7月18日に三重県で行われた参政党候補者の選挙応援演説で参政党の神谷宗幣代表が在日コリアンへの差別発言をおこなったことに対して、コリアNGOセンターとして以下の抗議文を公表、参政党へ送付しました。
参政党・神谷宗幣代表による在日コリアンへの差別発言に対する抗議文
7月18日付の共同通信(デジタル版)によれば、同日、三重県四日市市で行われた参政党の候補者の応援演説をおこなった参政党の神谷宗幣代表は、同党の憲法構想案への批判をめぐって「あほうだ、ばかだ、チョンだとばかにされる」と述べたという。
「チョン」という言葉はこれまでも在日コリアンを嘲笑する差別的言動であり、神谷代表も「ばかにされる」という認識を表明し、この言葉が嘲笑、侮蔑の意味を有しているととらえている。また発言後に「私がちょっとでも差別的なことを言うと、すぐ記事になる」と、自身の発言が差別的であると認識もしており、在日コリアンに対する差別的な言葉であることを理解した上で発言していることは明らかである。
参政党の選挙戦をめぐっては、在日外国人のおかれた現状に対する事実とは異なる情報(生活保護受給率、年金受給、犯罪数など)をことさらに強調し、外国人が日本人よりも優遇されているという、明らかに事実とは異なる主張を繰り返し、結果的に外国人に対する差別的、排外的な世論を煽りながら、今の社会への不安感を持つ有権者を参政党への支持につなげようと選挙運動をおこなっていると多くのメディア、専門家などからも批判が強まっているところである。
私たちは、こうした選挙のありかた、そして選挙演説で「チョン」という、神谷代表自身が差別的であると認識している言葉を平然と使う、外国人に対する差別的な意識は極めて問題であると考える。
神谷代表は、差別発言の後に「今のカット」、「ちょっと差別的な発言は、ごめんなさい。訂正する」と語ったとのことであるが、公党の代表である政治家の口から出た言葉は、重大な影響力を有しているのであり、軽々になかったことにできるものではない。
私たちコリアNGOセンターは在日コリアンの人権団体として、選挙戦の過程の公の場で在日コリアンに対する差別発言が行われたことに対して断固として抗議するとともに、7月20日の投開票日を迎える前に参政党としての認識の公表および差別発言に対する謝罪の公表を求めるものである。
2025年7月18日
特定非営利活動法人コリアNGOセンター
代表 郭辰雄
【共同通信】
参政代表「ばかだ、チョンだ」 憲法構想案批判で、差別発言訂正