市だといえます。
そうした観点から考えたとき、これまで常習的にマイノリティへの差別発言を繰り返してきた杉田前議員がこれらの課題を担うにふさわしい人物であるとは到底言い難いのではないでしょうか。同時に、そうした人物を衆議院議員候補として擁立することは自民党の人権尊重と多文化共生にむけた姿勢を大きく毀損することになるのではないでしょうか。
こうした趣旨から、自民党におかれましてはぜひとも杉田前議員の大阪5区の候補擁立を見直していただきますよう、強く要望いたします。
2026年1月21日
特定非営利活動法人コリアNGOセンター
代表理事 郭辰雄

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