大阪市中央区島之内地域は、西日本最大の歓楽街大阪ミナミで生活の糧を得て暮らす人々のまちです。しかし、歓楽街が感染の温床とされ、何度も営業自粛を求められてきたことで、そこに生きる人々の生活は混迷を深めています。感染が広がった初期はまだ政府の支援もあり、なんとかそれでやりくりしてきました。ただ、家計への直接給付は一過的で、福祉緊緊急貸付も借り切り、家賃補助制度も使い切り、もはや万策尽きるかたちで去年よりもさらに事態は深刻化しています。とりわけ、外国人家庭の集住地域であることから、支援が届きづらいという特徴もあり、なお厳しいと言えます。
こうしたなか、昨年末にMinami こども教室としまルームの合同でフードパントリーを実施し、約100セットを配りました。年の瀬を乗り越えてほしいとの願いからでした。あれから2ヶ月が経ち再びの食材支援を2月14日に取り組みました。
今回は150セット。待ちきれない人々が早くから列を作って私たちを待っていました。当初は午後1時から5時までの予定でしたが、3時には配り切り、そこから55家族には名前と連絡先を聞いて後日配布となりました。
子育て世代を支えたいと準備しましたが、もはや苦境は老若男女を問わず。コロナ大不況に翻弄されながら、多くの家庭が家賃滞納や日々の生活費にもことを欠いている状況がわかっています。一方、食材配布があると聞いても、自分はもらえるのだろうかと不安な表情を浮かべてやってくる人々の姿が印象的でした。そして、どんどん準備した食べ物がなくなっていくさまを見て、本当に涙が出そうになりました。こんな社会でいいのかと。
私たちは微力です。それでもこうして困窮と闘えるのは、支えてくださる支援者の皆様がおられてのことです。昨年12月初旬から2回目のフードパントリーの直前までに約290万円が集まりました。本当に貴重な支援です。これを財源として食材配布プロジェクトが実施できました。ここにあらためて報告させていただき、お礼申し上げます。わかる範囲で直接お礼をお伝えしましたが、銀行通帳に記載されたお名前しかわからない方々も相当いらっしゃり、よろしければこの内容を皆さんにシェアしていただき、ご支援いただいた方々に少しでもメッセージが届けられれば幸いです。また、この実情がよりたくさんの皆さんに届けられたらとも思います。
追加の食材支援は続きます。また、政府は緊急貸付や住居確保給付金の延長を発表しました。その手続き支援も始まります。また、この不況のなかで行き詰まった親子関係や、本来の私たちの役目である子どもたちへのケアもまだまだやります。地域での外国人家庭や困窮家庭への支援を、とにかくしっかりやり抜きたいです。
あらためましてご支援をいただいた皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
2021.02.15